きょうだいが同時に「ママ!」。ふたりに呼ばれたときの対応
赤ちゃんがおっぱいやミルクをほしがって泣きだしたちょうどその瞬間に、2歳の子が転ぶ。そしてふたりとも、同じ切実な期待をこめて親のほうを向く。親はひとり、小さな人はふたり、同じ瞬間にふたりにまるごと向き合う方法はありません。きょうだいに同時に必要とされる瞬間は、ふたり以上の子を育てるなかで、いちばんよくあって、静かにストレスのたまる現実のひとつです。
ふたつに分かれられなくて、大丈夫
まず、無理な基準を手ばなしましょう。ふたつの必要に同時に、完璧にこたえることは、もともと求められていません。ひとりの人には誰にもできないからです。めざすのは、子どもを一度も待たせないことではなく、時間をとおして公平にこたえ、どちらの子も受けとめてもらえていると感じられるようにすることです。どちらかが1分待つこともある、と受け入れるだけで、肩の荷が驚くほど軽くなります。
本当の必要で、すばやく判断する
その瞬間、今いちばん急いで親が必要なのは誰かを、さっと読みとりましょう。待てない新生児、けがをしていたり危ない状態だったりする子が先です。おやつがほしいといういらいらしたお願いは、2分なら待てます。これはひいきではありません。看護師さんがするのと同じ判断で、さけび声の大きさではなく、必要の大きさに合わせてこたえているのです。
ふたつの方向に引っぱられたときの手順
- どちらの必要が本当にいちばん急ぎか、すばやく判断する。
- その必要にこたえながら、もうひとりにも声に出して気持ちを向ける。
- 待っている子には、すきまをつなぐ係やなぐさめを。
- すぐに、ちゃんと戻る。そうすれば、待つことが公平に感じられる。
待っている子に、ちゃんと気づく
待たなければならない子は、無視されるより、見てもらえているほうが、ずっとうまく乗りこえられます。少しのことばでじゅうぶんです。「聞こえてるよ。今、弟を助けてて、次はあなたのところに行くからね」。きょうだいに同時に必要とされたとき、次は自分の番で、忘れられていない、と言ってもらえるだけで、それにかかる1分のあいだ、子どもが持ちこたえられることはよくあります。
できるときは、ひとつの動きでふたつの必要に
少し工夫すると、ふたりに同時にこたえられることもあります。片側で赤ちゃんに授乳しながら、反対側の2歳の子に絵本を読む。そばのマットで赤ちゃんが起きたままうつぶせの練習をしているあいだに、けがをした子を抱っこしてなぐさめる。いつもうまくいくわけではありませんが、重なりをさがしてみると、綱引きが、思っているよりよく、いっしょの時間に変わります。
上の子に、役目を
上の子は、親を取りあう側から、親を助ける側に回れます。それで、自分は大切だと感じたい気持ちも満たされます。「ガーゼ取ってくれる?」「おむつ替えるあいだ、赤ちゃんにお歌うたってあげて」。待つことが、役に立つことに変わります。本当に自由参加にして、決して重い負担にはしないこと。それでも、小さな助手になるのが大好きな子はたくさんいますし、家族とはみんなで力を出しあうものだと、そっと教えてくれます。
自分の罪悪感をやわらげる
どちらの子にも足りていない、という低くずっと続くうなりは、くたくたにさせるうえ、たいていは根拠がありません。ときには待つことがあり、親がきょうだいの本当の必要にこたえる姿を見ている子は、待つ力、思いやり、そして愛情は奪いあって独り占めする足りないものではないのだと学んでいます。せいいっぱいやっているひとりの人であることで、誰もこわしてはいません。家族というものが実際どう回っているのかを、教えているのです。
できるところで、1対1を組みこむ
いっしょの時間のプレッシャーは、それぞれの子がほかのときに少しでも親をひとり占めできると、やわらいでいきます。たくさんでなくていいのです。寝る前の10分をひとりと、ちょっとしたおつかいをもうひとりと、一日の始まりに抱っこを。まるごとの時間が定期的にあると、昼間の取りあいはそれほど大きなことではなくなります。どの子も、ほかの場面で満たされているからです。
もう少しよく見てもいいとき
きょうだいが親を取りあうのはまったくふつうのことで、たいていは育つにつれておさまっていきます。でも、張りあいが心配になるほどひんぱんな乱暴になる、ひとりの子がずっと引きこもりがち、いつになくべったり、絶えない要求で親がやっていけないと感じている、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけ医に話してみましょう。もっと大きな全体のための支えはありますし、たずねるのは筋の通ったことです。
にぎやかな1分より、一日の公平
一度にふたつの場所にいることは決してできませんし、子どもたちも、本当はそれを必要としていません。きょうだいに同時に必要とされたときは、いちばん大きな必要に先にこたえ、もうひとりも見てもらえて安心できるようにし、そして、にぎやかな1分のバランスより、一日をとおしての公平のほうがずっと大切だと信じてください。
ポイント: 一度にふたつの必要にはこたえられません。いちばん急ぎのものを判断し、待っている子にも気づいて安心させ、その瞬間ではなく、一日をとおしての公平をめざしましょう。
NHS, Dealing with child behaviour problems
AAP HealthyChildren, Feeling Overwhelmed with Parenting Demands?