いやがられずに、家族の新しい習慣を始めるには

新しい寝る時刻でも、お片づけの時間でも、画面の時間の決まりでも、子どもが変化を大よろこびで迎えることはめったにありません。大人にとっては理にかなった新しい計画も、子どもには、何かを取りあげられる、急に押しつけられる、と感じられることがあります。変化をどう持ちこむかで受けとめられかたは大きく変わり、いくつかの心くばりで、戦いになりそうなことを、子どもが受け入れる、さらには楽しむことにさえ変えられます。

子どもが変化をいやがる理由

小さな子は、なじみのあるものに安心します。物事のやりかたが少し変わるだけでも、落ち着かなく感じることがあります。いやがるのは反抗のための反抗ではなく、わからないことへの反応や、慣れていた自分で決められる感覚を失うことへの反応であることが多いのです。いやがられずに新しい習慣を始めたいなら、その理解から出発すると助けになります。説明され、予想でき、少しずつ始まる変化は、いきなりの命令として降ってくる変化とは、まったくちがって感じられます。

始める前に、地ならしを

急な変化は子どもを不安にさせるので、変化が来る前に話しておきましょう。1日か2日前に、何が変わるのか、なぜなのかを、子どもにわかることばでかんたんに説明します。「月曜日から、お風呂の前におもちゃを片づけようね。そうすると朝が楽になるよ」。もっと小さな子には、おはなし、絵、ちょっとしたごっこ遊びで、目に見えない変化を具体的にできます。何が起こるかわかれば、いやがる気持ちのもとになるこわさの多くが消えます。

小さく始めて、積み重ねる

いやがられるいちばん確実な方法のひとつは、一度にすべてを変えることです。変えるのは一度にひとつ、それが落ちついてから次を足しましょう。寝る時刻を早めるなら、一晩で1時間ではなく、数日ごとに10〜15分ずつ。お手伝いを始めるなら、小さな仕事ひとつから。小さな一歩は子どもが受け入れやすく、大人も続けやすく、ひとつうまくいくたびに、次への前向きな気持ちが育ちます。

子どもも計画に加える

子どもは、決められる側ではなく、決めることに加わっていると感じると、ずっといやがらなくなります。できるところでは、本当の決定権を少しあげましょう。どの仕事を自分の担当にするか、ステップの順番、チャートのデザインを選んでもらう。決まった計画の中の小さな選択、「歯みがきは、絵本の前と後、どっちにする?」でも、いやがる気持ちのもとになりがちな、自分で決めたいという気持ちが満たされます。子どもが手を貸してつくった習慣は、されることではなく、自分のものに感じられます。

楽しく、前向きに

新しい習慣は、失うものではなく得るものを中心に伝え、少し楽しさを入れましょう。がんばり表、特別な歌、ゲーム、うまくいったときの小さなお祝いが、しぶる子を運んでくれます。「すぐお片づけに来てくれたね、すごく助かったよ」と、あたたかく具体的にほめれば、何がうれしかったのかが子どもにはっきり伝わり、またやりたくなります。してほしい行動を見つけて名前をつけるほうが、まちがったところを指摘するより、ずっとうまくいきます。

いつも同じに、気長に

新しい習慣が根づくには時間がかかり、2週間かそれ以上かかることもよくあり、ぐらつきもあります。かなめは、子どもがためしてきても新しいかたちをしっかり保つことです。日によって変わると、十分いやがれば消えるのだと子どもに教えてしまうからです。やさしく、でもぶれずに、毎日同じことを期待してくり返す。それが新しい習慣を、ただの「うちのやりかた」に変えていきます。はじめはいやがるものと考えて、それを失敗と受けとらないこと。変化がなじむにつれて、たいていは消えていきます。

大人の口調は落ち着いて

変化そのものと同じくらい、大人がどう運ぶかが大切です。申しわけなさそうに、または不安そうに始めると、子どもはそのぐらつきを感じとり、もっと強く押してきます。新しい習慣を、もう決まったふつうのこととして、あたたかく、大げさにせず伝えるほうが、頼みこんだり、けんかを覚悟したりするより、言いあいを招きません。いやがりが来たら、いらいらではなく、しっかりした落ち着きで受けとめると、早くすぎていきます。

いやがりが、一時期のものではないとき

変化へのいやがりのほとんどはふつうのことで、やさしく、ぶれない対応で落ち着いていきます。ときどき、もっと強いこともあります。どんな変化にもひどく取りみだす、一日のほんの小さな調整にもまったく対応できない、このかたさが家族の暮らしに影響するもっと広いパターンの一部になっている、というときは、保健センターの保健師さんや、いつもの小児科で相談してみましょう。変化にもっと支えが必要な子は本当にいて、早めにその子に合った助言をもらうのは、大げさではなく役に立つことです。

うまくいくやりかた

小さな子にすべての変化を歓迎させることはできませんが、変化をやわらかく着地させることはできます。前もって子どもに話し、小さく始め、本当の決定権をあげ、前向きに保ち、そして気長にしっかり続ける。そうすれば、たいていの新しい習慣は2週間ほどで家族の暮らしにおさまり、心配していたよりずっと少ない騒ぎですむことも多いのです。変化の始めかたにかけた手間は、そのあとの落ち着きとして、何倍にもなって返ってきます。

ポイント: 前もって子どもに話し、変えるのは一度にひとつ、本当の決定権をあげて、あたたかくぶれずに新しいかたちを続けましょう。

CDC, Positive Parenting Tips

NHS, Behaviour and dealing with change