子どもにイライラが爆発しそうなとき、その手前でできること

どの親も、あの感覚を知っています。あごがこわばり、声がだんだん高くなり、目の奥に熱い圧がたまって、あと数秒で後悔することをどなってしまいそうになる。でも、イライラが爆発しそうなその瞬間は、もう戻れない地点ではありません。それは警告ランプです。気づけるようになれば、できることはたくさんあります。

怒りは失敗ではなく、情報

子どもにはげしく腹が立っても、悪い親になるわけではありません。疲れて、手いっぱいで、何度も押されている、ひとりの人間だというだけです。怒りは、余力が少なくなってきたというふつうのサインで、性格に欠点がある証拠ではありません。めざすのは、怒りを一度も感じないことではありません。押し流される前に、次にどうするかを選べるくらい早く、それに気づくことです。

自分の前ぶれを知る

かっとなるのは、なにもないところからではないのが普通です。たいていは、たまっていく流れがあります。かみしめたあご、短くなる口調、浅い息、最初の皮肉なひと言。自分ならではの前ぶれに気づきはじめましょう。流れのより早い段階で、爆発しそうだと気づけるほど、かっとなる以外のことをする余地が広がります。ふっとうしてからより、ぐつぐつのうちにつかまえるほうが、ずっとかんたんです。

爆発しそうな瞬間の手順

  • 反応する前に、いったん止まって、ゆっくりひと呼吸。
  • 子どもが安全なら、体ごと一歩下がる。
  • 感じていることを、心の中で、あるいは声に出してことばにする。
  • 子どもへの要求だけでなく、自分への要求も下げる。

数秒をかせぐ

圧がぐんと上がったとき、いちばん役に立つのは、感じることと行動することのあいだの、小さなすきまです。口を閉じて、ゆっくり息をはく。静かに「ちょっと待ってね」と言う。子どもが安全なら、30秒だけ、戸口や流しや隣の部屋へ。その短い間で、怒りの最初の波がピークを過ぎていきます。そして、最初の波こそが、ほとんどいつもいちばん危ないのです。

声だけでなく、基準を下げる

怒りの正体は、実は無理な状況であることがよくあります。料理をして、メッセージに返事をして、2歳の子を落ち着かせる。それをぜんぶ一度にやろうとしているのです。子どもをもっと強く押すかわりに、その瞬間のプレッシャーを取りのぞきましょう。コンロの火を止める。スマホを置く。散らかりは待ってもらう。爆発しそうなときは、自分に求めていることを下げるほうが、子どもに何を言うより早く、熱を冷ましてくれることがよくあります。

少なく、低い声で

熱くなっているときは、ことばは少ないほど安全です。歯をくいしばりながらの長いお説教は、たいてい、みんなをもっとヒートアップさせます。話すなら、短く、声を大きくするのではなく小さくしましょう。静かな「今、怒りすぎて話せないから、ちょっと待ってね」は、力強いお手本になります。大きな気持ちは、爆発させずに扱えるのだということ。まさに、子どもに学んでほしいことです。

どなってしまったら、やりなおす

いつも間に合うわけではありません。それは大惨事ではありません。いちばん大切なのは、そのあとに何が起きるかです。シンプルなやりなおしが、大きな力になります。「どなっちゃって、ごめんね。すごくいらいらしてたけど、あなたのせいじゃないよ」。これで親の立場がくずれることはありません。人はまちがえ、それを認めて、つくろうのだと子どもに教えます。こじれたことより、やりなおしのほうが大切なのです。

大変な瞬間のあいだに、タンクを満たす

根気は、あるかないかの性格ではありません。疲れ、空腹、ストレス、孤立で減っていき、休み、食事、支え、小さなひと息で満ちていく資源です。いつも限界ぎりぎりなら、本当の解決は、もっと根性を出すことではありません。もっと眠り、もっと手を借り、かかえるものを減らすことです。自分の基本的な必要を守ることは、ぜいたくではなく、子育ての仕事のひとつです。

支えに手をのばしたいとき

誰でもときにはかっとなります。でも、ほとんどいつも怒っている、子どもを傷つけたことがある、または傷つけてしまいそうでこわい、怒りがおそろしい、おさえられないと感じる、気分の落ちこみや不安や疲れがそれをあおっている、という場合は、かかりつけ医や地域の保健師さんに話してみましょう。秘密は守られますし、支えはあります。早めに手をのばすことは、家族を守るためにできる、いちばん大切なことのひとつです。

怒りは、感じて扱えるもの

怒りを一度も感じないとは約束できません。でも、それに気づいて、こたえ方を選ぶ習慣は育てられます。前ぶれに気づき、数秒をかせぎ、要求を下げ、うまくいかなかったらやりなおす。爆発しそうな瞬間を少しずつ上手に扱えるようになるたびに、強い気持ちはこわがるものではなく、感じて扱えるものなのだと、子どもに見せているのです。

ポイント: 怒りは失敗ではなく、警告ランプです。自分の前ぶれを知り、数秒間をおき、自分へのプレッシャーを下げ、どなってしまったら落ち着いてやりなおしましょう。

NHS, Anger management

UNICEF, How to reduce stress as a parent