毎日が忙しすぎるとき、家族の流れをシンプルにする

家族の暮らしには、休みなく続くように感じる時期があります。仕事、保育園、習いごと、通院、家事が高く積みあがって、毎日が全力疾走で、だれにも親の手がまわりきらない。何もかも多すぎると感じたとき、つい、もっとがんばろう、もっと上手に段取りしよう、と思いがちです。でも本当の答えは、へらすことであることがよくあります。家族の流れをシンプルにすれば、どれだけ予定をつめても戻ってこない落ち着きが、戻ってくることがあります。

多すぎるサインに気づく

忙しさがいっぱいいっぱいにかたむいたときに気づくことが助けになります。子どもにも大人にもかんしゃくがふえる、すぐにいらつく、よく眠れない、いつも急いでいる、休むひまがないという感じがずっと続く。どれも、ペースが続かないところまで来ているサインです。予定をつめこまれた子は、ためになっているどころか、疲れて、ぐずぐずして、気持ちが不安定に見えることが多く、手いっぱいの親は、すりきれて、つながりを感じにくくなります。毎日がだれも楽しんでいないルームランナーのように感じたら、がんばり続けるのではなく、へらすときです。

本当に大切なことを決める

シンプルにすることは、優先順位をはっきりさせることから始まります。健康、眠り、つながり、少しの落ち着き。家族にとって本当にいちばん大切なのは何かを考え、それを守るために、そこまで大切でないことは手放す気持ちをもちましょう。忙しい予定の多くは、なくてもいいものや、習慣や罪悪感からしていることです。へらすには、家族のためになっていない活動やつきあいを、たとえよいものでも手放していいと、自分に許可する必要があります。大切なことのための場所をあけるためです。

予定をへらす

いっぱいいっぱいのいちばん大きな原因のひとつは、とくに子どもの、活動でぎっしりの予定表です。習いごとが多いほど、よい子ども時代になると感じやすいものですが、小さな子は、ぎっしりの時間割よりも、急がない時間でずっとよく育ちますし、たえまない送り迎えはみんなを疲れさせます。ひとつひとつの予定を正直に見て、へらす気持ちをもちましょう。子どもが本当に好きなものを1つか2つ残して、あとはやめるだけで、大きな重みがとれることがよくあります。とりもどした夕方や週末は、どんな追加の習いごとよりも価値があります。

毎日のどうしても必要なことを軽く

さけられない毎日の仕事を、軽くする方法を探しましょう。毎晩ちがう料理をつくるのではなく、かんたんで頼れる定番を少しだけくり返すかたちにして、ごはんをシンプルに。できるときは作りおきや下ごしらえを。忙しい日は、寝る前と朝の流れを、いちばん大事なところだけに。おもちゃや持ち物をへらせば、片づけるものも、頭の中のざわざわもへります。ふつうの仕事にちりばめた小さな効率化が、1週間で本当の息つぎの時間になります。

決まりのない、何もしない時間を守る

暮らしが忙しいと、まっ先に消えるのが空白の時間です。でもそれこそ、家族が回復するのにいちばん必要なものです。子どものためにも、自分のためにも、何も予定のない時間をわざと入れましょう。子どもが自分で決める自由な遊びは、小さな子が休み、育つ場所で、急がずいっしょに過ごす時間は、つながりが生まれる場所です。予定のすきまを、どんな約束と同じくらいしっかり守りましょう。息つく余地のある家族は、全力で走り続ける家族より、ほかのことにもずっとうまく対応できます。

安全な範囲で、基準を下げる

忙しさの多くは、高い基準から自分でつくりだしています。ぴかぴかの家、手のこんだ料理、完璧にためになる毎日。その一部を手放していいと、自分に許しましょう。少し散らかった家、シンプルなごはん、ふつうの、のんびりした日々で、まったくかまいません。完璧主義を手放すと、ものすごい量の時間とエネルギーが生まれます。子どもに必要なのは、ちりひとつない家や、SNS映えする子ども時代より、そこにいて落ち着いている親です。ほどほどで、本当に十分なのです。

分けあい、助けを求める

負担を分けあえば、シンプルにするのは楽になります。大人どうしで仕事が公平に分かれているかを見て、わたせるものはわたしましょう。家族、友人、ほかの親にも頼りましょう。送り迎えを分けあう、子どもを交代で預かりあう、手伝いの申し出を受ける。全部をひとりで背負う必要はなく、自分の負担をへらすのは、ぜいたくではなく、正当な目標です。手いっぱいでない親は、より落ち着いて、子どもに向きあえる親です。

忙しさが元気に影響しているとき

プレッシャーは来たり去ったりしますが、暮らしのペースのせいで、親や子どもがずっと不安だったり、疲れきっていたり、落ちこんでいたり、体調が悪かったりするなら、まじめに受けとめる価値があります。長く続くストレスは、家族みんなの健康に影響します。いつもいっぱいいっぱい、やっていけないと感じる、子どもの気分、眠り、ふるまいに変化が続いている、というときは、かかりつけ医や地域の保健師に話してください。助けを求めるのは賢明な一歩で、支えはあります。家族の元気を守るには、負担を軽くするための助けを求めることも、ときには必要です。

へらすことの自由

暮らしが多すぎると感じるとき、答えが、もっと色分けされたカレンダーであることはめったにありません。本当に大切なことを決め、予定をへらし、毎日のどうしても必要なことを軽くし、何もしない時間をしっかり守る。へらすことは、あきらめることではありません。限られた時間とエネルギーを、家族がつながり、落ち着いていられることに使うと選ぶことです。忙しさがよしとされる世の中で、ゆっくりしたシンプルな家族の暮らしは、いちばん心を満たしてくれる贈りものであることが多いのです。

ポイント: 暮らしが忙しすぎるときは、わざとへらしましょう。本当に大切なことを決め、予定をへらし、毎日の必要なことを軽くし、何もしない時間をしっかり守ること。

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five

NHS, Mental health support for parents