答えを言わずに、同じ実験をくり返すコツ

お子さまがコルクを水に落とすのは、これで10回目。ぷかりとうかぶたびに、また大喜びです。「もううくってわかったでしょ」と言って次へ進みたくなります。でもそのくり返しは大切な仕事をしていて、親の役目は、答えを手わたすより、むしろとっておくことであることが多いのです。答えを言わずに同じ実験をくり返すのは、お子さまがただ教わるのではなく、発見しつづけられるようにする、静かな技術です。

子どもがくり返す理由と、その大切さ

小さな子がくり返すのは、くり返しこそが理解を組みたてる方法だからです。最初にコルクがうかんだときはびっくり。5回目には、パターンを確かめていて、10回目には、その考えが本当に自分のものになっています。くり返しのひとつひとつは退屈ではなく、世界がいつも同じようにふるまうかを確かめているのです。そこを急がせると、自分でつくった深い理解を、ただ与えられた浅い事実ととりかえてしまいます。

言いたくなる気持ち

親が答えを言うのは、助けたいからで、答えを知っているからです。でも子どもがたどりつく前に結果を発表するたびに、発見の瞬間を取りあげてしまいます。答えを言わずに同じ実験をくり返すとは、その親切な気持ちをこらえて、子どもが自分でパターンに気づくと信じることです。こらえるのは手ぬきではありません。この遊びに価値をくれる、まさにそのものを守っているのです。

やさしく、答えをとっておく方法

  • 教えるかわりに聞く。「今度はどうなると思う?」
  • 知らないふりを楽しむ。「また同じになるのかなあ」
  • 質問には質問で返す。「どう思う?やってみようか?」
  • 静かにして、子どもに見て、自分で結論を出してもらう。
  • 答えがわかっていても、子どもの答えに本気で興味をもつ。

こうした小さな工夫が、考えることをお子さまの側に置いておいてくれます。

同じことのくり返しで、じゅうぶんなとき

お子さまが、まったく同じ実験をただくり返したいこともあり、それはりっぱな科学です。同じ物を何度でも落としたいなら、そうさせてあげましょう。指示ではなく質問で、小さな変化を加えることもできます。「今度はもっと速いかな?」「同じところに落ちると思う?」。実験は同じでも、質問が新しい気づきに誘うので、くり返しが退屈になることはありません。

台なしにせずに、変化を加える

結果がはっきりわかったようなら、ひとつだけ変えて遊びをのばせます。それでも、何が起きるかは明かしません。コルクがうくとわかっているなら、石はどうなると思う?スプーンは?と聞いて、自分で確かめてもらいましょう。急な坂がいちばん速いとわかっているなら、じゅうたんの上ではどうなる?と聞く。コツは、新しい質問を出したら一歩下がることです。そうすれば答えは、親が与えるものではなく、お子さまが発見するものでありつづけます。

見えないところで育つもの

答えをとっておくことは、科学そのもの以上のことを教えてくれます。お子さまは、自分で何度も確かめたので、パターンは信頼できると学びます。教えてもらうことにたよらず、自分の観察に自信をもちます。集中と気長さを練習します。なによりも、自分にはものごとを考えだす力があると学びます。その信念は、どんなひとつの事実よりも、これから出会うあらゆるなぞを乗りこえさせてくれます。どう考えるべきかを教えられるより、自分の目で見た証拠を信じることも学びます。それは科学的な姿勢の中心そのものです。そして親が指示ではなく質問をするので、お子さまは自分の結論を自分のことばで言う練習をし、ことばも育っていきます。

あたたかい雰囲気のままで

こらえることが、冷たく出しおしみしているように感じられてはいけません。毎回お子さまのわくわくを分かちあい、結論をお祝いしながら、あたたかくかかわりつづけましょう。お子さまがまっすぐ質問してきて本当に知りたがっているなら、ときには答えていいのです。とくに、ひとりでは発見できない事実ならなおさらです。コツはバランスです。たいていは自分で見つけるよう誘い、ときどき教え、いつもとなりで好奇心をもちつづける。そうすれば遊びは、いっしょにする冒険のように感じられます。

ひとりで悩まないで

これは合格も不合格もない、やさしく遊び心のある学びです。お子さまのことは、だれよりも親がいちばんよく知っています。集中、遊びにかかわる力、理解、好奇心に、もっと広い心配がある、短いあいだでも何にも落ち着いて取りくめないようだ、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに気軽に話してみる価値があります。早めに質問するのはいつでも賢明で、聞いて困ることは何もありません。

10回目のコルクを、歓迎しよう

答えを言わずに同じ実験をくり返すとは、親がもう知っていることを、お子さまが発見すると信じることです。教えるかわりに聞き、知らないふりを楽しみ、一歩下がって気づいてもらうことで、発見の喜びをしっかりお子さまの手にあずけておけます。10回目のコルクを歓迎して、喜びを分かちあい、本当にその子自身のものである理解を組みたてさせてあげましょう。

ポイント: お子さまが実験をくり返すときは、結果を言いたい気持ちをこらえて「どうなると思う?」と聞きましょう。パターンを自分で確かめ、発見を自分のものにできます。

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NHS, Play and learning