出かける前の「持ちものチェック表」を子どもとつくる

出かける直前は、ばたばたの本番です。靴が片方ない、園のかばんを忘れた、出る間ぎわのトイレ、そして5回めの「あれ持った?これ持った?」。子どもといっしょに、子どものためにつくるかんたんなチェック表があれば、玄関のストレスはぐっと減ります。覚えておく役目を大人の肩から、みんなで使う道具にうつせますし、子どもには「自分でできた」という満足感が生まれます。

チェック表が役に立つ理由

小さな子は、いくつもの指示を頭の中に置いておけません。何度もくり返すうちに、大人は口うるさい人に、子どもは聞き流す人になってしまいます。目に見えるチェック表は、その場にずっとあって、何度でも確かめられるので、小さな子の実際の情報の受けとりかたに合っています。出かける前のチェック表をつくると、ことばでの声かけの連続が、子どもが自分でたどれるものに置きかわり、朝のいちばん忙しい時間の熱が下がります。

何を書くか決める

まず、出かける前に本当にすること、集める物をすべて書きだし、大切なものだけを残しましょう。自然に2つに分けられます。ひとつは子どもがすること。トイレ、靴、上着、園のかばんをしょう。もうひとつは持っていく物。お弁当、水とう、体操服、連絡帳、お気に入りのタオル。短く、関係のあるものだけにしましょう。4〜6つがいちばんうまくいきます。長いリストは子どもを圧倒し、無視されてしまいます。大人だけが管理することは、別にもっとくわしい自分用のリストをつくっておけばいいのです。

字が読めない子には、絵で

小さな子のほとんどはまだ字が読めないので、絵が大きな仕事をします。それぞれの物にかんたんな絵を描くか印刷するか、もっといいのは、わが子の実際の靴、かばん、上着の写真をとること。ひと目でわかり、自分のものになります。物はする順番に並べ、必要な場所、つまり玄関のすぐそばの、子どもの目の高さにはりましょう。ラミネートしてホワイトボード用のペンでしるしをつけたり、マグネットや洗たくばさみを動かすお支度ボードにしたりすると、子どもが自分の手でひとつずつ「できた」をつけられ、小さな達成感が加わります。

いっしょにつくる

子どもがつくるのを手伝ったチェック表は、子どもが本当に使うものになります。絵を選ぶ、写真をとる、飾りつけをする、といったことに参加してもらえば、大人からのまたひとつの指示ではなく、自分のものに感じられます。つくりながら、それぞれの物が何のためかを話しましょう。いっしょにもつことで、チェック表は押しつけられた決まりから、自分も参加しているゲームに変わり、子どもは自分が手を貸した計画にはずっと進んでのってくれます。

使いかたを教える

チェック表をはったら、少しずつ役目をわたしていきましょう。はじめの何日かは、いっしょにたどりながら、ひとつずつ指さし、子どもにしるしをつけてもらいます。こつをつかんできたら、一歩さがります。「靴をはきなさい」ではなく「次は何だっけ?」と、指示ではなく質問でうながしましょう。この小さな切りかえで、子どもは言われてやる側から、自分で自分を動かす側へと進みます。それこそ、チェック表が育てたい自立です。出かけられたことだけでなく、確かめたことをほめましょう。「全部自分でできたね」。

長く使えるように

チェック表は毎日使ってこそ役に立つので、自然にできるようになるまで毎日見て、そのあとも、いざというときの支えとして残しておきましょう。物事が変われば書きかえます。新しい学期で持ちものがふえたとき、お気に入りのタオルを卒業したとき、新しい習いごとで道具がふえたとき。いっしょに見直せば、表は正確なままで、子どもの関心も続きます。使われなくなってきたら、長くなりすぎたか、新鮮さがなくなったのかもしれません。大切なものだけにけずり、絵を新しくしましょう。

前の晩の準備も

チェック表は、夜の少しの準備といっしょだと、いちばんうまくいきます。前の晩にかばんをつめ、水とうを用意し、服と靴を出しておけば、朝のチェック表は、なくした物を探すのではなく、用意した物を集めるだけのものになります。すべてを玄関のそばの一か所に置き、チェック表と物をいっしょにしておきましょう。用意された物と、はっきりしたリスト。この組み合わせこそ、玄関のばたばたを本当におさめ、落ち着いて時間どおりに出かけさせてくれます。

もう少し広い目で

チェック表は自立を育てるすてきな道具ですが、プレッシャーではなく、楽しいものとして、やさしく続けましょう。わかりやすく落ち着いた流れがあっても、切りかえや出かけることがとてもむずかしい、玄関でひどく取りみだす、毎日の手順に、同じ年ごろの子よりずっと苦労している、というときは、ひとりで抱えずに、地域の保健師やかかりつけ医に気軽に話してみる価値があります。でも多くの家族にとって、チェック表は、朝を楽にしてくれる、小さくて明るい決まりにすぎません。

落ち着いて出かけよう

出かけることが、毎日のぶつかりあいである必要はありません。出かける前のチェック表をつくり、絵にして、いっしょに仕上げ、子どもが自分で回せるように教えれば、覚えておく役目をわたすと同時に、子どもに本当の「できる」をわたせます。前の晩の少しの準備と組みあわせれば、玄関は、ばたばた乗りこえるハードルではなく、落ち着いて通りぬける場所になります。

ポイント: 短い絵のチェック表をいっしょにつくり、玄関の子どもの目の高さにはって、子どもが自分で回せるようにすれば、がみがみが自立に置きかわります。

CDC, Positive Parenting Tips

NHS, Help your child's development