子どもの生活リズムが数日くずれたとき。あわてずに戻す方法
体調をくずした、旅行に出かけた、親せきが泊まりに来て夜ふかしが続いた。そしてふと気づけば、がんばって整えてきたお昼寝も食事も寝る時間も、どこかへ行ってしまった。子どもの生活リズムが数日くずれると、何もかもが一度に大変に感じられます。かんしゃくは増え、眠りは悪くなり、これまでの苦労がぜんぶ水の泡になったのでは、という心配がつきまといます。どうか安心してください。水の泡になんてなっていません。
くずれるのはふつうのことで、大惨事ではない
生活リズムは、最初のゆさぶりで永遠にこわれてしまうような、もろいものではありません。子どもが知っているパターンで、パターンはすぐに覚えなおせます。病気や旅行や環境の変化で数日ずれるのは、家族の暮らしのふつうの一部です。物事がどう流れるかという子どもの奥の感覚は、消えてはいません。一時停止しているだけです。そして一時停止は、それまでのすべてを消したりはしません。
行動への影響は想定内
眠りと食事がずれると、行動もたいていずれます。疲れすぎて、いつもの流れからはずれた子は、かんしゃく、べったり、いやいやが出やすくなります。それを、リズムのくずれの症状ではなく、新しい問題だと読んでしまいがちです。原因に名前をつけると、あわてずに、根気よくこたえられます。これは子どもがずっと後戻りしてしまうのではありません。いつもと違う数日に、疲れた小さな体が反応しているだけで、ちゃんと落ち着いていきます。
ぐらつきのあいだの手順
- 毎日、なじみの錨をひとつかふたつ守る。
- 今は、行動への期待を下げる。
- いつもより多いなぐさめの必要に、心配せずにこたえる。
- 落ち着いたら、いつものリズムにやさしく戻していく。
錨をいくつか残す
くずれている時期に、生活リズムのすべてを守りぬく必要はありません。でも、なじみの錨をひとつかふたつ残しておくと、子どもにはにぎっていられる、しっかりしたものができます。寝る前の絵本、同じおやすみのことば、お気に入りのタオルやぬいぐるみ、いつものお風呂。まわりのすべてが変わっても、それがいつもどおりの感覚を運んでくれます。こうした小さな変わらないものが、大さわぎの下でも、世界はちゃんと見覚えのある場所なのだと子どもを安心させます。
いつもより多めのなぐさめで乗りきる
リズムがずれている子は、近さを減らすより、増やしてほしがることがよくあります。それに、こたえていいのです。いつもより多い抱っこ、いつもより多い根気、足りない眠りを取りもどすための早めの寝かしつけ、慣れない夜に手をにぎっていること。本当に大変な数日をなぐさめで乗りきらせても、悪いくせはつきません。高まった必要に今こたえておくほうが、いつもの毎日に戻るのをむずかしくするどころか、スムーズにします。
あわてて、ぜんぶ立てなおさない
子どもの生活リズムが数日くずれると、思いきった手で立てなおしたくなります。まったく新しいねんねの計画、きびしいしめつけ、ひと晩でのリセット。その気持ちはこらえましょう。ただでさえ落ち着かない子に大きな変化を重ねると、たいてい裏目に出ます。よりやさしく、より効果のある道は、くずれが過ぎるのを待ってから、もう知っているリズムへと、そっと子どもを連れもどすことです。
落ち着いたら、やさしく立てなおす
病気が治ったり、お客さんが帰ったりしたら、いきなり元に戻すのではなく、なじみのパターンへゆっくり戻っていきましょう。2、3日かけていつものお昼寝と寝る時間に戻し、食事の時間も元に戻し、錨に仕事をしてもらいます。暮らしがまた落ち着けば、たいていの子は数日のうちに、知っている生活リズムにすっとおさまります。力ずくより、変わらなさと根気のほうが、ずっとよくリズムを建てなおしてくれます。
そのあいだ、親自身も大切に
リズムのくずれは、子どもと同じくらい親も疲れさせます。夜はとぎれ、みんな怒りっぽくなります。ぐらつきのあいだは、自分にゆるく。家事の基準を下げ、手助けを受けとり、休めるところで休みましょう。親がからっぽで走っていなければ、ずっと落ち着いて子どもをリズムに連れもどせます。だから、自分の余力を守ることはぜいたくではなく、計画の一部です。
もう少し深く見たいとき
暮らしがいつもに戻るにつれて落ち着いていく数日の乱れは、心配することではありません。でも、くずれの原因がはっきり過ぎたあとも、眠りや行動がなかなか戻らない、ずっと体調が悪そう、つらそう、引きこもっている、とぎれる夜が長く続いて、親自身の健康や乗りきる力に影響している、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけ医に話してみましょう。よく見る必要があるのは、通りすぎるぐらつきではなく、続くつらさのほうです。
まわり道であって、取りこわしではない
くずれた生活リズムは、まわり道であって、取りこわしではありません。子どもの生活リズムが数日くずれたら、錨をいくつか残し、なぐさめはたっぷりと、思いきった立てなおしはこらえ、嵐が過ぎたらやさしく建てなおしましょう。子どもはここからも大切なことを学びます。暮らしはときどきぐらつくこと、そしてそのあと、親が足場を取りもどす手助けをしてくれること。
ポイント: 数日ずれても、これまでの積み重ねは消えません。錨をひとつかふたつ残し、なぐさめはたっぷり、思いきった変化はさけて、暮らしが落ち着いたらやさしくリズムを建てなおしましょう。