子どもと時間どおりに家を出るには

時計を見ながら、今はかせたばかりの靴を幼児がまた脱いでいくのを見ている。そんなときの独特のストレスがあります。家を出ることは大人には急ぎの用事でも、小さな子にはまったくおもしろくないこと。そのすれちがいから、朝のばたばたが生まれます。うれしいことに、解決のほとんどは、玄関に着く前に起こります。

玄関で子どもがゆっくりになる理由

小さな子には、急ぐという感覚がほとんどありません。先を見通す力や、時間のプレッシャーを感じる力が、まだ脳の中で育っている途中だからです。急かすとたいてい逆効果になります。ストレスのたまった大人は子どもを不安にさせ、不安な子は動きがおそくなり、意地をはるからです。だから、めざすのは子どもを急がせることではなく、そもそも直前の山づみを生むものを、とりのぞくことです。

できるだけ前の晩にうつす

子どもと時間どおりに出かけるためのいちばん大きなてこは、仕事を夜にうつすことです。服は靴下と靴まで出しておく。かばんをつめ、冷蔵庫に入れておける水とうは用意し、必要な物はすべて玄関の一か所に置く。天気を確かめて、それに合う上着を出しておく。着る、食べる、出る、だけが仕事の朝は、なくした靴を探しながら、園への書類にサインもする朝より、ずっと楽です。

出口の近くに、決まった「出発基地」をつくりましょう。鍵、かばん、靴、帽子のための棚、フック、かご。全部が一か所にあれば、探しものに5分をとられることがなくなります。

本当に出る時刻から逆算する

本当に家を出なければならない時刻を決め、そこから各ステップを逆にたどって、ゆとりを足していきます。子どもは思っている以上にゆっくりなので、かならず来るぐらつきのためのゆとりを入れましょう。多くの親は、本当に必要な時刻より5〜10分早い出発をめざすと、少しの遅れが遅刻にならずにすむと感じています。いつも5分遅れるなら、5分早く始めましょう。みんなを速くしようとするより、そのほうがかんたんです。

最後のひと区切りを、いつもの流れに

出かけること自体に、見通せる順番をつけましょう。トイレ、靴、上着、かばん、ドア。最後のステップが毎回同じなら、子どもはひとつずついやがるのではなく、先回りして待てるようになります。字が読めない子には玄関の短い絵のリストがよく効き、大人はくり返すかわりに指さすだけですみます。最後のステップを、ねこにバイバイ、ハイタッチ、といった小さな儀式にしている家族もいます。向かっていく楽しいゴールができるのです。

プレッシャーではなく、選択と遊びを

子どもは、少しの決定権と少しの楽しさがあると協力しやすくなります。「今すぐ靴をはきなさい」ではなく、「長ぐつとスニーカー、どっちにする?」としぼった選択肢を。ゆっくりな段階は、「10数えるまでに上着を着られるかな?」と、やさしいチャレンジに変えます。タイマーと競争するゲームや、ちょうど出る時刻に終わる歌は、しぶる子を、がみがみよりずっとうまく運んでくれます。軽く保つこと。本当の勝ち負けがかかった本気の競争になった瞬間、多くの子はいやがります。

いつものつまずきは前もって

くり返し起こるひっかかりに気づき、先手を打ちましょう。玄関でいつもトイレに行きたがるなら、トイレを靴の前の決まったステップに。上着で大荒れになるなら、落ち着いているときに、床に広げてくるっと着るやりかたを練習しておく。朝ごはんが長引くなら、園や学校の日は、すぐに出せるものに。くり返す問題をひとつずつ、落ち着いて一度解決しておけば、毎朝あわてて解決しなくてすみます。

大人自身の落ち着きを守る

大人の気分が、朝のテンポを決めます。大人が落ち着いてゆっくり話せば、子どもは落ち着いて従いやすくなり、大人がどなれば、家じゅうが高ぶって、何もかも時間がかかります。遅れそうなときにはそれが本当にむずかしいので、どならずにすむゆとりを、自分にプレゼントしましょう。子どもより15分早く起きて、身じたくをすませ、ひとりの時間を少しもてば、朝全体の心の天気が変わります。

朝がいつもとくに大変なとき

玄関のばたばたのほとんどはふつうのことで、準備でよくなります。ときどき、もう少し調べる価値のあることのサインになっていることもあります。切りかえでひどく取りみだす、予定の変更にまったく対応できない、十分眠っているのにいつもぐったりしている、というときは、地域の保健師やかかりつけの小児科医にひと言話してみる価値があります。大ごとになるまで待つ必要はありません。話すことで安心できたり、その子に合った工夫をもらえたりします。

無理なく続けるために

毎日、落ち着いて時間どおりに出られるわけではありませんし、それでいいのです。かぜ、よく眠れなかった夜、調子の出ない日は、だれにでもあります。何週間かたって違いを生むのは仕組みです。前の晩の準備、決まった出発の流れ、本当の時間のゆとり、そして落ち着いた大人。これを一度整えてしまえば、ほとんどの朝はひとりでに回り、大人は機嫌も品位も保ったまま玄関にたどり着けます。

ポイント: 準備は前の晩に、本当の時間のゆとりをとり、出かける流れをいつも同じなじみの順番にすれば、だれも急がなくてすみます。

CDC, Positive Parenting Tips

NHS, Help for parents with a routine