親が小柄だと、子どもも小柄?家族で似る身長のパターン
両親ともに小柄なほうだと、成長曲線でわが子が下のほうにいるのを見て、不安になることがあります。友だちに意外そうな顔をされたり、健診のパーセンタイルが判決のように感じられたり。でも多くの場合、理由はとてもシンプルです。小柄な親と小柄な子の家族の成長パターンを正直に見てみると、いちばん多くを語っているのは遺伝です。
身長は、強く受けつがれる
家族のなかで受けつがれる特徴のなかでも、身長はもっとも予測しやすいものの一つです。子どもがどのくらいの背になるかの大部分は、両親から受けつぐ遺伝子で決まります。だから子どもは背の高さで親に似やすく、小柄な親の子が、まったく健康なまま小柄であることはよくあります。
医療者は、両親の身長から、子どものだいたいの目安の範囲を見積もることさえあります。目標身長(両親の身長から求める目標身長)と呼ばれるものです。受けついだ範囲に向かって育っている子は、それがどのパーセンタイルになっても、まさにその子の体が予定しているとおりに育っています。低めの線は体格の説明で、問題のしるしではありません。
自分の線にそって進む
小柄な親と小柄な子の家族の成長パターンのいちばん安心できる考えかたは、健やかな成長とは成長曲線のまんなかに届くことではなく、自分のパーセンタイルにそって着実に進むことだ、という点です。何年も9パーセンタイルにそって進み、今もそこを進んでいる子は、ちゃんと育っています。線がページのどの高さにあるかより、線が安定していることのほうがずっと大切です。
子どもはたいてい、印刷された曲線とだいたい平行に、遺伝子が描いた道をたどって育ちます。小柄な親の子なら、その道は早いうちから低めのパーセンタイルにそって続くことが多く、そこにとどまっていることこそが、望ましい健やかな結果なのです。
家族性低身長
医師は、このよくある姿に、やさしい名前をつけています。家族性低身長、または遺伝的な低身長です。家族が小柄だから子どもも小柄、という意味にすぎません。こうした子はふつう、ふつうの速さで育ち、低めだけれど安定したパーセンタイルにいて、ふつうの時期に思春期をむかえ、両親に見合った大人の身長になります。
伸びる速さがふつうなので、成長曲線には下がっていく線ではなく、着実な線が描かれます。これが、健やかな家族のパターンと、調べる必要のある何かを分ける、いちばん大事な特徴です。子どもは小さくても、健やかな速さで育っているのです。
体質的な成長の遅れ、いわゆる「おくて」
知っておくとよい関連のパターンに、体質的な成長の遅れ、いわゆる「おくて」があります。まわりの子より小さく、思春期も遅めに来ることがありますが、そのぶん長く伸びつづけ、10代で追いつきます。家族のなかで似ることが多いので、自分もおくてだった親なら、思いあたるかもしれません。
おくての子は、子どものころは心配になるほど小さく見えても、自分の時間割で、まったくふつうの大人の身長になることがあります。両親の成長のようすを伝えると、医療者がこのパターンに気づいて、安心させてくれる助けになります。
どんな身長でも、健やかな成長を支える
遺伝子は設計図を描きますが、毎日の暮らしが、体がそれにそって育つのに必要なものを届けます。十分なエネルギーと大切な栄養のある、いろいろな食事。成長ホルモンは深い眠りのあいだに出るので、規則正しい睡眠。そして体を動かす遊び。どれも、子どもがその子の力を発揮するのを支えます。遺伝にさからって小柄な子を背高にするものではありませんし、その必要もありません。目指すのは、自分の線にそって着実に育つ、健やかな子です。
子どもの自信を守ることも助けになります。小さめであることは人のふつうの多様さの一つで、子どもは親の様子から手がかりを受けとります。身長はどちらでもない事実として扱い、からだにできることを喜び、不安なくらべっこをさけることが、小柄な子が自分を心地よく感じる助けになります。
よく見てもらいたいとき
家族のパターンは安心材料ですが、パターンが変わることこそが、相談のサインです。時間をかけて身長がパーセンタイルの線を2本以上またいで下がる、何か月にもわたって伸びが止まっているように見える、背が低いことに加えて体重の増えが悪い、元気がない、長く続く病気がある、発達の目安が遅れている。こうしたときは、保健師やかかりつけの小児科医に相談しましょう。
家族のパターンから予想されるよりずっと小さい、自分の線にそうのではなく線から離れていく、伸びがとてもゆっくり。そんな子は、みてもらう価値があります。医療者なら正確に測り、成長の記録と両親の身長を見て、遺伝以外に確かめることがあるかどうかを判断してくれます。たいていの場合、安心させてもらえます。
家族のパターンを信じる
小柄な家族の多くにとって、小さめの子は、長く健やかなおはなしの次の章にすぎません。大事なのは、クラスでいちばん背の高い子と同じかどうかではなく、ふつうの速さで育っているか、自分のパーセンタイルにそって進んでいるか、元気、食べること、発達ですくすくしているか、です。
そう見れば、小柄な親と小柄な子の家族の成長パターンは、心配ごとというより、わが子のなかに自分たちの家族の歴史を見つけることになります。流れを見て、基本を支え、自信を守り、本当にパターンからはずれることだけ、専門家に確かめてもらいましょう。
ポイント: 小柄な親の子は、ふつうの速さで低めのパーセンタイルにそって進む、まったく健康な小柄な子であることがよくあります。線が下がっていく、ほかの症状がある、というときに相談を。