じいじばあばにも、わが家の画面ルールを守ってもらうには
お子さまに合う画面との向きあい方をやっと決めたのに、祖父母の家で一日過ごしたら、朝ごはんからずっとアニメを見て帰ってきた。おなじみの、ちょっと気まずい板ばさみです。じいじとばあばはお子さまがかわいくてたまらず、「いいよ」と言ってあげたい。そして画面は、小さな子をごきげんにしておく手軽な方法です。大切な関係を傷つけずに、祖父母にわが家の線引きにならんでもらうのは、言い方さえ合えば、じゅうぶんにできることです。
ルールではなく、関係から始める
祖父母は画面の計画の敵ではなく、お子さまのくらしのなかでいちばん愛情深い人たちです。祖父母への画面ルールを、指示の一覧ではなく、味方どうしの話しあいとして持ちかければ、ずっとすんなり届きます。あたたかさから入り、みんなお子さまにいちばんいいことを望んでいるという同じゴールを確かめることで、要求のリストならばたんととじてしまう扉がひらきます。
理由を、短く伝える
人は、ただ渡された線引きより、理由のわかる線引きのほうが、ずっとよろこんで守ります。お説教にならない、短い説明が助けになります。画面を少なめにしているとよく眠れてよく遊ぶから、とか、小さいうちの健康のすすめは、量をしぼってよく選んだ画面の時間を目安にしているから、とか。講演をする必要はありません。理由をひと言ふた言そえるだけで、お願いが勝手なルールから、祖父母が応援できるものに変わります。
大事なことは、シンプルに
祖父母は、こまかなルールブックより、はっきりした優先順位をふたつくらいのほうが、ずっと守りやすいものです。長いリストではなく、いちばん大事なことを2つか3つ選びましょう。食事のときは画面なし、だいたいどれくらいまで、どの番組ならいいか、など。祖父母への画面ルールを、ややこしい制度ではなく、いくつかのわかりやすい見出しにすると、覚えやすく、守りやすい現実的なものになります。
じいじばあばの「魔法」も、少しは
祖父母と過ごす時間は、もともとちょっととくべつなもので、少しの柔軟さは健やかなことです。ばあばの家でのおまけの映画が大切な恒例になるなら、それは線引きがくずれるのとはちがいます。どこなら気持ちよくゆるめられて、どこはしっかり守ってほしいかを前もって決めておけば、小さなことには気前よく、大事なことにははっきりした態度でいられます。
実際のところを、楽にしてあげる
祖父母が画面に手をのばすのは、元気いっぱいの小さな子と何時間も、ほかに何をすればいいかわからないからということもあります。その実際のすき間を手伝ってあげると、大きなちがいになります。お気に入りのおもちゃを袋に入れて持たせる、近くの公園を教える、お子さまがいま夢中になっている遊びを伝える。タブレットのかわりになるものが手に入ります。手軽な逃げ道が、思いつくただひとつの選択肢でなくなれば、画面は自然と訪問のなかで場所をとらなくなります。
「昔は」というおしかえしには、やさしく
「あなたたちだってテレビをたくさん見て、ちゃんと育ったじゃない」と言われるかもしれません。それにはけんかではなく、品よくこたえましょう。祖父母の経験を受けとめつつ、すすめられていることも、いまの端末のひきつける力の強さも変わってきた、と伝えられます。昔についての言いあいに勝つことが目的ではありません。親として決めた、自分の子への向きあい方を応援してほしいと、やさしくお願いすることです。
一貫していることは、子どものため
これはお子さまのためのことで、管理のためではないと伝える価値があります。小さな子は、くらしのなかの大切な大人たちがだいたい足なみをそろえていると落ちつき、まったくちがうルールのあいだを行ったり来たりすると、混乱したり、切りかえがむずかしくなったりすることがあります。祖父母に画面ルールを伝えることは、じつは、お子さまが大好きな家々をまたいで、一貫したおだやかな体験をできるようにすることで、それはたいていの祖父母も心から望んでいることです。
たたかう場所を選ぶ
ルールからずれるたびに話しあう必要はありません。祖父母の家でときどき画面の多い午後があっても、長い目で見れば何も変わりませんし、毎回の訪問を交渉にしてしまうと、得るものは少ないのに関係を危うくします。はっきりしたお願いは、本当に大切なことのためにとっておき、小さなことは手ばなしましょう。信頼されていると感じるくつろいだ祖父母のほうが、大事な線引きを尊重してくれます。
どうしても意見が合わないとき
ときには本当にゆずれない点もあります。こわい内容や年齢に合わない内容、長くあずけるあいだに画面がすべての関わりの代わりになってしまうこと、など。そんなときは、親として決めることなので、落ちついて、あやまらずに、何が必要かをはっきり具体的に伝えていいのです。祖父母の子育てへの批判としてではなく、お子さまの健やかさを中心に話せば、きっぱりした線を守らなければならないときでも、扉はひらいたままでいられます。
長い目で
画面について祖父母と足なみをそろえるのは、1回の話しあいで終わることはめったになく、お子さまの成長とともに変わっていく、ゆるやかな話しあいの続きです。あたたかさと、はっきりした優先順位と、少しの柔軟さで向きあえば、関係はぎくしゃくするどころか、強くなっていきます。お子さまは、愛情深い祖父母と、それなりに一貫した線引きの両方を手に入れます。それこそ、目指しているバランスです。
ここだけ覚えて: いくつかのはっきりした優先順位をあたたかく伝え、理由は短く。祖父母らしい柔軟さも少し許し、きっぱりした線は、お子さまの健やかさに本当に関わることのためにとっておきましょう。
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years