どなりすぎた一日の終わりに。寝顔を見て反省したら
布団の中で、何度も思いかえしてしまう。大きな声、とがったことば、そのときの子どもの顔。どなり声が止まらなくなってしまう日があり、そのあとの罪悪感はずっしりと重いものです。でも、うれしいことに、うるさくて大変だった一日ひとつで、子どもとの関係が決まってしまうことはありません。どなりすぎた日のあとのリセットとは、終わりのない自分への罰ではなく、やりなおしと、自分をゆるすことと、新しい始まりのことです。
どなったから悪い親、ではない
ほとんどすべての親が、ときには思っているよりどなってしまいます。それはたいてい、愛情や思いやりが足りないからではなく、疲れきって、手いっぱいで、限界をこえて押されたときに起きます。あとで後悔するのは、むしろ心ある親のしるしで、だめな親のしるしではありません。めざすのは、一度も声を荒らげない親になることではなく、それは現実的ではありませんから、気づいて、やりなおして、少しずつどなる回数を減らしていくことです。
子どもとやりなおす
いちばん大切なのは、シンプルなやりなおしで、子どもは驚くほどすなおにそれを受けとってくれます。長い話はいりません。あたたかく正直なひとときがあればじゅうぶんです。「今日はたくさんどなっちゃって、ごめんね。ママ、疲れていらいらしてたの。でも、あなたのせいじゃないよ。大好きだよ」。これで親の威厳が弱まることはありません。人はまちがえるし、責任をとって、つくろうのだと子どもに教える、力強い教えになります。
リセットのための手順
- 子どもに、短く、心からやりなおしを伝える。
- 落ち着いた、くっつく時間でつながりなおす。
- 友だちにかけるのと同じやさしさで、自分に話しかける。
- 明日やわらげられる引き金を、ひとつさがす。
眠る前に、つながりなおす
大変な一日のあとは、少しの落ち着いた近さが、どなり声できしんだきずなを建てなおしてくれます。急がない寝かしつけ、絵本をもう1冊、抱っこ、あるいはただいっしょにすごす静かな時間。嵐は過ぎて、つながりはこわれていないと子どもに伝わります。子どもは安心するとすぐに立ちなおりますし、このやさしいつながりなおしは親の心も軽くします。その日の最後の記憶が、とがったものからあたたかいものに入れかわるのです。
本当に、自分をゆるす
眠れずに自分を責めつづけても、誰の助けにもなりません。明日の子どもにとっては、なおさらです。どなりすぎた日のあとのリセットには、同じ立場の友だちにさしだすような思いやりを、自分にも少し向けることが必要です。親は大変な仕事をしていて、しばしば疲れていて、支えも足りません。大変な日は大変な日で、失敗の証拠ではありません。うずを巻く罪悪感は、親をもっとすり減らし、皮肉なことに、またかっとなりやすくさせるだけです。
何が燃料になったのかを知る
落ち着いたら、責めずに、何が限界をこえさせたのかを見てみると役に立ちます。睡眠が足りなかった?おなかがすいていた?一度にいろいろありすぎた?寝かしつけの攻防や、朝のばたばたなど、特定の火種があった?どなり声は、たいていすり減った親からあふれでたものです。だから、自分の引き金を知ることが、それがまたたまる前に先回りする最初の一歩になります。
明日、引き金をひとつやわらげる
一度にぜんぶはなおせませんが、小さな変化をひとつ選ぶことはできます。夕方が危険地帯なら、流れをかんたんにするか、夕ごはんを早めに。疲れが原因なら、今夜は自分の休息を守る。特定の困りごとでかっとなるなら、前もってもっとやさしい向き合い方を考えておく。現実的な調整ひとつのほうが、もう二度とどならないという大きな誓いより、ずっと効きます。大きな誓いは、最初の大変な日にくずれてしまいがちですから。
自分のための、ガスぬきを
いつも限界ぎりぎりでいなければ、どなる回数を減らすのはずっとかんたんになります。ふだんのストレスを下げる小さなこと、少しのお散歩、温かいお茶とひとりの時間、友だちへのメッセージは、根性よりずっと助けになります。負担を軽くしてくれる支えがあれば、どんなものでも受けとりましょう。自分のタンクを満たすのは、ぜいたくではありません。反射的に反応するのではなく、考えてこたえるための根気をくれるものです。
もっと支えに手をのばしたいとき
誰でもときにはかっとなりますが、自分でおさえられないどなり声が続くなら、しっかり受けとめたほうがいいでしょう。ほとんど毎日どなっていてそれがつらい、その怒りが子どもをこわがらせていると思う、子どもをおびえさせたり傷つけたりしたことがある、気分の落ちこみや不安や疲れがそれを動かしているように感じる、という場合は、かかりつけ医や地域の保健師さんに話してください。早めに手をのばすのは、強い、子どもを守る一歩で、失敗を認めることではありません。
戻ってきて、つくろう親でいる
どなりすぎた一日は、一日であって、親としての判定ではありません。どなりすぎた日のあとは、子どもとやりなおし、つながりなおし、自分をゆるし、小さなことをひとつ変えましょう。子どもに必要なのは、一度もまちがえない親ではありません。戻ってきて、つくろって、また挑戦しつづける親です。そしてそれを、あなたはもうしています。
ポイント: どなったことで、親子の関係が消えることはありません。心から子どもとやりなおし、つながりなおし、自分をゆるし、完璧を誓うかわりに引き金をひとつやわらげましょう。