予定をつめこみすぎない、週末の過ごしかた
週末は、2つの方向に引っぱられます。ひとつは、休みの日を目いっぱい活かしたい気持ち。習いごと、お出かけ、イベント。もうひとつは、予定ぎっしりの土曜日が、涙とかんしゃくと、なぜか平日よりくたくたの子どもで終わったことの記憶です。落ち着けるだけのかたちと、本当に休めるだけのゆとり。その間の道を見つけることで、週末はもうひとつのマラソンではなく、元気をとりもどす時間になります。
多すぎると、逆効果になる理由
自由な時間は埋めるべきだと思いがちですが、小さな子は、わくわくする活動が続くと刺激が多すぎてしまうことがあります。たえまない切りかえ、新しい場所、人ごみ、夜ふかしでは、発達に欠かせない、ゆっくりした決まりのない遊びの余地がほとんど残りません。スイミングからお誕生会、そして買いものへと連れまわされた子が大荒れするのは、悪い一日だったからではなく、多すぎたからであることがよくあります。予定をつめこみすぎない週末とは、子どもの対応する力を守ることなのです。
いくつかのよりどころは残し、時間割はやめる
休みの日でも、子どもはある程度の見通しがあるほうが安心します。こつは、ぎっしりの予定ではなく、軽い枠を残すことです。一日を支えるよりどころ、つまりだいたい同じ起きる時刻と寝る時刻、規則正しい食事、いつもの寝る前の流れは守り、そのあいだはゆるく。平日と週末で寝る時刻が大きくちがうと、月曜日に時差ぼけのようになってしまうので、寝る時刻をいつもとの差1時間くらいにおさえると、みんなが楽になります。そのよりどころ以外は、1時間ごとに計画したくなる気持ちをおさえましょう。
決まりのない時間を、わざと守る
子どもが自分で決める自由な遊びは、むだな時間ではありません。想像力、問題を解く力、自分でできる力が育つ場所です。だから、お出かけを予定に書きこむのと同じように、「何も予定なし」も週末にわざと書きこみましょう。子どもが何かをつくり、ぶらぶらし、たいくつして、何かを生みだす、予定のない朝には、本当の価値があります。たいくつは、大人が解決してあげる問題ではありません。いちばん創造的な遊びへの入り口であることが多いのです。週末を通して、少なくとも一度は、長くまとまった自由な時間をめざしましょう。
5つではなく、メインはひとつ
目安として、大きな活動は1日にひとつまで、小さな子なら週末全体でひとつ、ということもあります。お出かけやイベントをひとつ選び、残りの時間はそのまわりをゆったり流れるようにして、前後に回復する時間をとりましょう。小さな子を疲れさせる立てつづけの切りかえを防ぎ、週末がやることリストになるのも防げます。だれも楽しめない欲ばりな計画より、シンプルなお出かけでいっしょに過ごす時間のほうが、たいていずっといいのです。
負担も落ち着きも、分けあう
週末は大人のためのものでもあり、休めた親のほうが、いい子育てができます。どちらか一方だけが食事もお出かけも寝かしつけも全部こなし、もう一方が休む、ということにならないよう、家事と休みの分けかたを見直しましょう。ひとりが朝早くを担当し、もうひとりが午後を担当する、と交代すれば、みんながひと息つけます。お菓子づくり、片づけ、庭いじりのような、急がないかんたんな作業に子どもを誘うのも、急ぐ必要がないからこそ、家事ではなく週末の楽しいふれあいになります。
子どものサインを道しるべに
週末のバランスがとれているかを知るいちばんの道しるべは、子どもです。ぐずぐず、べったり、眠りの悪さ、かんしゃくがふえてきたら、刺激が多すぎて休みが足りないことが多いもの。満足していて、楽しく遊び、よく眠れている子は、たいていちょうどいい配分です。サインを見て調整しましょう。土曜日が忙しかったら、日曜日はわざと静かに。柔軟さこそがかなめで、その週の様子によって、休み寄りにも活動寄りにもできます。
「〜すべき」のわなに気をつける
つめこみすぎの多くは、よい親は子どもの週末を、ためになる活動で埋めるものだ、という気持ちから来ています。本当は、小さな子は、愛してくれる人たちとの急がない時間や、計画なしに遊べる自由から、とても多くのものを受けとっています。のんびりした日曜日に言いわけはいりません。いつも楽しませなければというプレッシャーを手放すことは、自分をふくめた家族みんなにとって、いちばんやさしいことであることが多いのです。
休みと元気について、ひと言
子どもでも親でも、疲れが続いているなら、まじめに受けとめる価値があります。十分に眠っているのに子どもがいつも疲れているように見える、家族の暮らしのペースでみんながすりきれて、ストレスがたまり、体調をくずしている、というときは、がんばり続けるのではなく、シンプルにするサインです。親の気分の落ちこみや、いっぱいいっぱいの状態が続くときも、かかりつけ医に相談してみましょう。からっぽのコップからは注げません。自分を大切にすることも、子どもを大切にすることの一部です。
めざしたいバランス
めざすのは、からっぽの週末でも、ぎっしりの週末でもなく、金曜日より月曜日のほうが家族が元気でいられるリズムです。いくつかのしっかりしたよりどころを残し、メインの予定は一度にひとつにして、決まりのない自由な時間をしっかり守りましょう。のんびりした週末は、なまけではありません。子どもが充電し、家族がつながりなおし、みんなが、休みの日はここちよく過ごすためにあるのだと思い出す時間なのです。
ポイント: 食事や睡眠のようなしっかりしたよりどころをいくつか残し、メインの活動は一度にひとつにして、決まりのない、のんびりした時間をたっぷり守りましょう。
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under five