育児でいっぱいいっぱいの瞬間、何から手をつけるか決める方法
子育てには、波にのまれるような瞬間があります。用事がいくつも一度に押しよせ、さわがしさは増していき、自分のストレスも上がっていく。そして、どこから手をつければいいのかまったくわからない。そんなとき、何がいちばん大事かを決められるかどうかが、役に立つ行動と、固まってしまうパニックの分かれ目になります。大切なのは、ぜんぶやることではありません。本当に最初に親が必要なひとつを、すばやく見きわめることです。
いっぱいいっぱいになると、考えがせまくなる
多くのことが一度に押しよせると、体はストレスの反応に切りかわり、はっきり考える力そのものがちぢんでしまいます。だから、用事から用事へぐるぐる回ったり、きつく当たったり、まったく固まったりしてしまうのです。それが起きているとわかるだけで、ふしぎと落ち着けます。弱いからでも、だらしないからでもありません。プレッシャーの下で脳がするとおりのことをしているだけで、もっとがんばろうとするより、優先順位をつけるシンプルな方法のほうが、その霧をずっとよく晴らしてくれます。
いつだって、まず安全から
最初の問いはいちばんシンプルです。今、誰かが危険な状態にある?道路の近くにいる子、熱いお鍋、水場、階段の上。これらは何よりも先です。本当に危ないことが何もなければ、どんなにさわがしく感じても、ほかに本物の緊急事態はありません。安全を基準にすると、待てないたったひとつと、待てないように感じるだけのたくさんのことが、一瞬で分けられます。
波にのまれた瞬間のための手順
- まず、誰かが本当に危険かどうかを確かめる。
- 危険でなければ、いちばん大事な必要をひとつだけ選ぶ。
- そのひとつをやって、あとは待ってもらう。
- 小さなことには、ひとつずつ戻っていく。
必要なことと、さわがしいだけのことを分ける
安全を確かめたら、次は、本当に必要なことと、ただのさわがしさを分けます。おなかをすかせた赤ちゃん、こわがっている子、本当のけがは、必要なことです。こぼれた飲みもの、あのコップじゃなきゃいやという要求、やりかけの用事は、数分待てるさわがしさです。何がいちばん大事かを決めるには、このうちどれを5分ほうっておいたら本当に困ったことになるか、と考えてみましょう。たいていはひとつだけ。ときには、ひとつもありません。
ひとつ選んで、やりきる
いっぱいいっぱいのときは、ぜんぶ一度にやろうとしがちで、それは何も進まず、パニックを深めるだけです。解毒剤は、ひとつだけ選んで、終わるまでそれにまるごと気持ちを向け、そのあいだほかのことはわざとやりかけのままにしておくこと。ひとつやりとげると、その場の空気がまるごと変わります。まだ動けるのだと証明してくれるからです。ぜんぶをお手玉しているあいだではなく、最初のひとつを終えた瞬間に、勢いが戻ってきます。
ペースだけでなく、基準も下げる
いっぱいいっぱいの瞬間を小さくするいちばんの近道は、その場で、何を丸ごと手ばなすかを決めることかもしれません。片づいた台所、栄養満点のごはん、落ち着いた退場、鳴りつづけるスマホ。今だけはその基準を丸ごと下ろしていい、と自分に許すと、ひとつの決断で、ぶつかりあう用事がいくつも消えます。手ばなす用事が何であれ、子どもと自分の落ち着きを守ることのほうが、ほとんどいつも大切です。
子どものサインを道しるべに
その瞬間にいちばん大事なのは、用事ではなく、親に落ち着きでいてほしい子どもであることがよくあります。こわがっている子、気持ちが高ぶって手がつけられない子は、たいてい、何かを実際に片づける前に、親のどっしりしたそばにいることを必要としています。優先順位に迷ったら、まず子どもの気持ちの必要にこたえると、場全体が落ち着いていくことが多く、そのあとの実務も、ひとつずつずっと片づけやすくなります。
落ち着いたら、ふり返る
波が過ぎたら、短く、やさしくふり返ってみると、次のための勘がみがかれます。本当に大事だったのは何だった?待ってもよかったのに、力を使ったことは何だった?自分に点数をつけているのではありません。こうしたとっさの判断をしなければならない自分の一部を、そっときたえているのです。そうすれば、次に波にのまれたとき、前よりほんの少しだけ、扱いやすく感じられます。
いっぱいいっぱいが、ずっと続くとき
ときどき波にのまれるのは、小さな子を育てるふつうの一部です。でも、いっぱいいっぱいの感覚がたまにではなくほとんど毎日ある、やっていけないとよく感じる、自分や子どもを傷つけてしまうのではとこわくなる、気分の落ちこみや不安や疲れが何週間も続く、という場合は、かかりつけ医や地域の保健師さんに話してみましょう。ずっと続くいっぱいいっぱいは、支えを得るべきサインで、早めにたずねるのがかしこい選択です。
まず安全、それからひとつ
混乱した瞬間に、すべての用事を完璧にさばくことはできませんし、そうでなくていいのです。何がいちばん大事かを決めるときは、危険がないか確かめ、本当の必要をひとつ選び、あとは順番を待ってもらう。そのひとつのはっきりした決断が、パニックを行動に変えます。そしてそれは、使うたびに少しずつ、確かになっていく力です。
ポイント: 波にのまれた瞬間は、まず危険がないか確かめ、いちばん大事な必要をひとつだけ選んで、それだけをする。あとは待ってもらうことが、パニックを行動に変えます。
AAP HealthyChildren, Feeling Overwhelmed with Parenting Demands?