夏休みや長いお休みのあと、子どもの生活リズムを戻すには
長いお休みはすてきな時間で、同時に、いつもの流れがいつのまにか溶けていく時間でもあります。遅い寝る時刻、のんびりした朝、ほしいときにおやつ、決まったかたちのない毎日。そのときはどれも心地よいのですが、お休みモードと、新学期の早起きのあいだにすきまが残ります。うれしいことに、お休みの最後の数日に少し計画すれば、体にがつんと衝撃を与えずに、子どもの生活リズムを戻せます。
切りかえがむずかしい理由
お休みのあいだは、ふだん子どもの一日を組み立てているよりどころがゆるみます。寝る時刻は遅くなり、起きる時刻はもっと遅くなり、食事は不規則になり、園や学校の日の見通せるリズムが消えます。子どもはこのゆったりしたかたちにおどろくほど早くなじむので、早起き、ぎっしりの朝、一日中の集中が急に求められると、その差は大きくなります。戻ることへの不安も加われば、最初の1週間に、疲れて、涙もろく、いやがる子になるのも無理はありません。
始まる前から戻しはじめる
いちばん大切なのは、前の晩まで待たないことです。再開の数日前から、園や学校の日のかたちに少しずつ戻していけば、変化は急ではなく、ゆるやかになります。やさしく戻すには、寝る時刻と起きる時刻を1日10〜15分ずつ早めていきましょう。お休み中の夜9時の寝る時刻から、一晩で夜7時に飛びうつるのを期待するのではなく。体内時計には助走が必要で、数日かけて少しずつ合わせれば、最初の朝はずっとやさしいものになります。
まず、眠りのリズムから
いちばん大切なよりどころは眠りです。よく休めた子は、ほとんど何にでも上手に対応できるからです。お休みの最後のひと区切りは、寝る時刻と起きる時刻を、園や学校に必要な時刻へ戻すことを優先しましょう。お風呂、絵本、ちょうどいい時刻の消灯という、落ち着く寝る前の流れを戻し、朝はカーテンを開けて、日の光で子どもを起こします。午後の昼寝や、とても遅い朝寝坊がしのびこんでいたら、少しずつけずって、夜の眠りがふつうに戻るようにしましょう。眠りがもとに戻れば、仕事の大部分はすんだようなものです。
園や学校の日のかたちを練習する
眠りのほかにも、お休みの最後の数日に、ふだんの一日のリズムを練習しておくと助かります。食事の時間をいつもの時刻に戻し、決まった朝の流れをもう一度始め、園や学校の日のペースで着がえて家を出る練習をしてみてもいいでしょう。小さな子には、園や学校の一日がどんなふうかを話したり、また通いはじめるおはなしを読んだりすると、これから来る変化が急なものではなく、なじみのあるものに感じられます。少しの練習で、最初の朝のまさつがたくさん減ります。
楽しいことは、少しずつ戻す
お休みには、画面、おやつ、夜ふかしの決まりがゆるみがちで、それを戻そうとするといやがられることがあります。最後の数日で、少しずつ、やさしく戻しましょう。罰としてではなく、園や学校が始まるから、という話にします。とくに画面の時間の決まりを始まる前に戻しておくと、夜がきちんと落ち着き、とりもどそうとしている眠りも守れます。初日にいきなりきびしくするより、いつもの線へ、小さく、あたたかく戻すほうがうまくいきます。
段取りだけでなく、気持ちにも目を
園や学校に戻るのは、予定が変わるだけではなく、本当の気持ちをゆさぶることもあります。わくわくする子もいれば、新しい先生、クラス、友だちのことで不安な子もいます。どんな気持ちかを話す時間をつくり、戻ることについては前向きに淡々と話し、慣れるまでの1週間は、いつもより安心とふれあいを多めに。話を聞いてもらえて安心している子は、心配を口にできない子より、すんなりなじみます。べったりや大きな気持ちはあるものと考えて、気長に受けとめましょう。
最初の1週間は、やさしく
うまく戻せても、最初の1週間は疲れるもので、一日中の集中と人づきあいに体が慣れなおすあいだ、子どもはぐったりして、いらいらしながら帰ってくることがよくあります。帰ってからの時間は穏やかにひかえめにし、早めの寝る時刻を守り、みんなが慣れるまでは習いごとなどの予定を軽くしましょう。この慣らしの1週間を、子どもにも自分にも現実的に考えておけば、プレッシャーが減り、新しいリズムが自然に落ちついていきます。
もう少しよく見たいとき
お休み明けに多少ぐらつくのはまったくふつうのことで、1〜2週間で落ち着きます。でも、ふつうの慣らしをこえるサインには気をつけておきましょう。園や学校のことでずっと不安そう、取りみだしている、いやがりが続く、おなかが痛い、眠れないといったことがよくならない、本当に何かがおかしいと感じる、というときは、担任の先生と、かかりつけの小児科医や地域の保健師に話してみましょう。早めの支えが大きな違いを生むことがあり、ここでは自分の直感を信じるのが賢明です。
なめらかな再スタート
お休みモードから新学期へのジャンプを、何もなかったようにすることはできませんが、ぐっとやわらげることはできます。数日早めに始め、まず眠りを戻し、ふだんの一日のかたちを練習し、決まりと気持ちをあたたかく元の場所に戻していく。そうすれば、新学期の最初の朝は、冷たい水に飛びこむのではなく、やさしい一歩としてやってきます。子どもにとっても、大人にとっても。
ポイント: 始まる数日前から、眠りを少しずつ早め、園や学校の日のリズムを練習し、決まりを、あたたかさと安心とともに元に戻しましょう。