いそがしい平日は、10分の自然遊びでじゅうぶん

いそがしい平日、ちゃんとした外の冒険なんて、とてもむりに思えるものです。仕事、ごはん、保育園、そしてあれこれのばたばた。だれに1時間の自然散策をする余裕があるでしょう。でも、安心してください。1時間はいりません。ふつうの一日の小さなすきまに入れこんだ、手短な自然遊びにも、本物のよさがあります。こまめに外で過ごす10分は、いつか計画しようと思いつつなかなか実現しない、たまの大がかりなお出かけより、ずっと大きなものにつみあがります。

少しずつ何度もが、ちゃんと効く

外の時間は、長くてとくべつでないと意味がない、という思いこみはなかなか消えません。そんなことはありません。小さな子にとって、体を動かすことや外の時間は、一日のなかに短くちりばめるのがいいとされています。つまり、庭やベランダでの10分のぶらぶらや、帰り道の緑地でのちょっとした寄り道も、体の動き、気分、自然とのつながりに本当に役立っているのです。手短な自然遊びは、本物の代わりのものではありません。働く1週間のリズムのなかでは、それこそが本物であることが多く、それでまったくじゅうぶんです。

何か大きなことをしなければ、というプレッシャーから自分を解放すると、小さなことができるようになります。短くて定期的なひと口は、めったにない、実現しない大がかりな計画に勝ちます。だから、ねらいは低く、回数は多く。お子さまのためになるのは、大きさではなく続けることです。

10分でできるアイデア

いちばんいい手短な遊びは、準備も道具もいりません。庭やベランダ、玄関先に出て、きのうから何が変わったかただ気づく。新しい花、クモの巣、昼間の月。雨のあとに2分の水たまりジャンプ。鉢に水をやって、育っている植物の様子を見る。鳥にえさをあげて、だれが来るか見る。ひとつだけさがしものをする。カタツムリ1匹、赤い葉っぱ1枚、丸い石ひとつ。ほんの少し顔に天気を感じて、ことばにする。通りのはしまで競争して、もどってくる。しゃぼん玉をいくつかふく。5分間、寝ころんで雲をながめる。

どれも計画はいらず、どれもお子さまに新鮮な空気か、体の動きか、小さなふしぎをくれます。とくに長い一日の終わり、くたくたで何かを考えだすのもしんどいときに、考えずに手をのばせるよう、頭の中に短いリストを持っておきましょう。

もうしていることに、くっつける

手短な自然遊びを本当に実現するひみつは、時間をよけいにさがすのではなく、一日のなかにもうある部分にひっかけることです。保育園への道に、ゆっくり気づきながら歩く区間を足す。夕ごはんを煮ているあいだに、数分外に出る。夕ごはんのあとに、近所をひとまわり。お湯がわくのを待つあいだに、いっしょにベランダの植物をながめる。外の時間がすでにある流れにぬいこまれると、いつまでたってもあかない空き時間を取りあうことがなくなり、ほとんどひとりでに起きるようになります。

こうした小さないかりは、お子さまの習慣にもなります。一日のほかの決まったことと同じように、夕ごはんのあとのぶらぶらや、玄関先のチェックを当てにするようになるのです。予想できて小さいことは、とくべつでめったにないことに勝ちます。

ハードルは低く

手短な遊びが手短なままでいられるのは、外に出るのがらくらくなときだけです。だから、前もってじゃまものを取りのぞいておきましょう。靴、上着、雨の日の装備を玄関に置いておけば、外に出るのは数秒ですみます。何をもって1回とするか、大人の基準も下げましょう。泥んこの2分のばしゃばしゃは成功で、妥協ではありません。いい天気、いい気分、片づいた家を待たないこと。かんたんで、計画がなくて、大目に見られることこそが、この遊びのいいところです。

小さくても、快適さは大切です。寒い日は上着、晴れた日は帽子と日焼け止め、それでおしまい。遠征するのではなく、ちょっと外に出るだけなので、準備も遊びと同じくらい軽くしておきましょう。

完璧でなくていい

10分がすてきな時間になり、お子さまがダンゴムシにうっとりする日もあります。ぶつぶつ言う日も、3分しかできない日も、雨にじゃまされる日もあります。どれもかまいません。価値は、こまめに外に出るというパターンにあり、1回1回のお出かけが計画どおりにいくことにあるのではありません。短くて、ちょっとしぶしぶのぶらぶらでも1回は1回。明日もまたチャンスがあります。

こうした時間を、外遊びはこうあるべきという理想とくらべないようにしましょう。本当の平日のくらしは、ごちゃごちゃで、ばたばたです。手短な自然遊びは、その現実に合うようにできていて、うまくできないことをもうひとつふやすためのものではありません。ほとんどの日に、まっすぐな10分。それは、あなたがお子さまのためにしている、本当にいいことです。

お子さまが動いたり遊んだりするのをひどくいやがる、軽く動いただけでいつもよりずっと早く疲れる、できていたことができなくなってきたように見える、と気づいたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに伝えてください。たいていは安心して終わります。それ以外は、シンプルに。ドアをあけて、数分外に出て、小さなことにひとついっしょに気づく。それで、たっぷりです。

覚えておきたいこと: 長くてめったにないより、短くてこまめに。10分の外遊びをいつもの流れにひっかけ、装備は玄関に置いて、完璧でなくてよしとしましょう。

NHS, Physical activity guidelines for children under 5

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5