あわただしくない夜の流れをつくるには

夜になるころには、みんなの電池が切れかけています。大人も子どもも疲れていて、夕ごはんから消灯までのあいだが、毎晩負けてばかりの競走のように感じられます。皮肉なことに、急ぐとたいてい寝かしつけは長引きます。高ぶった子は、なかなか落ち着かないからです。わざとゆっくりすることが、穏やかな夜へのいちばんの近道になることはよくあります。

全力疾走より、ゆるやかな下り坂

小さな子は、にぎやかな状態から眠りへ、一気に切りかえることができません。体には、一日が終わるという合図が必要です。明かりを落とす、声を小さくする、ゆっくりした遊びにする。急がない夜の流れをつくるとき、本当につくっているのは、崖っぷちではなく、眠りに向かうゆるやかな下り坂です。助走が穏やかなほど、体はついてきやすくなります。

思ったより早く始める

夜があわただしく感じるいちばんの理由は、始まるのが遅すぎることです。現実的な寝る時刻から逆算し、いつも長引くところ、たいていお風呂と歯みがきに、たっぷりのゆとりをとりましょう。消灯が夜7時30分なら、寝る準備は7時20分ではなく、6時30分ごろに始めてもいいのです。早く始めることは、流れを長くすることではありません。同じステップを、プレッシャーなしにすることです。

その早めの始まりを守るには、夕ごはんを早めたり、忙しい夜はかんたんなごはんでよしとしたりすることも必要になります。急いで出す手のこんだ料理より、さっと出せる落ち着いた夕ごはんのほうがいいのです。

いつも同じ、少しのステップ

見通しは子どもを落ち着かせます。お風呂、パジャマ、ミルク、歯みがき、絵本を2冊、ぎゅっ、というように、短く決まった流れを選び、毎晩同じ順番で行いましょう。体がもう覚えているので、子どもは「次は?」と聞かなくなります。決まった順番があれば、ほかの大人に交代しても、流れが脱線しにくくなります。

ステップを足していきたくなる気持ちはおさえて。大変な日でもこなせる、しっかりした3つか4つのよりどころのほうが、続けられない長い儀式より価値があります。

明かりを落とし、声を小さく

明るい光と画面は、脳にまだ昼間だと伝えます。最後の1時間は、テレビやタブレットを消し、カーテンを閉め、やわらかい照明に切りかえましょう。大人の声も小さく。子どもはまわりのエネルギーをまねるので、ゆっくり静かな大人は、ゆっくり静かな子どもを誘います。この感覚の切りかえが、寝室に着く前から、落ち着かせる仕事の多くをしてくれます。

最後は用事ではなく、ふれあいで

最後の10分は、用事をすませる時間ではなく、いっしょにいる時間に感じられるようにしましょう。絵本、一日のおしゃべり、歌、背中をやさしくなでること。どれも、一日はぬくもりの中で終わるのだと子どもに伝えます。寝る前につながりを感じている子は、大人をそばに引きとめるための引きのばしをしなくてすむので、いやがることが少なくなります。小さな心配が顔を出すのもこの時間なので、少しゆっくり耳をかたむければ、あとの「あともうひとつ」の呼び声を防げます。

ひっかかりを減らす

いつもつまずく場面に気づき、前もって手を打ちましょう。パジャマで泣くなら、用意して出しておく。歯みがきが戦いなら、毎晩同じやりかたでする、ゆずれない決まったステップにして、毎回新しい言いあいにしない。おやすみが長引くなら、始める前に絵本の冊数を決めておき、最後に交渉することをなくします。判断をひとつ減らすたびに、落ち着きがひとつふえます。

すべる夜があってもいい

歯が生える、病気、わくわくした一日、お客さんで、寝かしつけが長引く夜もあります。そんな夜は、流れをやめるのではなく、短くして続けましょう。歯みがき、絵本1冊、ぎゅっ、だけの2分の短縮版でも、なじみのかたちが生き続け、明日またかんたんに戻れます。めざすのは、完璧な日にしか使えない流れではなく、本当の暮らしに耐えられる流れです。

夜の流れがくずれてしまっていたら、やさしく立てなおしましょう。寝る時刻は一度にではなく、数日ごとに10分ずつ早め、流れの一部ずつ変えて、子どもにすべてを一度に合わせさせないようにします。

もう少しよく見たいとき

ふつうの寝かしつけのいやいやは、幼児期の一部です。でも、地域の保健師やかかりつけの小児科医に伝えておきたいパターンもあります。大きないびきをかく、眠っているあいだに息が止まるように見える、穏やかでいつも同じ流れを何週間続けても寝かしつけられない、ほとんど毎晩ひどく取りみだして起きる、疲れで昼間に影響が出ている。相談するのは賢明なことで、大げさではありません。たくさんの証拠をそろえてからでなくてもかまいません。

支えてくれる習慣

急がない夜の流れをつくって続けると、がんばりは最初に集中します。はじめの2週間ほどはがまんが必要ですが、寝る前に落ち着く子は、大人に夜の時間を返してくれ、みんなの眠りを守ってくれます。十分早く、十分いつも同じ、十分あたたかく。くり返しに、毎晩の交渉を自然に起こることに変えてもらいましょう。追いかける価値があるのは、時計どおりの完璧さではなく、落ち着きです。

ポイント: 寝る準備は思ったより早く始め、いつも同じ少しのやさしいステップで進め、最後は用事ではなくふれあいで終わりましょう。

NHS, Sleep and young children

AAP HealthyChildren, Bedtime Routines for School-Aged Children