雨の日こそ外遊び。楽しむための装備と約束
北欧には「悪い天気はない、あるのは合わない服だけ」ということわざがあります。まるごと本当とは言えませんが、心にとめておく価値があるくらいには本当に近いことばです。しとしと雨の日だからといって、また家の中でかべをよじのぼるような午後を過ごす必要はありません。合った装備と、いくつかのかしこい線引きがあれば、雨の中の外遊びは、子どもにとっていちばん楽しく、心に残る遊びのひとつになります。水たまり、泥、雨の音は、五感へのまじりけのないごちそうで、外の空気はみんなを元気にしてくれます。
雨を受けいれる価値
晴れた日にしか外に出ない子は、楽しさの半分と、1年のかなりの部分をのがしています。雨は見なれた景色を変えてしまいます。かわいていた地面に水たまりがあらわれ、ミミズが出てきて、なんでもにおいがちがい、ふつうの道が冒険に変わります。雨の中の外遊びは、ばしゃばしゃ、ぐちゅぐちゅ、ひんやりしたしずく、いつもとちがう音と、晴れた日にはどうしても手に入らない豊かな感覚の体験をくれます。ちょっとした天気はこわがるものじゃない、という、立ちなおる力と変化になじむ力も、静かに教えてくれます。
実際的なよさもあります。雨の日にも外に出ていれば、家族がつい何週間も家にこもってしまう季節にも、お子さまの毎日の運動が続きます。しとしと雨の中で20分ばしゃばしゃしている子は、活発で、楽しくて、そして何より、家の外にいます。
装備が、ほとんどすべて
雨の日のつらさのほとんどは、ぬれることと寒いことで、どちらもちゃんと防げます。合った装備があれば、うんざりするお出かけが最高のお出かけに変わります。しっかりしたレインコートとレインパンツ、小さな子なら上下つながったレインスーツがあれば体はぬれません。長ぐつで足もぬれず、暖かいままです。下には気温に合わせた重ね着を。雨は寒さを連れてくることが多いからです。防水の手袋やミトンがあれば、小さな手が痛いほど冷えるのを防げます。帰ってからのために、かわいた着がえ一式とタオルを用意しておけば、楽しい時間はふるえではなく、ぬくもりと心地よさで終わります。
しっかり装備したら、大人は肩の力をぬいて、思いきり遊ばせてあげられます。中途半端な雨対策は、とちゅうで切りあげる涙のお出かけになりがちです。しっかりした雨対策なら、遊びが続きます。
線引きは、はっきりと
かしこい線引きがあるからこそ、雨の日の遊びはむちゃではなく安全なものになります。子どもは、前もってはっきり伝えられた決まりのほうが受けいれやすいものです。水たまりの約束を決めましょう。「水たまりにはジャンプしていいけど、水は飲まない、顔にかけない」。深い水や流れの速い水には近づかないこと。側溝や川、池、冠水した場所は、楽しそうに見えても危ないことがあります。雨で見通しが悪くなり、車から小さな子が見えにくくなる道路もさけましょう。そして、やめどきを知ること。楽しいびしょびしょのお散歩と、本当に冷えきってずぶぬれになることのあいだには、線があります。
もうじゅうぶんというサインを見守りましょう。ふるえ、青いくちびる、青白い肌、いつもとちがう静かさ、寒いという訴えは、中に入ってかわかし、温まる時間だというしるしです。小さな子は大人より早く体温をうしなうので、寒くてぬれる日は短めにし、時計よりサインを信じましょう。
家にいたほうがいい日を知る
雨を楽しむといっても、どんな天気でも出かけるということではありません。雷が鳴っているときは、きっぱりやめましょう。雷は本当に危険で、ひらけた場所や高いものがない場所は、いちばんいてはいけないところです。強い風をともなう大雨、冠水、ひどく寒くてぬれる天気の日は、窓から天気を楽しむのがかしこい日です。目指すのは、楽しいしとしと雨と水たまり遊びで、嵐の中のがまんくらべではありません。雨の日をかしこく選べば、ずっと楽しく続けられます。
雨の中でできる、かんたんなこと
計画はいりません。いるのは許しだけです。水たまりにジャンプ。定番には理由があります。葉っぱや小枝をふねにして、側溝や小さな流れに浮かべる。雨がフードや葉っぱや屋根にあたる音のちがいに耳をすます。雨の日に出てくるミミズやカタツムリをさがす。ほんの少し、上を向いて顔に雨を感じる。泥だんごや泥の足あとをつくる。水が坂を流れおりて、たまっていく様子を見る。たいていの子は、水たまりだけで、大人が思っていたよりずっと長く、楽しく夢中になっています。
温まり方と、健康のひと言
ぬれたお出かけは、いつもいい形で終えましょう。しめった服はすぐにぬがせて体をふき、かわいた服を重ねて、温かい飲みものがあればそれで温めます。このシンプルな流れが大切です。冷たくぬれた服のままでいることが、本当に冷えきってみじめな子にしてしまうからです。
ほとんどの子は、雨の日の遊びでまったく何の問題もなく、元気に育ちます。ただ、ひどく冷えてふつうに温まらない、冷えたあといつもより眠そう、ぐったりしている、具合が悪そう、ふるえが止まらない、という場合は、医療機関に相談してください。めったにないことですが、サインを知っておけば、心配ではなく自信をもって雨を楽しめます。装備をととのえ、約束を決め、日を選んで、あとは水たまりに魔法をかけてもらいましょう。
ここを押さえて: しっかりした雨具とはっきりした約束が、楽しい雨の日の遊びのかぎです。深い水と雷はさけ、冷えのサインを見守り、帰ったらしっかり温めましょう。
NHS, Physical activity guidelines for children under 5
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5