集めないネイチャービンゴ。見つけて楽しむ自然の宝さがし

宝さがしは、ふつうのお散歩を冒険に変えるすばらしい方法です。ただ、リストのものをひとつずつ急いでつかみとる昔ながらのやり方には、ひとつ落とし穴があります。つんだ花の束、葉をむしられた枝、ポケットに入れられた生きもの。それは、自然は取るためにそこにある、という、大人が伝えるつもりのないメッセージを、こっそり教えてしまいます。うれしいことに、幼児との自然の宝さがしは、集めるのではなく見つけて気づくことを目的にしても、同じくらい、いやそれ以上にうまくいきます。

つかむより、見つけるほうがいいわけ

目的を集めることから見つけることへ変えると、すてきなことが起こります。さっとつかんで次へ、ができないので、お子さまはゆっくりになり、もっとよく見るようになります。こまかなところを観察しはじめ、お説教ではない形で、生きものを大切にするという早い時期のレッスンを吸収します。自然は次の家族のためにそのまま残り、お子さまは、何かに気づくこと自体がごほうびになると知ります。

見つける形の宝さがしは、よくあるストレスのもとも取りのぞいてくれます。だれが何を取ったかでもめることも、家でしおれた花束を後ろめたい気持ちで捨てることも、何か害のあるものをつんでしまう心配もありません。お子さまはただ、さがして、見つけて、指さして、次へ進む。雰囲気は軽く、お散歩も流れよく進みます。

かんたんな宝さがしをつくる

リストは短く、できそうなものに。とくに小さな子なら、4つから6つでじゅうぶんです。歩く場所で本当に見つかると自信のあるものを選べば、宝さがしはいらいらではなく、早めの「できた」を届けてくれます。まだ字が読めない幼児には、絵やかんたんな記号を使うか、リストを声に出して伝えて、歩きながら思いださせてあげましょう。

やさしいものと、ちょっとむずかしいものを混ぜましょう。丸いもの、ざらざらのもの、穴のあいた葉っぱ、鳥、赤いもの、音がするもの。感覚に関わるものや答えのひとつでないものは、いろいろな形で見つけられるので、とてもうまくいきます。林の中でも、家の前庭がならぶ一本道でも、ほとんどどこでも宝さがしができます。

取らずに、記録する方法

思い出の品をほしがったら、ポケットいっぱいの戦利品のかわりに、やさしい方法があります。見つけたものを1枚ずつ写真に撮れば、何も持ちださずに、あとでコレクションを楽しめます。印刷したビンゴカードにしるしをつければ、進んでいく満足感が味わえます。さっと絵を描いたり、見つけるたびにハイタッチしたりするだけでもいいのです。お子さまがとくに大事にしたい、落ちていた葉っぱ1枚や石ひとつくらいなら、持ち帰ってもかまいません。基本は「まず見つける、取るのはたまに」です。

年長さんには、写真版の宝さがしもおすすめです。手ごろなカメラを渡したり、スマホのシャッターを押させてあげたりしましょう。どう切りとって何を写すかを選ぶことで、見る目はさらにみがかれ、しおれていく植物の袋ではなく、その日のギャラリーが手もとに残ります。

ふしぎは残して、競争はなしに

宝さがしは競争になりがちで、それが合う子もいれば、圧倒されてしまう子もいます。幼児には、たいてい競争より協力のほうがうまくいきます。チームでさがし、見つけるたびにいっしょによろこび、お子さまのペースでゆっくり進みましょう。きょうだいがいるなら、それぞれに見つける担当のものをひとつずつ決めると、すばやい子が全部勝って下の子ががっかりすることを防げます。

好奇心のよりみちも歓迎しましょう。リストにすらないカタツムリにお子さまが夢中になったら、ついていきます。リストはスタート地点で、時間割ではありません。いちばんいい瞬間は、お子さまがたまたま見つけたものから生まれることも多いのです。それを大切にすると、課題をやりとげることより、自分の気づきのほうが大事なのだと伝わります。

外での、かしこい注意

いくつかのやさしい約束で、みんなの安全と自然への敬意が守れます。植物や生きものは、つんだりさわったりせずに見るだけ。とくに木の実ときのこは、決してつんだり食べたりしないこと。お散歩のあと、とくにおやつの前には手を洗いましょう。天気に合わせた服装をして、明るい季節には帽子、日かげ、日焼け止め、水を。歩きやすい道があるところでは道を外れないことが、お子さまも、楽しんでいる自然のすみかも守ってくれます。

こうして外で体を動かすことは、お子さまの毎日の運動と心の健康もそっと支えます。宝さがしがあると、子どもはふつうのお散歩より遠くまで、よろこんで歩き、それでいて運動している気はまったくしません。

子どものペースと興味についていく

幼児が宝さがしにつきあってくれる長さはさまざまです。リストを全部うめて大よろこびする子もいれば、ふたつ見つけたところでやめて、水たまりに石を投げたがる子もいます。どちらも成功です。目的は、外で楽しく注意深く過ごすひとときで、チェックリストをうめることではありません。

お子さまがまわりの世界を見たり探ったりすることにいつもほとんど興味を示さない、見つけたものを伝えようと指さすことがめったにない、できていたことや言えていたことばがなくなってきたように見える、と気づいたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに伝えておくといいでしょう。たいていは安心のためです。それでもほとんどすべての子にとって、短いリストと、ちょっとした演出と、宝物はそのままでいいという許しがあれば、なんでもないお出かけが「またやりたい」と言われる時間になります。

大事なのは: 宝さがしは、集めるのではなく見つける遊びに。リストは短く、見つけたものは写真やしるしで残し、生きものはその場に残しましょう。

NHS, Physical activity guidelines for children under 5

American Academy of Pediatrics, The power of play