ふたつの家をいき来する子の、画面のルール
子どもがふたつの家でくらしを分けていると、ほとんど何でもそれぞれの家で少しずつちがってきて、画面はいちばんよくある火種のひとつです。片方の親は端末を少なめにして、もう片方はゆるめ。子どもはふたつの期待のあいだで、かじを取ることになります。少しの調整で、これはずいぶんなめらかになります。親どうしの関係そのものが、いつもかんたんではないときでもです。
ふたつの家が、同じになることはない
最初の、気持ちを楽にしてくれる事実は、完璧にそろえることは現実的でも必要でもない、ということです。ちがう大人が営むふたつの家は、いつも小さなところでちがいますし、子どもは私たちが心配するより、ずっと順応できます。別れて暮らす親どうしのかしこい画面ルールとは、両方の家をまったく同じにすることではなく、いくつかの大事なことだけ共通にして、お子さまが数日ごとに、まるでちがう世界のあいだを行ったり来たりしないようにすることです。
共通の支点を、いくつかに
こまかなことを全部話しあうのではなく、両方の家で守れることを2つか3つ見つけましょう。よくある共通点は、寝る前は画面なし、端末は寝室に入れない、どれくらいがほどほどかのだいたいの感覚、などです。この中心の支点に合意すれば、お子さまにたよれる背骨ができ、ほかのことはそれぞれの親が自分のやり方で家を回せるので、たえまないあつれきもありません。
真ん中に置くのは、もめごとではなく子ども
別れた親どうしの画面の意見のくいちがいは、昔からのわだかまりの代わりになりやすく、それはだれのためにもなりません。お子さまにとって本当にいいことは何か、という共通の問いに何度ももどってくると、落ちつきます。別れて暮らす親どうしの画面ルールを、どちらが正しいか、どちらがきびしい親かではなく、お子さまの眠り、気分、発達を中心に考えると、たいてい温度が下がり、合意できる見こみがずっと高くなります。
実際のことは、伝えあう
もめごとのなかには、ただの段取りの問題で、情報があればかんたんに解決するものもあります。お子さまが何を見ていたか、共有のタブレットにどのアプリが入っているか、端末がふたつの家を行き来していること。それを伝えあえば、びっくりや同じものの見すぎを防げます。短い、事務的なメッセージや共有のメモがあれば、深い話しあいをしなくてもおたがいに状況がわかり、お子さまが親のあいだで伝言を運ぶ役にならずにすみます。
「あっちの家では、いいって言われた」には
子どもはすぐに、もう片方の親はもっと許してくれると言うようになります。それは本当の危機ではなく、ふつうのためしです。もう片方の親を批判する必要も、折れる必要もありません。「家によって、やり方がちがうこともあるの。この家ではこうしているよ」と、落ちついてシンプルにこたえればうまくいきます。お子さまの前でもう片方の親を悪く言うわなをさけながら、自分の線引きを品よく守れます。
おたがいの家を尊重する
自分の家では自分のやり方を尊重してほしいのと同じように、もう片方の家にもそれを向ければ、平和が保てます。合意した共通の大事なこと以外は、お子さまが自分といないあいだに何が起きているか、取りしまりたくなる気持ちはこらえましょう。もう片方の親の画面の選び方をくずしたり、いつも批判したりすると、たいてい裏目に出て、お子さまを不安にさせ、そもそも共通のルールを成りたたせている協力をけずってしまいます。
ちがいが本当に大きいとき
ちがいがやり方の好みではなく、中身の大きなものであることもあります。夜おそくまで画面を見放題でくたくたになって帰ってくる、あきらかに不適切な内容を見せられている、など。そんなときは、もう片方の家への全体的な評価ではなく、お子さまに見えている影響にしぼって、具体的で子どもを中心にした心配を、直接、落ちついて伝えるのは公平なことです。直接の話しあいが行きづまったら、調停をする第三者や家族を支える相談窓口が、たたかいにせずに、うまく回る画面ルールを見つける手助けをしてくれます。
受けわたしを、やわらかく
家と家との受けわたしは、画面のもめごとがはねあがりやすいときです。疲れて落ちつかない子が、自分をなぐさめようと端末に手をのばすからです。それぞれの家に、画面少なめのやわらかな着地の流れをつくっておきましょう。おやつ、少しのつながり、外で過ごす時間。タブレットにたよらずに落ちつく助けになります。着いたときの迎え方が一貫していることは、ルールそのものが一貫していることと同じくらい大切なことがあります。
子どもに、協力する姿を見せる
こまかなところがどう落ちつくにしても、親どうしが意見のくいちがいをどうあつかうかは、もめごとを敬意をもって解決するという大切なことを、お子さまに教えています。子どもは、別れた親が、完璧でなくても、自分のために協力する姿を見ることから、とても大きなものを受けとります。小さな共通の線引きに落ちついて合意できるたびに、自分を愛してくれる大人たちは協力できるのだとお子さまに見せていて、それはどんな画面のルールひとつより、ずっと価値があります。
柔軟に、見なおせる形で
うまくいくことは、お子さまの成長と、ふたつの家の変化とともに移りかわっていくので、どんな合意も固い条約ではなく、生きた取りきめとしてあつかいましょう。ときどき共通の大事なことを見なおし、必要に応じて調整すれば、それは時代おくれにならず、わだかまりも減ります。目指すのは固い契約ではなく、お子さまがふたつの家をまたいで安心できるだけの落ちつきをくれる、協力的で、育っていく理解です。
ここがポイント: 寝る前は画面なしなど、両方の家で守る大事なことを2つか3つ決めましょう。昔のもめごとではなくお子さまを真ん中に置き、その支点の外では、おたがいの家を尊重して。
AAP HealthyChildren, Family Media Plan
WHO, To grow up healthy, children need to sit less and play more