月に一度、家族の画面習慣をふり返る

画面の習慣が、劇的にくずれることはめったにありません。ここで1話多く、そこで少し早めにタブレット、とずるずるずれていって、ある日、決めていたところからずいぶん遠くまで来てしまったと気づくのです。いちばんシンプルな解毒剤は、もっと強い意志の力ではなく、いまの実際の様子を短く定期的にながめることです。月に一度の短いふり返りで、ずれが見えるままになり、根づいてしまう前にかんたんに直せます。

気づかないうちに、習慣がずれていくわけ

毎日のくらしは、画面の時間を上へと押しあげます。病気、いそがしい週、お子さまの要求が急にふえる時期、大人自身の疲れ。どれも画面を少しずつ押しあげ、ひとつひとつの小さな増加は、その場ではもっともなことに感じられます。困るのは、こうした変化が日々のなかではほとんど見えないことです。月に一度の家族の画面のふり返りは、一歩下がって、毎日のばたばたがかくしているパターンを見る、定期的な時間をくれます。それが、かじを切るための最初の一歩です。

短く、気負わずに

「ふり返り」ということばは、かしこまった監査のように聞こえるかもしれませんが、これは軽いものです。月に一度、お茶を飲みながら15分。それでじゅうぶんです。目指すのは、やさしい棚おろしで、自分を責めて失敗した気分になる点検ではありません。短く、やさしく続ければ、本当に続けられる習慣になります。手のこんだ毎月の決算は、2か月目にはこっそりやめてしまう、まさにそういうものです。

実際に、何を見るか

いくつかのシンプルな問いに、価値のほとんどがつまっています。子どもたちは先月とくらべてだいたいどれくらい画面を見ていて、それはちょうどいい感じ?何を見たり遊んだりしていて、まだそれでいいと思える?食事、寝る前、朝といった画面なしの支点は、ちゃんと保てている?そして大人は、自分の端末とどうつきあっている?家族の画面のふり返りに、データや記録はいりません。この何本かの糸について、正直にふり返るだけです。

時間だけでなく、中身にも

何分かにばかり目がいって、その中身を見のがすのはよくあることです。ふり返りのときは、お子さまがこのところ何に引きつけられているかに、しっかり目を向けましょう。新しいお気に入りのアプリはすてきなものかもしれませんし、めまぐるしい、広告だらけの、お子さまには年齢が上すぎるものかもしれません。子どもの好みと、それに中身を送りこむアルゴリズムはいつも変わっているので、時間の量がだいたい同じでも、中身のほうは調整が必要なことがよくあります。

お子さまの健やかさもふくめる

数字より、お子さまがどう見えるかのほうが大切です。ふり返りを使って、全体の姿を考えてみましょう。よく眠れている?楽しく遊べている?たっぷり体を動かしている?大人とつながれている?画面がじわじわふえて、消すときのかんしゃくがふえた、眠りがあさくなった、想像力のある遊びが減った、と気づいたら、それは役に立つ情報です。家族の画面のふり返りは、じつは、テクノロジーがまだ、ゆたかで、活発で、つながりのあるくらしのなかに、気持ちよくおさまっているかを確かめる時間なのです。

うまくいっていることを、よろこぶ

ふり返りは、問題を見つけるためだけのものではありません。うまくいっていることにも気づいて、続けましょう。あたりまえになった画面なしの夕ごはん、おだやかになった寝る前、見たあとお子さまが高ぶらずに落ちついている番組。成功を認めることは大切です。どの習慣を守ればいいかを教えてくれますし、ちょっとしたはげみにもなります。毎月何かを変える必要はなく、正直な結論が「いい感じに進んでいる」だけの月もあります。

変えるのは、ひとつずつ

何かを調整する必要があるときも、いっぺんに全部を立てなおしたくなる気持ちはこらえましょう。画面なしの朝を復活させる、アプリをひとつ入れかえるなど、いちばん助けになりそうな変化をひとつだけ選び、次の1か月それだけためしてみます。ひとつだけ変えれば、それが本当に効いたかどうかがわかり、ふり返り全体も続けやすくなります。毎月のやさしいひと押しは、1年たつと、ときどきのくたくたになる取りしまりよりずっと大きなものになります。

できれば、いっしょに

パートナーと子育てしているなら、いっしょにふり返ると足なみがそろい、頭の中の仕事も分けあえて、画面のことがひとりの仕事にならずにすみます。気づいたことを少し話すだけでも、お子さまの前で一貫した姿を見せやすくなります。年長さんくらいの子なら、かんたんなことばで参加してもらってもいいでしょう。画面が家族のくらしにどうおさまっているか、お子さま自身が気づく芽になります。

覚えている日にむすびつける

習慣は、いかりをおろすと根づきます。月はじめ、決まった給料日、最初の週末など、もうしていることに月に一度の家族の画面のふり返りをむすびつければ、ふと思いだすことにたよらずにすみます。スマホのくり返しのリマインダーもよく効きます。自動にしてしまうことが、すてきな心がけを、毎月家族のバランスを静かに守ってくれる決まりごとに変えてくれます。

長い目で見た、ごほうび

これは重たいものでも、不安なものでもなくていいのです。短く定期的にながめていれば、小さなずれは小さいままで、行きすぎてから危機の取りしまりにあわてて走るのではなく、落ちついてこたえられます。時間をかけて、このおだやかで地道な注意は、家族と画面との関係のために、どんな1回きりのきびしいルールよりも多くのことをしてくれます。お子さまの成長といっしょに動いていけるからです。

ひと言でいうと: 月に一度、急がない15分で、画面をどれだけ、何を、どう使っているかに気づきましょう。うまくいっていることはよろこび、変えるのはひとつだけ。小さなずれが根づくことはありません。

AAP HealthyChildren, Family Media Plan

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years