動画だらけにならない、週末のゆるいリズムづくり
平日には、保育園や仕事、送りむかえがつくる骨組みがあって、一日に形ができ、画面もそれなりの場所におさまっています。週末は、決まりのない広い時間のように感じられ、そのすき間にタブレットが静かに広がっていきます。土日が「あと1話だけ」のなかにとけていくように感じるなら、解決策はたいてい、もっときびしい禁止ではありません。みんなに居場所をくれる、ゆるやかなリズムです。
週末が画面へ流れていくわけ
決まった時間割のない2日間、朝はゆっくりしたい疲れた大人、そして元気がありあまった子ども。これは、画面があらゆるすき間をうめてしまう組みあわせです。これは失敗ではありません。くたくたで一日が長いとき、端末はいちばん手をのばしやすいものです。でも、からっぽのキャンバスではなく、ゆるいパターンが一日にあれば、画面少なめの家族の週末はずっと実現しやすくなります。からっぽのキャンバスには、画面がよろこんで色をぬってしまうからです。
ルールより、支点が大切
子どもは、一日のなかの予想できる点に落ちつきます。画面の時間を数えるかわりに、みんながたよれる支点を3つか4つつくりましょう。朝のお出かけ、いっしょのお昼ごはん、静かな休み時間、午後の遊びやだれかの家へのお出かけ。そうすれば、画面は支点そのものになるのではなく、支点と支点のあいだにおさまります。画面少なめの週末のリズムとは、じつは、一日がそのまわりに自然とまとまる、いくつかのたよれる時間のことなのです。
朝のうちに外へ出る
いちばん効く支点は、画面がまだ一日をつかまえる前の、朝早くのお出かけです。公園、お散歩、図書館、プールでぱちゃぱちゃ、パンを買いにぶらぶら歩くだけでもいいのです。一日の元気がリセットされ、体を動かしたいという小さな子の気持ちも満たされます。NHSやWHOといった機関の、5歳未満の子のための健康の指針は、たっぷりの活発な遊びを大切にしていて、朝のお出かけはそれをかなえながら、残りの一日を画面中心にしにくくしてくれます。
手軽な遊びを、いつも用意しておく
タブレットが登場するのは、たいてい退屈した瞬間です。だから、代わりの遊びのハードルを下げておきましょう。クレヨンと紙、ねんど、パズル、シール、ブロックの入った箱など、さっと出せるシンプルな遊びの箱があれば、ぐずりはじめたとき、数秒で何かを差しだせます。手のこんだ工作や大人がつきっきりのものでなくていいのです。リモコンより早く手がとどけば、それでじゅうぶんです。
退屈に、息をさせる
すき間を全部、大人や画面がうめる必要はありません。少しの退屈は想像力が動きだす場所で、いつも楽しませてもらっている子は、自分で自分を楽しませることをなかなか覚えません。お子さまが「することがない」とぐずったら、あわてて解決するのではなく、数分そのままにしてみましょう。すきまがあれば、自分の遊びにふらりと入っていくことがよくあります。これも、画面少なめの週末の静かな贈りもののひとつです。
画面にも、居場所はある
リズムは禁止ではありません。土曜の午後に家族で映画を見ることや、お気に入りの番組を決めた分だけ見ることを楽しむ家族はたくさんいます。それをわざと組みこむほうが、一日じゅう画面がもれ出してくるより、ずっとおだやかです。画面の時間がいつ来て、いつ終わるかお子さまがわかっていれば、たえまない「見たい」はたいてい消えていきます。答えがもうはっきりしているからです。
お子さまも、計画に参加させる
3歳の子でも、何が起きるのか知りたいものです。その日のかんたんな絵のリストや、朝ごはんのときに話すだけでも、お子さまに地図ができます。「まず公園、それからお昼、それから静かな時間、夕ごはんの前に何か見るかもね」。一日が、たどれるおはなしに変わります。予想できると、交渉が減ります。お子さまが次に何が来るかを当てずっぽうにしなくてすむからです。
大人の充電も守る
画面少なめの週末は、大人がくたくたになるまで子どもを楽しませつづけるためのものではありません。お子さまのひとり遊びの時間、みんなで休む静かな時間、子どもが走りまわるあいだに大人がコーヒーを飲んですわっていられるお出かけを組みこめば、大人の元気も守れます。続くリズムとは、何時間もの画面にたよらずに親に息をつく余裕をくれるものです。大人が燃えつきる計画は、1回の週末ももちません。
くずれてしまう日の受けとめ方
計画どおりにいかない週末もあります。病気、雨、よく眠れなかった夜、親戚の訪問で、リズムはまるごとよこに流されます。ときどき画面の多い日があっても、長い目で見れば何も変わりません。それをがんばりがむだだった証拠ではなく、ふつうのこととして受けとめましょう。大切なのは何か月も続くパターンで、みんなに必要だったから毛布にくるまってアニメを見て過ごした、ある日曜のことではありません。
ふり返って、うまくいったことを残す
何回か週末を過ごしたら、お子さまが楽しみにしている支点と、実際に使われた遊びに気づいてみましょう。それは残し、一度も実現しなかったものはやめ、家族の本当の元気に合わせて時間を調整します。目指すのは、自然でくり返せるリズムです。そうなれば、画面少なめの家族の週末は、毎週のたたかいではなく、ただ週末がそうなりがちな形になっていきます。
ここがポイント: 週末に、たよれる支点を3つか4つ。朝のうちに外へ出て、手軽な遊びを手もとに置き、画面には一日をまるごと決めさせず、すき間におさまってもらいましょう。
NHS, Physical activity guidelines for children under 5 years
WHO, To grow up healthy, children need to sit less and play more