きっちりスケジュールか、ゆるやかな流れか。家族に合う生活リズム
生活リズムについて2人の親に聞くと、正反対の答えが返ってくることがよくあります。ひとりは「時計どおりのスケジュールが一番」、もうひとりは「その日の流れにまかせるのが一番」。わが家はどちらだろうと迷っているなら、正直な答えは、どちらにも本当のよさがあり、いちばん合うかたちは、子ども、家庭の事情、そして実際に続けられるかどうかで決まる、ということです。
きっちりしたスケジュールのよさ
食事、お昼寝、遊びを決まった時刻にする、きっちりしたスケジュールには、確かなよさがあります。先の見通しがはっきりするので、多くの子どもはとても安心しますし、きょうだいが何人もいる家や、シフト勤務の調整がある家では、暮らしがなめらかに回ります。赤ちゃんや、気質的に敏感な子の中には、時計のように規則正しいリズムで、すばらしく落ち着く子もいます。困るのは、暮らしが時計どおりに進むことはめったにないことです。曲げられないスケジュールは、病気、旅行、成長の時期、ただの調子の悪い日にぽきっと折れ、それを追いかけると、親はストレスがたまり、子どもはプレッシャーを感じてしまいます。
ゆるやかな流れのよさ
ゆるやかな流れは、できごとの順番は同じに保ちながら、時刻はゆるく持つやりかたです。起きたら朝ごはん、眠くなったらお昼寝、寝る前にはお風呂、それが何時になっても。子どもにはなじみのある順番という安心をあげつつ、思いがけないお出かけ、お客さん、調子の出ない日など、実際の暮らしにやわらかく合わせられます。親のストレスはずっと少なく、時計ではなく子どもの実際のサインにこたえやすくなります。引きかえに、ゆるくしすぎると「柔軟」が「予測できない」にすべり落ち、しっかりしたよりどころが必要な子は、それがないと落ち着かなくなることがあります。
時刻より、順番
多くの家族にとって、この議論の答えは、正確な時刻よりできごとの順番を大切にすることにあります。子どもが安心を引きだすのは、主に「次に何があるか」がわかることで、時計の数字ではありません。「お昼ごはんのあとは、いつも静かな時間、それからお散歩」と決まっていれば、ある日はお昼が12時、次の日は12時半でも、子どもには頼れるものがあります。この順番を先にするやりかたなら、見通しのよさの大部分と、柔軟さの自由の大部分を、両方手にできます。
わが子をよく見る
子どもはひとりひとりちがうので、どちらがいつも勝ち、ということはありません。時刻がそろっているほうが目に見えて落ち着き、よく眠り、予定がずれるのが苦手な子もいれば、のんびりしていて、その日に起こることに楽しく合わせられる子もいます。わが子の反応を見てみましょう。時刻がゆるい日に、疲れすぎ、大泣き、寝つきの悪さが続くなら、もっとしっかりしたよりどころが必要かもしれません。きっちりしたスケジュールがずれたとき、親子でぴりぴりして涙が出るなら、もう少し柔軟なほうが合っています。子どものふるまいが、いちばん頼りになる手がかりです。
よりどころは守り、ほかはゆるめる
多くの家族が落ちつく実際的な中間の道は、少しのよりどころだけを決め、あとは動かしてもいいことにするやりかたです。寝る時刻と起きる時刻をそろえ、食事もだいたい規則正しく。これは気分、ふるまい、健康にいちばん大きく影響するからです。寝る前のような、むずかしい切りかえには、より多くの決まりを。そのまわりは、一日を自然に流します。子どもに必要な頼れる枠組みをあげつつ、一分一分を管理するストレスから親を解放し、暮らしにじゃまが入っても、折れずに曲がることができます。
今の暮らしの時期に合わせる
ちょうどいいバランスは、状況によっても変わります。生まれたばかりの赤ちゃんと小学生では、家の流れを別々の方向に引っぱるかもしれません。働きかた、保育園や預け先、子どもの人数、親自身の気質も、何が続けられるかに関わります。紙の上では理想的なスケジュールも、親がくたくたで打ちのめされるなら意味がありませんし、自由な流れも、家族がばたばたして疲れはてているなら助けになりません。いちばんいい仕組みは、ほとんどの日に、つらい思いをせずに本当に続けられるものです。子どもの成長や暮らしの変化に合わせて、調整していくものと考えておきましょう。
生活リズムの悩みが深いとき
ほとんどの家族は、試行錯誤しながら回る流れに落ちつきます。でも、悩みがそれ以上のことを示している場合もあります。子どもがずっと落ち着かない、何をしてもよく眠れない、とても不安が強そう、一日の予定が少しでも変わるとまったく対応できない、というときは、地域の保健師やかかりつけの小児科医に相談してみる価値があります。同じように、家族の暮らしの負担が手に負えなくなり、みんなの元気に影響しているなら、助けを求めるのが賢明です。こうした相談は、正しい子育ての派閥を選ぶためではなく、その家族に合った助けをもらうためのものです。
まとめ
きっちりスケジュールか、ゆるやかな流れか。これは、勝者がひとりだけの勝負ではありません。見通しは子どもを落ち着かせ、かたすぎる決まりはみんなを疲れさせ、まったく予測できない毎日は子どもを不安にします。多くの家族にとってのちょうどいいところは、時刻はゆるくても順番は同じ、睡眠と食事のまわりにいくつかのしっかりしたよりどころ、そして子どもと暮らしの変化に合わせて調整する気持ちです。正しいやりかたはひとつだという考えを手放し、わが子をよく見て、自分の家族が落ち着いて回っていける生活リズムをつくりましょう。
ポイント: 一日の順番はいつも同じに、時刻はゆるく持ち、いくつかのしっかりしたよりどころを守って、子どものふるまいを見ながらバランスを決めましょう。