ちゃんと続く、家族の外遊び習慣のつくり方
外に出なくなる家族の多くは、どうでもよくなったわけではありません。計画が大きすぎたか、天気がくずれたか、1回の週末の風邪でいつのまにか習慣がとぎれて、だれも再開しなかっただけです。続く習慣は、たいてい、希望にあふれた日曜の夜に思いえがくものより、小さくて地味なものです。それは志が低いということではありません。それこそが大事なところなのです。
すごいことより、小さいこと
毎週の家族の外遊びがうまくいくのは、1回1回のお出かけがすばらしいからではなく、子どもがそれを当てにするようになるからです。くり返しは、小さな子に時間の感覚と「ここが自分の居場所」という気持ちをくれますし、行くか行かないかの毎回の話しあいもなくしてくれます。毎週土曜の朝に起きることは、決めることではなくなり、ただ家族がふだんすることになります。
最初は、ちょっと照れるくらいささやかにしておきましょう。近くの同じ緑地で20分。そのほうが、みんなをくたくたにするたまの大がかりなお出かけより価値があります。すでにある習慣は、いつでも育てられます。くずれつづける習慣は、育てようがありません。
何をするかより先に、いつするかを
いちばんよくあるまちがいは、いつするかより先に、何をするかを計画してしまうことです。ごはんやお昼寝、仕事の引きつぎとぶつからない、実際の1週間に合う決まった時間を選びましょう。土曜の朝いちばん、静かな日の保育園の送りのすぐあと、日の長い時期なら夕ごはん前の30分。どれも「週末のどこかで」という、あいまいな約束よりずっと続きやすいものです。
すでにあることに、習慣をつなげましょう。朝ごはんのすぐあとに出る、帰りはいつも同じパン屋さんやベンチに寄る。お出かけに、はじまりと終わりの区切りができます。中身が変わっても、形が決まっていると、子どもは早く落ちつきます。
子どもに、ひとつの役目を
自分のものだという気持ちが、親の計画を家族の習慣に変えます。お子さまに、小さいけれどちゃんとした役目をひとつあげましょう。かばんを持つ係、最初の角でどっちへ行くか決める係、カモを見に行くか丘にのぼるか決める係。どれも小さな選択ですが、本物です。お出かけが、させられるものではなく、自分がするものに感じられるようになります。
習慣の中に、ゆるいリズムをつくることもできます。毎週おもしろいものをひとつ見つける家族もいれば、同じ場所から写真を撮って季節のうつろいを見る家族もいます。かんたんなくり返しがひとつあると、大人の手間はふえないまま、小さな子は「いつもここはこうするんだ」という満足感を味わえます。
消えかける週のための計画を
長く続く習慣には、うまくいかない日のための生きのびる計画があります。雨の日、だれかの機嫌が悪い日、1時間ではなく15分しかない日に、習慣がどんな形になるかを前もって決めておきましょう。縮小版でも1回は1回です。長ぐつをはいてポストまで歩くほうが、中止して来週とりかえそうと約束するより、ずっと習慣を守ってくれます。
体を動かすことの目安を知ると、ここで安心できます。小さな子の場合、運動は1回の長い時間にためるより、一日のなかで短く活発に動く時間をちりばめるのがよいとされています。だから、ちょっと泥んこになってぶらぶらするだけでも、お子さまの運動と心の健康に本当に役立っています。毎週の家族の外遊びの目標は、強さではなく続けることです。つまり手間のかからない版は妥協ではありません。それこそが続ける力になることが多いのです。
天気予報ではなく、その日の天気に合わせて
外に出たくない気持ちの、思いのほか多くは、じつは寒い、ぬれる、暑すぎる、ということです。玄関にレインウェアと予備の手袋を置いておけば、いちばん大きなじゃまものがなくなります。暖かく明るい季節は、日ざしがいちばん強い時間をさけて計画し、日かげ、帽子、日焼け止めを使い、水を持っていきましょう。子どもは快適だと長く楽しめて文句も減り、大人もまたやりたいと思える可能性がぐんと高くなります。
返ってくるものに気づく
習慣が続くのは、子どもだけでなく大人もよさを感じているときです。いっしょに外で過ごすと、たいていみんなの気持ちがほどけます。向かいあうよりならんで歩くほうが会話は流れ、動ける広さがあるときょうだいげんかも少し減り、大人も日の光と気分転換で心が軽くなります。それを、ちゃんとよさとして数えていいのです。毎週の家族の外遊びは、子どもの発達のためだけのものではありません。そうでないふりをすると、かえって守りにくくなります。
管理しすぎずに、ふり返る
1、2か月たったら、ひとつだけ聞いてみましょう。ほとんどの週、本当にできた?できていないなら、答えはほぼまちがいなく「もっと気合いを」ではありません。短くする、時間を変える、欲ばった版をやめる、たよれる場所ひとつにしぼる。ひとつだけ変えて、様子を見ましょう。半分の大きさで続く習慣は、やめてしまう理想の習慣に勝ちます。
心と体の健康について、ひと言
外遊びの習慣は、つながりと毎日の体の動きのためのもので、子どもが合格しなければならないテストではありません。お子さまがいつも外に出るのをいやがる、すぐにひどく疲れる、動くと痛そうにする、楽しそうだった子が好きだったことから遠ざかるようになった、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに伝えてください。ふだんの習慣はたいていの子を助けますが、ひとりひとりの心配には、ひとりひとりへのアドバイスが必要です。
ポイント: 決まった小さな時間を選び、子どもにちゃんとした役目をひとつ。雨の日用の小さな版を用意しておけば、大変な週も習慣は生きのこります。
NHS, Physical activity guidelines for children under 5
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5