親のスマホ習慣と、子どもの「見て見て」
画面の話は子どもに目が向きがちですが、小さな子の一日にいちばん影響する端末は、親の手の中にあるものかもしれません。小さな子は、大切な大人がいま本当に自分といっしょにいるかどうかに、おどろくほど敏感で、スマホはその「いっしょにいる感じ」を静かに引きはなしてしまうことがあります。これは罪悪感の話ではありません。よくある、もっともな習慣に気づいて、思っている以上に効く、小さな切りかえをする話です。
子どもは、大人の注意を見ている
ことばがじょうずになるずっと前から、赤ちゃんや小さな子は、大人の顔、目、反応を追っています。ちらっと見る、声を出す、何かを持ちあげて見せる。子どもはいつも、つながりを求める小さな「サイン」を送っていて、それにこたえてもらえるかどうかから学んでいます。親のスマホと子どもの注意についての研究が指ししめすのは、シンプルな事実です。端末は、子どもが手をのばしているまさにその注意をうばいあい、大人がちらっと見ているだけのつもりでも、子どもはそのちがいを感じているのです。
引っぱられるのは仕組みのせいで、あなたの欠点ではない
スマホを手ばなしにくいと感じるなら、それは弱さではなく、そうつくられているからです。アプリは、終わりのないおすすめや、うれしくなる通知音で、注意をつかんではなさないよう設計されています。引っぱる力はつくられたものだとわかると、自分を責めるのをやめて、習慣に現実的に向きあえます。目標は、スマホにまったくさわらない親になることではありません。それは現実的でも必要でもありません。端末がこっそり吸いとっている注意を、少しだけ取りもどすことです。
「無表情」の瞬間が、子どもにどう感じられるか
親が子どもから画面へと目を移すと、表情はたいらになり、反応は静かになります。小さな子にとって、このとつぜんの関わりの落ちこみはとまどうもので、親のスマホと子どもの注意についての研究では、子どもがまずおとなしくなり、次に親を取りもどそうともっとがんばり、それがうまくいかないと、ときにはいたずらやかんしゃくで気をひくようになる様子が描かれています。大人がスクロールしているあいだのかんしゃくは、お子さまのぶきっちょだけれど、もっともな、大人に手をのばそうとする試みなのかもしれません。
いつも注意をそそぐ必要はない
ここは安心してほしいところです。子どもは、起きているあいだじゅう大人の注意をひとりじめする必要はないし、それが子どものためになるわけでもありません。親がときどき自分のスマホに夢中になるのは、まったくふつうで、だいじょうぶなことです。ひとり遊び、退屈、大人がふつうの用事をしているのをながめること。どれも価値があります。心配なのは、ときどきのチェックではなく、一日じゅうを埋める、上の空で半分しかいない、だらだらとしたスマホの使い方です。だから、むりな完璧ではなく、本当にいっしょにいる小さな時間をめざしましょう。
つながりの濃い時間を、いくつか守る
1分1分を取りしまるより、つながりにとっていちばん大事な時間をかこって守りましょう。食事、園や学校からのおむかえ、寝る前、そして遊ぶと決めた時間は、スマホなしにする価値があります。こうした支点のあいだ端末を手の届かないところに置けば、ここぞというときにお子さまは大人の心からの注意を受けとれて、そのあいだのばらばらな時間は気楽にかまえていられます。少しの集中した「いっしょ」は、おどろくほど遠くまで届きます。
使わなければならないときは、ことばにする
子どもは、だまって夢中になっている親を「いなくなった」と読みとりますが、何が起きているかわかれば、ずっとうまく受けとめられます。本当の用事でスマホが必要なら、そう伝えると助けになります。「バスの時間だけ見るね。すぐもどってくるよ」。それで、はなれるのは短くて目的のあることで、なぞではないと伝わりますし、そうしなければまねして覚えてしまう、終わりのないなんとなくのスクロールではなく、考えて端末を使う姿を見せることになります。
反射的なチェックに気づく
スマホの使い方の多くは、決めてしているのではなく、反射です。ちょっとした間があるたびに端末に手がのびる。こうした自動的なチェックこそ、本当の理由もなく遊びや会話をとぎれさせるので、子どもの注意がもれていく大きな原因になります。遊びの時間はスマホを別の部屋に置く、必要のない通知を切るといった、ちょっとした手間を足すと、スマホを手に取るのが、ぴくっとした反射ではなく、選んですることに変わります。
子どもの未来の習慣のお手本になっている
お子さまは、その場で大人のスマホの使い方に影響されるだけでなく、そこから「ふつう」がどんなものかを学んでいます。いま見ている習慣が、のちの自分と端末との関係をかたちづくります。スマホはいつもいっしょにいる相棒ではなく、目的があって手に取り、また置く道具なのだと見せることは、大人がこれから決めるどんなルールより、健やかなテクノロジーの使い方を教えてくれます。
自分にやさしく
いい親はスマホを使わない、ということではまったくありません。端末は、仕事や、支えや、情報や、本当に必要な大人どうしの会話とつないでくれます。とくに、子育てのはじめの孤独になりがちな時期にはなおさらです。自分を責めても、だれのためにもなりません。目指すのは、いっしょにいる時間を少しふやし、上の空の時間を少し減らす、ゆるやかなバランスの取りなおしで、もともと大変な仕事に罪悪感を足すだけの完璧さではありません。
ひとつの変化から始める
心あたりがあるなら、守る支点をひとつだけ選んで、そこから始めましょう。寝る前はスマホなし、おむかえではスマホより先にお子さまにあいさつする、など。小さく一貫した変化ひとつのほうが、大がかりな決意より、ずっと続けやすいものです。あたたかい瞬間がふえ、お子さまが少し落ちついて見える、といった形で、すぐによさを感じることもよくあります。そこから、準備ができたらいつでも、「いっしょにいる」小さな時間をもうひとつふやせばいいのです。
ここだけ覚えて: 小さな子は大人の注意をよく見ています。食事や寝る前など、つながりの濃い時間をいくつかスマホなしで守り、使うときはことばにして、完璧ではなく本当にいっしょにいることをめざしましょう。
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