寝る子は育つ?睡眠と子どもの成長の関係
「寝る子は育つ」という昔からのことわざには、本当のことがふくまれています。子どもが布団で丸くなっているあいだ、体はいちばん大切な成長の仕事のいくつかをしています。睡眠がどう成長を支えているのかがわかると、寝かしつけは勝たなければならない家事ではなく、すくすく育つ子を育てる大切な一部に見えてきます。
成長ホルモンとのつながり
体の成長ホルモンの多くは、深い眠りのあいだ、とくに夜の前半に出ます。成長ホルモンは骨を伸ばし、体の組織をつくるはたらきをするので、睡眠の質と量は、本当に子どもの体の成長につながっています。「寝る子は育つ」がただのことわざ以上である、いちばんはっきりした理由の一つです。
身長だけの話ではありません。睡眠は、体が筋肉を修復し、学んだことを定着させ、免疫をととのえる時間でもあります。よく休めた子は、育ちやすく、1週間ほど体重を止めてしまうせきやかぜにも負けにくく、日中も元気に動けます。
子どもに必要な睡眠
必要な睡眠は子ども時代のなかで急速に変わり、一人ひとり少しずつ違いますが、一般的な目安は役に立つ見取り図になります。おおまかには、こうです。
- 幼児は、夜のまとまった眠りに加えてお昼寝が必要で、合わせると一日のかなりの部分になることが多い。
- 幼稚園・保育園に通う年ごろの子は、全体として少し短くなり、この時期のどこかでお昼寝をしなくなる子が多い。
- 小学校低学年の子も、休めた気分で元気に育つには、しっかりした夜の眠りが必要。
これらは目安で、分単位で守らせる目標ではありません。すっきり目覚め、日中ずっと元気で機嫌がよく、着実に育っているなら、表より少し多くても少なくても、必要な睡眠はとれている可能性が高いのです。
もっと眠りが必要かもしれないサイン
忙しい今の暮らしでは、睡眠はすぐに削られがちなので、少し足りないときのサインを知っておくと役に立ちます。疲れている子は、目に見えて眠そうというより、いらいらしたり、泣きやすかったり、はしゃぎすぎたりします。かんしゃくがふえる、集中できない、甘えがふえる、朝なかなか起きられない、といった様子に気づくかもしれません。睡眠不足が続くと、食欲や気分にも影響し、それが食べることや成長にも響くことがあります。
こうしたサインが重なっているなら、もう少したくさん、もう少しよく眠れるようにやさしく守ってあげると、1〜2週間で変わってくることがよくあります。目指すのは完璧ではなく、子どもが気分よく、すくすく育つのに十分な、いつも同じような休息です。
眠りやすくなる毎日の流れ
子どもを無理に眠らせることはできませんが、眠りを誘う条件を整えることはできます。穏やかで予測できる寝る前の流れが、仕事のほとんどをしてくれます。
- 寝る時間と起きる時間は、週末もだいたい同じにする。
- お風呂、歯みがき、絵本、だっこなど、短くて心が落ち着く流れを、毎晩同じ順番で。
- 寝る前の1時間は明かりを落とし、寝室は暗く、静かに、すずしく。
- 画面は寝るよりずっと前に消す。光と刺激が、寝つきを遅らせることがあるため。
- 日中の早い時間に、体をしっかり動かす遊びと日の光をたっぷり。夜のよい眠りにつながる。
毎日同じであることが、目立たないけれど大切な材料です。次に何が来るかを知っている体は落ち着きやすく、よい眠りがついてきます。
お昼寝も大事
小さな子にとって、お昼寝は成長を支える睡眠の一部で、あってもなくてもいいおまけではありません。お昼寝をとばすと、幼児は疲れすぎて、かえって夜に寝つきにくくなることがあります。必要なうちはお昼寝を守り、本当にいらなくなったら少しずつやめていくことで、一日の休息の合計を保てます。
お昼寝を卒業していく時期は、忙しい日や成長スパートの日に、短く静かに休む時間がつなぎになります。しばらく少し余分に眠りが必要そうなことにも、気づくかもしれません。
相談したい睡眠の様子
ときどき寝つけない夜があるのは子どもにはふつうのことですが、いくつかのパターンは、保健師やかかりつけの小児科医に相談する価値があります。よく大きないびきをかく、眠っているあいだに息が止まるように見える、あえぐ、起こすのがとてもむずかしい。これらは休息にも成長にも影響することがあります。くたくたになるほどの強い睡眠の悩みが続き、食べること、気分、発達に影響している場合も相談しましょう。
睡眠不足と同時に、成長が伸びなやむ、食欲がない、元気が戻らない、といった様子があれば、成長について気づいたことといっしょに伝えましょう。自分で解決しなくて大丈夫です。専門家が全体を見て、実際的な手だてを考えてくれます。
睡眠に、仕事をまかせる
よい睡眠の恵みを子どもに届けるのに、時計とにらめっこする必要はありません。寝る時間をだいたい規則正しくし、穏やかな流れをつくり、必要なうちはお昼寝を守り、日中は体を動かす遊びと日の光で満たす。育つ部分は、体が自分で、静かに、毎晩こなしてくれます。
こう見れば、睡眠は親が持っている、いちばんやさしい道具の一つです。よい休息は、背が伸び、じょうぶで、立ちなおる力のある子を支えてくれます。そしてそれにかかるのは、いつもの流れと穏やかな夜だけです。
ポイント: 成長ホルモンの多くは深い眠りのあいだに出ます。いつも同じ、十分な休息が成長を支え、規則正しい流れが助けになります。大きないびきや息が止まる様子があれば相談を。
NHS, How much sleep do children need?
WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5