数えなくても「ぱっとわかる」少ない数の感覚を育てる

2歳くらいの子にあめを2つ見せると、数えなくても、すぐに2つだとわかります。サイコロをふると、もう少し大きな子は、まばたきする間もなく「5!」と言います。この少ない数をひと目でとらえる力は「サビタイジング」と呼ばれ、幼児期の算数でとても役に立つ力のひとつです。数えずに少ない数がわかるように手伝うことは、数の感覚を土台から育てることになります。

サビタイジングとは

サビタイジングとは、少ない数のものをひと目で見て、ひとつずつ数えなくてもいくつかわかる、脳の得意わざです。たいていの人は、3つか4つくらいまでならできます。お皿をちらっと見て「ビスケット3枚」とすぐにわかるのは、そのおかげです。このひと目でわかる力は、正式に数えることより先にやってきて、少ない数が本当は何を意味するのかを、体で感じる手がかりを子どもにくれます。

なぜ、そんなに大切なのか

数の感覚とは、数えることばを知っていることだけではなく、量を本当に感じとれることです。3つをひと目で見られる子は、暗唱では教えられないかたちで「3であること」をわかっています。のちにこれが暗算につながります。2つのまとまりと3つのまとまりが見える子は、合わせて5になると、だんだん「ただわかる」ようになるからです。だから、数えずに少ない数がわかるように手伝うことは、静かに大きな力をもっています。

少ない数を、見た瞬間に言う

いちばんシンプルな育てかたは、数える間もなく、見た瞬間に少ない数を言うことです。「くつ、2つ」「カモが3羽」「お鼻、ひとつ」。ふたりでそのまとまりを見たその瞬間に数を言うと、子どもはことばを、ゆっくり数えた結果ではなく、ひと目で見たまとまり全体に結びつけます。ほんの少しの数で、一日に何度もこれをすること。それがこの力のすべての中心です。

数えずに「見る」毎日のチャンス

  • おやつのとき、お皿に2つか3つのせて、ひと目で数を言う。
  • 遊びでサイコロをふったら、目を数えずに数を言うよう誘う。
  • おもちゃを並べるとき、「車が3台あるね」とすぐに気づく。
  • 果物を分けるとき、数える前に「あなたは2つ、わたしも2つ」と言う。

数は3つか4つまでにしましょう。ひと目でわかるのがいちばんうまく働くのは、そのあたりだからです。

サイコロ、ドミノ、点の模様

点のある遊びは、まさにこのためにあるようなものです。サイコロやドミノの点の並びはいつも同じなので、子どもは5や6の模様を、ひとつの絵としてわかるようになります。サイコロを使うすごろくは、自然な練習をいくらでもくれます。毎回ひとつずつ点を数えさせるのではなく、「何が出た?ぱっと見てみて」とやさしく誘いましょう。

指は、生まれつきの道具

手は、少ない数を、数えるものではなく形として見せるのにぴったりです。指を2本ぱっと見せて、数えさせずに「いくつ?」と聞いてみましょう。3本見せて、隠して、また3本見せる。指の形はくり返し出てくるので、子どもは「指3本」をひと目でわかる絵として覚えはじめます。これは、のちに指を使って足し算を始めるときの、便利な橋わたしにもなります。

並べかたを変えてみる

この力を深めるには、同じ少ない数を、ちがう並べかたで見せましょう。一列に3つ、三角に3つ、ばらばらに3つ。どう並んでいても3つだとわかる子は、覚えたひとつの絵ではなく、量そのものを本当にわかっています。おはじきをいくつか並べかえて「まだ3つ?」と聞くのは、ひとつの模様をこえてわかる力をのばす、すてきでやさしい方法です。

数えることを急がない

数を知っていることを証明させるために、何でも数えさせたくなるかもしれません。でも、数えなくても2つあるとわかるなら、それをお祝いしましょう。それこそ望んでいることです。少ない数をひと目でわかることは、苦労して数えるよりも高度な力なので、信じてあげてください。数えることは大きなまとまりのためにちゃんと役目がありますが、少ない数は、数えるのではなく、見てもらいましょう。

育ってきているサイン

お子さまが数えるために止まらずに「2」「3」と言う、サイコロの目を数える前に言いあてる、自分が持っているビスケットの数をひと目で教えてくれる。少ないまとまりからひとつなくなったら、すぐに気づくこともあるでしょう。こうしたすばやく自信のあるこたえは、少ない数を本当に感じとれているしるしで、数の感覚の中心そのものです。

もっと広い心配があるとき

少ない数の感覚は、2歳から就学前の時期を通して少しずつ育ち、個人差もたっぷりあります。まわりの子とくらべて、数や量、同じものを合わせる遊びにほとんど興味を示さない、毎日の考えやことばが全体的にむずかしそう、できていたことができなくなったようだ、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さん、園の先生に気軽にひと言伝えてみましょう。早めの相談はめずらしいことではなく、必要な支援につながりやすくなるだけです。

数えるより速い算数

幼児期のいちばんいい算数のなかには、数えるよりも速く起きるものがあります。見た瞬間に少ない数を言い、サイコロ遊びをして、指をぱっと見せる。そうすれば、数えずに少ない数がわかる力が育ち、数が何を意味するのかを、ひと目で感じとれるようになります。体で感じる量の感覚は、のちの計算すべてが立つ、しっかりした地面です。

ポイント: 2つ、3つ、4つの数は、見た瞬間に言いましょう。サイコロ、ドミノ、指を使えば、量を数えるのではなく、ひと目で感じとれるようになります。

CDC, Developmental milestones (Learn the Signs. Act Early.)

NHS, Play and learning for babies and toddlers