刺激の強すぎない動画やアプリを選ぶには

同じだけ画面を見ても、まったくちがう様子で終わる子がいます。ひとりは落ちついておしゃべりで、もうひとりは高ぶっていらいら。ちがいはたいてい、何分見たかではなく、その時間を何がうめていたかです。何を見るかは、どれだけ見るかと少なくとも同じくらい大切で、それは多くの親がすぐに動かせるてこでもあります。

まずは、テンポに注目

ネットにある小さな子向けのものの多くは、数秒ごとに新しい場面、音、ギャグが入る、めまぐるしいテンポで編集されています。この速いつくりは目を画面にくぎづけにします。まさにそれがねらいです。でも、小さな脳に、受けとめて考える時間をあげません。子どもが本当にためになる質の高いコンテンツは、たいていもっとゆっくり進みます。ひとつの場面にとどまり、登場人物に考えさせ、刺激をあびせるのではなく、子どもがついてこられると信じてくれます。

子どもに語りかけてくるものを

いちばんおだやかで価値のある番組は、ひと息おいて、こたえるよう誘ってくれることがよくあります。登場人物が質問して待ってくれたり、ものの名前をはっきり言ってくり返したりする。これは実際の会話のやりとりに近く、音のかべよりずっとよくことばを支えます。さがすときは、花火大会のような番組より、ゆっくりした、あたたかいやりとりのように感じられる番組を選びましょう。

自動再生の、終わらない穴に注意

動画サービスは、次の動画を自動で流して子どもに見つづけさせるようにつくられていて、おすすめはしばしば、もっとうるさく、もっと変で、もっと注意をひくものへとずれていきます。自動再生をオフにするのは、いちばんかんたんな守り方のひとつです。次に何を見るかをアルゴリズムに決めさせず、見る番組を選んで、終わったらそこでやめる。これが、お子さまが見るものを機械ではなく大人の手の中に保つ、いちばんの中心です。

信頼できる配信元と、選びぬかれたアプリを

公共放送、定評のある子ども向けブランド、評判のいい学びのアプリは、動画共有サイトのおすすめの流れより、たいてい安全でおだやかなスタート地点になります。多くの国に、年齢に合った広告なしの子ども向けサービスがあります。お子さまの視聴を、信頼できるアプリやチャンネルのいくつかを中心に組みたてれば、確かめることに使う力はぐっと減り、ずっと気楽に過ごせます。

大人も数分、見てみる

いちばん早い質のチェックは、大人の目です。何かがお決まりになる前に、数分見てみましょう。おだやか?それともめまぐるしい?ことばははっきりしていて、やさしい?ものを買わせようとする誘いがしょっちゅう出てこない?楽しいふりをしたこわい映像はない?直感を信じてください。見ていて大人がぴりぴりする動画は、たぶんお子さまにも同じようなことをしています。この小さな習慣が、質のよくないものを思いのほかたくさんふるい落としてくれます。

見たあとの様子に気づく

お子さまの機嫌は、役に立つ手がかりです。ある番組が終わると決まってかんしゃくになる、見たあとそわそわして集中できない、ということがあれば、人気の番組でも気にとめる価値があります。お子さまに合うものは、たいてい、どーんと落ちこむことなく遊びへと移っていける状態にしてくれます。子どもがよく反応する質の高いコンテンツは、高ぶらせるより、落ちつかせてくれることが多いものです。

年齢と発達に合わせる

およそ2歳未満の赤ちゃんや子どもについては、AAPなどの保健機関が、ビデオ通話以外の画面メディアはさけるようすすめています。画面ではなく、本物のやりとりから学ぶからです。2歳から5歳の子については、よく選んだおだやかな番組を少しだけ、できれば話しあえる大人といっしょに見ることが、すすめの中心です。年齢が小さいほど、中身をシンプルで年齢に合ったものにすることが大切になります。

広告にも注意を

「無料」の子ども向けコンテンツの多くは、広告に包まれているか、それ自体がおもちゃの長い宣伝です。小さな子は番組と売りこみの区別がつかないので、広告の多いコンテンツは中立ではありません。広告のないアプリやサブスクリプション、公共放送なら、まだ見ぬくには幼すぎる説得の流れから、お子さまを守れます。

時間だけでなく、気分を大切に

これは、アニメ選びを不安な調査研究に変えるためのものではありません。何を大切にして選ぶかの切りかえです。おだやかで、はっきりした、ゆっくりめの中身を、ほどほどの量で見ることを目指すと、画面の時間のあとのお子さまの様子がよくなりやすく、毎日の画面からの切りかえもやさしくなります。質は、静かにいくつもの問題をいっぺんに解決してくれます。

かんたんな始め方

大人が見て、いいなと思った番組やアプリを2つか3つ選び、自動再生をオフにして、それをいつもの選択肢にしましょう。お子さまが画面をほしがったら、終わりのないおすすめの流れをひらくのではなく、もう信頼している短いリストから選びます。お子さまの成長に合わせてリストを入れかえていけばいいのですが、ただ流されるのではなく選びぬく習慣こそが、子どもが楽しむ質の高いコンテンツを、いつも視聴の真ん中に置いてくれます。

ひと言でいうと: 何を見るかは、どれだけ見るかと同じくらい大切です。ゆっくりで、わかりやすく、広告の少ないものを信頼できる配信元から選び、自動再生はオフに。見たあとのお子さまの様子にも目を向けましょう。

AAP HealthyChildren, Where We Stand: Screen Time

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years