親が体調不良でも子どもの世話は休めない。しんどい一日の乗りきり方

小さな子どもには、病気休暇がありません。熱があっても、鼻水が止まらなくても、片頭痛がしても、おむつも、おやつも、終わりのない「なんで?」も止まってはくれません。体調の悪い日の子育ては、いつもどおりにがんばりぬくことではなく、一日のどの部分をそっと手ばなせるかを、正直に決めることなのです。

今日は「乗りきる日」と受け入れる

最初の切りかえは、気持ちの中で起きます。今日は、バランスのとれた予定も、片づいた部屋も、ためになる遊びもいらない日です。体が回復しているあいだ、みんなが安全で、おなかが満たされていて、まあまあきげんよくいられればいい日です。いつもの基準を下ろすのは、なまけではありません。体調が悪いときの筋の通ったこたえ方です。子どもは、何千日もある中の、だらっとした動画だらけの一日なんて覚えていません。

休めるように、部屋を整える

小さな子は、まわりの空間が区切られているほうが安全です。必要な物をひとつの部屋に集めましょう。おむつ、おしりふき、水、準備のいらないおやつ、少しのおもちゃや絵本。安全で、たいくつで、目の届く部屋があれば、家じゅう2歳の子を追いかけるかわりに、近くで横になれます。赤ちゃんなら、ベビーベッドやベビーサークルがあれば、心配せずに少し目を閉じられます。ふだんならとびあがって取りに行くような物は片づけておき、誰かに連絡するときのために、充電したスマホを手の届くところに。動かなくてすむほど、体は回復に専念できます。

どの用事も、手間を減らす

体調の悪い日に子どもの世話をするときは、何でも「元気のいらない版」をさがしましょう。冷たい食べものも、ちゃんとした食事です。レジャーシートでのピクニックごはんなら、テーブルを片づける必要もありません。一日じゅうパジャマでもかまいません。ふだんはひかえめにしているかんたんなことにも「いいよ」と言い、限られた力は、授乳、おむつ、なぐさめなど、本当に親が必要な用事のためにとっておきましょう。

時間を乗りきる手順

  • 子どもにとって安全な部屋をひとつ決めて、そこにいる。
  • みんなの手の届くところに、水とかんたんなおやつを。
  • 動画やかんたんな食べものは、いつもより多めでいい。
  • 子どもが落ち着いているときは、少しでも休む。

自分の症状を、ちゃんと手当てする

症状とたたかいながらだと、それだけで手いっぱいです。手当てしたほうが、子育てもうまくいきます。水分をとり、痛みや熱には、自分に合っているならアセトアミノフェンやイブプロフェンを、箱の説明どおりに適切な量で使いましょう。がんばりぬくより、休めるときに休む。気力だけで走るすり減った親より、少し回復した親のほうが、子どもにとってずっと助けになります。

早めに助っ人をよぶ

追いつめられてからではなく、その前に助けをたのみましょう。パートナーに少し早く帰ってきてもらう、午後だけ祖父母に来てもらう、近所の人に上の子を1時間公園に連れていってもらう。どれも立派な助けです。別々に暮らす親と子育てしているなら、どれだけしんどいか、はっきり伝えましょう。たいていの人は助けたいと思っていますが、今日は大変な日なのだと、はっきり言われる必要があるのです。

子どもを近くに、おだやかに

体調の悪い日は、子どもが求める近さにさからうのをやめて、むしろそれに身をまかせたほうがうまくいくことがよくあります。ソファでいっしょに見る映画、横になって読む絵本、毛布の下での静かな抱っこ。体はほとんど使わずに、親を求める子どもの気持ちにはこたえられます。ゆっくりで刺激の少ないいっしょの時間は、体調の悪い親にも、たいくつした子にも、ちょうどいいのです。ソファのそばの絵本のかご、お気に入りの毛布、長めの映画をいくつか。それで、いちばんつらい時間を乗りきれます。子どもが大きければ、小さな物を取ってきてもらいましょう。役に立てる気持ちになれるし、親は立ちあがらずにすみます。誰もこの日に点数をつけたりしません。静けさに身をまかせましょう。

体調が、お世話にどう影響しているかを見る

ふつうの病気なら、ペースを落としてなんとか続けられることがほとんどです。でも、症状のせいで安全に見守ることが本当にむずかしいときは、気をつけてください。赤ちゃんを抱いたまま眠ってしまいそうなほどぼうっとする、子どもを抱いて階段を上がれないほどふらふらする、まったく起きていられない。そんなときに必要なのは、家事の基準を下げることではなく、ほかの大人にいてもらうことです。

自分のために受診したいとき

高い熱が下がらない、胸の痛みや息苦しさがある、症状が急に悪くなっている、脱水のサインがある、思っていたよりずっと長く病気が続いている、という場合は、かかりつけ医を受診するか、夜間や休日なら地域の救急相談の窓口に相談しましょう。症状が重いときは、すぐに119番を。大人がひとりで子どもをみているということは、ひとりでがまんするより、早めに診てもらうじゅうぶんな理由です。

みんな安全、みんな食べた、それで合格

ぐだぐだの一日が一回あっても、あとに残る害はありません。子どもは、今日がいつもどおりに見えることより、親がまた元気になることのほうを、ずっと必要としています。だから、ゆるゆるすごすことを自分にまるごと許しましょう。体調の悪い日の子育ての目標は、これだけです。みんなが安全で、みんなが食べていて、親が少しでも早く回復できるくらい、休めていること。

ポイント: 子どもといて体調をくずした日は、いつもの日ではなく乗りきる日です。空間を区切り、安全に下ろせる基準はぜんぶ下ろし、休めるときに休み、早めに助けをよびましょう。

NHS, How to treat a high temperature at home

WHO, Stress