年の差きょうだいで楽しむ、かんたんボール遊び

ボールと広い場所があれば、きょうだいは楽しく遊べるはず。ところが年の差が大きいと、あっというまにこじれてしまいます。上の子はかんたんすぎて飽き、下の子はついていけなくて泣きそうになり、楽しく始まったはずが、涙か口げんかで終わる。うれしいことに、ちょっとした工夫をいくつか加えるだけで、きょうだいのボール遊びは年齢をこえて本当にうまくいきます。下の子は仲間に入れてもらえたと感じ、上の子もいっしょに夢中でいられます。

年の差には、ちがうやり方が必要なわけ

むずかしさの中心はシンプルです。5歳の子の力に合わせた遊びでは2歳の子はついていけず、2歳の子に合わせると、上の子は退屈でたまらなくなる。まともに勝ち負けを競うと、なおさら悪くなります。上の子が毎回勝つので、楽しくもなければ公平でもありません。答えは、協力と、うまくバランスをとった役割を中心にきょうだいのボール遊びを組みたてることです。年齢によってちがうことで貢献し、全員にちゃんと出番があるようにするのです。

みんなに同じことを同じレベルでさせようとするのをやめると、可能性が広がります。それぞれに合った役割をあげれば、年の差のある遊びは、同い年どうしの遊びよりむずかしいどころか、もっと豊かになります。

だれも負けない、協力する遊び

相手と競うのではなく、力を合わせる遊びが、いちばんしっくりきます。チームでボールをつなぎ、地面に落ちるまでに何回パスできたか数えれば、みんなが同じ数でよろこべます。輪になってボールをころがしたり投げたりしながら、下の子にはやさしいゆっくりころがし、上の子にはちゃんとした投げ方と、子どもごとに距離や速さを調整する。キャッチボールも、相手に勝つのではなく、みんなの記録をめざす形に。バケツやチョークでかいた丸をかんたんな的にして、それぞれに合った距離から順番にねらうのもおすすめです。

目標がみんなのものなので、上の子が勝つことも、下の子が負けることもありません。同じチームの仲間です。それが、多くの年の差遊びをだめにしてしまうライバル心を、とかしてくれます。

上の子には、大きな役割を

上の子は、自分の力をいかせる役目、とくに手助けしたり、まとめたりする役があると、夢中でいられます。下の子にキャッチを教えるコーチ、試合をしきる審判、今日のルールを考える係にしましょう。「パスの前に5回ドリブル」のように、下の子にはできない自分だけのチャレンジを上の子に出して、下の子はキャッチするだけ、にしてもいいでしょう。上の子は手伝う役が大好きなことが多く、すすんだ力が、きょうだいをなぎたおすのではなく、支えるほうに向かいます。

すてきなことも身につきます。根気、やさしさ、まとめる力。よちよちの下の子にそっとパスすることを覚えた上の子は、きょうだいのあいだに見たいと思う思いやりを、まさに練習しています。たいてい、足をひっぱられたと感じるより、ほこらしく思うものです。

公平さは、ていねいにあつかう

小さな子は不公平にとても敏感で、年の差遊びはたえずそれをためします。ルールのちがいはかくさずに伝えて、もめごとを先回りしましょう。「お兄ちゃんは大きいから、ここから投げるよ。妹は小さいから、近くからね」。ちがいをかくすのではなく、公平なこととして伝えると、上の子も受けいれやすくなります。役割は順番に交代して、いつも同じ子が手伝い役や的にならないように。勝つことより、楽しさとチームワークに、しっかり焦点を置きましょう。

それでも小さな言いあいは起こるものです。それがふつうのきょうだいのくらしで、いちいち審判をする必要はありません。必要なときだけ入り、小さなもめごとは自分たちで解決させることで、ふたりの「けんかをおさめる力」が育ちます。大人が出ていくのは、本当に行きづまったときや、いじわるになったときにとっておきましょう。

安全に、快適に

ちょっとした実際的な工夫で、平和が保てます。小さな子に当たっても痛くない、やわらかく軽いボールを使い、大きさはいちばん小さい子に合わせましょう。道路や危ないものから離れた場所を選び、下の子が上の子の強い投げ球の通り道に入らないようにします。みんな動きやすい服装で、晴れた日には日かげ、帽子、日焼け止め、水を。快適で安全な子どもは、言いあいが少なく、長く遊びます。

こうした体を動かす遊びは、ふたりに必要な毎日の運動にもぴったりです。いっしょに遊べば、ふたりを別々に遊ばせるかわりに遊びをひとつ用意するだけですみます。疲れた親にとっては、ひそかな大勝利です。

期待はやさしめに

2歳の子のボールの力は、本当にかぎられていることを覚えておきましょう。確実にはキャッチできないし、投げればどこへ飛ぶかわからないし、集中も短い。どれもまったくふつうのことです。下の子の出番はとてもシンプルにして、正確さより、だいたいでもやってみたことをよろこびましょう。どちらかの子が長いあいだ基本的な体の動きでまわりの子よりはっきりおくれている、できていたことができなくなってきたように見える、手や体を思うように使えない、と感じたら、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに気軽に相談してみてください。たいていは安心のためです。それでも多くの家族にとって、やわらかいボールと、ちょっとした役割分担と、チームワークへの焦点があれば、むずかしい年の差は、いっしょに楽しめるものに変わります。

大切なのは: まともな勝ち負けは避けて、みんなで目指すゴールに。上の子には手助けの役を、距離は年齢ごとに調整して、勝つことよりチームワークに焦点を。

NHS, Physical activity guidelines for children and young people

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5