親が体調をくずしたとき、疲れきったときの毎日の回しかた

どの親にも、からっぽのまま走っているような日があります。かぜでぐったり、夜中に何度も起こされてへとへと、毎日のことでしぼりつくされて。そんな日は、いつもの流れなんて無理に思えますが、それでも子どもには、ごはんも、寝かしつけも、お世話も必要です。安心してほしいのは、すべてを回し続けなくていい、ということです。親が体調をくずしたとき、疲れきったときの乗りきりかたは、何を守り、何を手放すかを知ることにつきます。

わざと、ハードルを下げる

いちばん最初の、いちばん大切な切りかえは、少なくしていいと自分に許すことです。体調が悪いとき、疲れきっているときに、ふつうの一日をめざすと、うまくいかないうえに、疲れに罪悪感が上乗せされます。わざと、乗りきるだけのモードに入りましょう。部屋は散らかっていていい、ごはんはかんたんでいい、画面の時間が少しのびても、ずっと残る害はありません。子どもは思っているよりずっとたくましく、親が回復するまでの数日を低空飛行で過ごしても、だいなしにはなりません。いつもの基準を手放すのは失敗ではなく、賢い優先順位づけです。

よりどころは守り、ほかは手放す

毎日の流れのすべてが、同じくらい大切なわけではありません。からっぽで走っている日は、子どもに安心をくれる少しのよりどころだけを守り、おまけは手放しましょう。だいたい決まった食事、いつもの寝る時刻、寝る前の流れの中心は、気分とふるまいの両方を安定させるので、守る価値があります。毎晩のお風呂、すみずみまでのお片づけ、ためになる活動は、どれもお休みしてかまいません。歯みがき、絵本1冊、消灯、と大事なステップだけの短縮版でも、子どもが頼りにしているかたちは保たれ、もっていないエネルギーを求めることもありません。

できることは、すべてかんたんに

残った仕事は、できるだけ楽にしましょう。火を使わないすぐのごはん、納豆ごはん、切った果物、おにぎりを、これっぽっちの罪悪感もなく。大変な日が来るとわかっているなら、少し前もって用意しておくか、まさにこういうときのために、かんたんな買いおきを棚に置いておきましょう。寝る前の流れも、いちばん大事なところだけに。めざすのは、できるだけ少ない力で子どもの大事な必要を満たし、体に回復する余地を残すことです。

ためらわずに、助けを呼ぶ

ひとりでがんばらなくていいし、助けを求めるのは強さです。ほかに子どもをみられる大人がいるなら、できるだけたくさんわたして、中途半端に子育てしながら過ごすのではなく、しっかり休みましょう。家族、友人、ご近所に、数時間子どもをみてもらう、ごはんを届けてもらう、園の送り迎えを代わってもらう、と声をかけてみます。たいていの人はよろこんで手伝ってくれて、頼まれるのを待っているだけです。ひとり親や、支えが少ないなら、頼れるものに何でも頼り、自分への期待にはとくにやさしく。それだけ多くを背負っているのですから。

子どもを安全に過ごさせる

もう何も残っていないときは、手間がかからず安全な遊びが味方です。大人が休んでいるそばで子どもが夢中になれるものを用意しましょう。ぬり絵、シール帳、お気に入りの映画、ソファの横の床に広げたおもちゃ箱。大人が横になっている部屋で静かに遊んでもらえば、ほとんど動かずに見守れます。体調の悪い日にいつもより長く画面を見せるのは、筋の通った引きかえです。たまの例外は、元気になって戻ったあとの、ふだんの決まりをだめにはしません。

子どもに正直に話す

親の元気がないとき、何が起きているかがわかると、子どもはずっとうまく対応できます。「ママ(パパ)は今日、具合が悪いから、静かに過ごす日にしようね。たくさん休まなきゃいけないの」と、かんたんに落ち着いて説明すれば、子どもは変化の意味がわかり、やさしい面が出てくることもよくあります。すぐによくなるし、何も心配ないと安心させてあげましょう。正直に話すことで、こわくて説明のないことが起きていると子どもが感じずにすみ、具合が悪いときに休むのはふつうの、健やかなことだと見せることにもなります。

自分の回復を大切に

無理をし続けて、もっと悪くなってしまうのはよくあることなので、自分の休みを、あってもなくてもいいものではなく、欠かせないものとして扱いましょう。水分をたくさんとり、合っていれば解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)のような手軽な薬を使い、できるときは眠り、子どものお昼寝に合わせて自分も昼寝をします。きちんと回復するほうが、無理を重ねてぶり返すより早く、いつもの子育てに戻れます。自分にやさしくするのは、甘えではありません。子どもに必要な親に戻る、いちばんの近道です。

自分のために、助けを求めたいとき

ふつうの疲れや軽い体調不良は休めばよくなりますが、それ以上が必要なこともあります。症状がひどい、悪くなっている、よくならない、自分の体が心配、というときは、かかりつけ医か、地域の救急相談の窓口に連絡しましょう。同じくらい大切なのは、疲れが続く、気分の落ちこみ、希望がもてない、どうにもならないと感じる、というときです。燃えつきやうつのようなことが起きているかもしれず、支えを受けるに値します。そんなふうに感じるなら、かかりつけ医や地域の保健師、信頼できる人に話してください。自分の元気を大切にすることも、子どもを大切にすることの一部です。

大変な日を乗りきる

体調をくずす日、疲れきる日は、どの子育てにもあり、そしてすぎていきます。ハードルを下げ、大事なよりどころだけを守り、思いきりかんたんにし、助けを受け入れる。子どもに必要なのは、完璧な流れよりも、回復した親です。罪悪感なしに休んで、ふだんの日が自然に戻ってくるのを待ちましょう。

ポイント: 大変な日は、食事や寝る時刻のような大事なよりどころだけを守り、ほかはかんたんにして、助けを受け入れ、罪悪感なしに休めば、早く元気になれます。

NHS, Coping with tiredness and exhaustion

CDC, Positive Parenting Tips