子どもの成長の変化、医師に相談したほうがいいのはどんなとき?
子どもの成長曲線の上がり下がりは、たいていはふつうの暮らしそのものです。こちらで成長スパート、あちらでひと休み、かぜのあいだに下がって2週間後には戻る。でもときどき、専門家に見てもらう価値のある変化があります。子どもの成長のパターンの変化を、どんなときに医師に相談すればいいかを知っておくと、ふつうのことには落ち着いていられ、本当のことにはちゃんと動けます。
ふつうのゆれと、本当の変化
まず心にとめておきたいのは、1回だけの変わった値が心配の理由になることはめったにない、ということです。成長はもともとでこぼこ進むもので、1回の測定には誤差がつきものです。大切なのは、何回かのていねいな測定で、時間をかけて見える、その子自身のパターンの続いた変化です。
子どもはたいてい、自分のパーセンタイルにそって進みます。気にとめたい変化とは、いつもの範囲のなかでゆれるのではなく、その線がこれまでの道からはっきり離れていくときです。それが、成長のふだんの手ざわりと、医師に相談する価値のある成長のパターンの変化との違いです。
相談したい成長のサイン
成長曲線の上で、相談するきっかけとしていちばんはっきりしているパターンがいくつかあります。次のようなことに気づいたら、保健師やかかりつけの小児科医に相談しましょう。
- 時間をかけて、体重や身長がパーセンタイルの線を2本分以上またいで下がる。
- 身長や体重の伸びが横ばいになり、長いあいだ平らなまま。
- ずっと着実に進んでいたあとの、理由のわからない急な変化。
- 体重と身長が大きく離れていく。たとえば身長は伸びないのに体重だけ急に増える、またはその逆。
- 小さな赤ちゃんが生まれたときの体重に戻らない、新生児期のあとに体重が減っている。
どれも、1つの点だけでなく、流れそのものが変わったことを示していて、それこそ医療者が見たいものです。
ほかの症状をともなう成長の変化
成長の変化は、ほかのサインといっしょに現れると、より大切になります。伸びがゆっくりになる、伸びなやむことに加えて、次のようなことがあれば相談しましょう。
- ふつうの好き嫌いの時期を過ぎても続く、食欲のなさや、飲むこと、食べることのむずかしさ。
- 元気がない、いつもと違う疲れやすさ、全体に具合が悪そう。
- よく病気をする、おなかの不調が続く、下痢や嘔吐。
- 発達の目安に届かない、できていたことができなくなった。
- のどがひどくかわく、おしっこの回数がとても多い、そのほかの新しく続く症状。
成長は体全体の健康をとても敏感に映すバロメーターなので、こうしたサインをともなう変化は、変化だけのときより早めに見てもらいましょう。
速すぎる、早すぎる成長
みてもらう価値があるのは、ゆっくりな成長だけではありません。身長が加速してパーセンタイルの線を上に横切っていく、両親どちらともかけ離れた伸びかた、小さな子に思春期の早いサインがある、といったときも、みてもらう価値があります。ゆっくりな成長と同じく、大事なのは、成長曲線のどこかに安定していることではなく、これまでのパターンからのはっきりした変化です。
自分の直感も信じて
成長曲線もパーセンタイルも役に立ちますが、子どものことをいちばん知っているのは親です。何かおかしい気がする、いつものその子らしくない、すくすくしていない、どうしても心配がぬぐえない。それだけで、聞いてみる十分な理由になります。教科書どおりのパターンを待ったり、完璧なデータを集めたりしてから相談する必要はありません。保護者の心配は受診の予約をするちゃんとした理由で、専門家は、親がひとりで心配しているより、安心させるほうをずっと望んでいます。
受診のときに持っていきたいもの
少し準備しておくと、相談がもっと役に立つものになります。手もとにあると便利なもの。
- 子どもの成長の記録。母子健康手帳でも子育てアプリでも。医師が1つの点ではなく線全体を見られるように。
- ふだんの1週間に何を食べているか、食欲がどう変わったかの、だいたいのメモ。
- ほかに気づいた症状と、いつごろ始まったか。
- 家族の成長のようす。両親やきょうだいがおくてだったか、小柄か背が高いか、など。それだけで多くのことの説明がつくことがあります。
全部を完璧に記録しておく必要はありません。日付のある測定がいくつかと、見たことのはっきりした説明があれば、医師にとってよい出発点になります。
医師がすること
何が起きるかを知っておくと、緊張がやわらぎます。医療者はたいてい、正確に測り、成長曲線に描いて流れを見て、食べること、症状、家族のことをたずね、診察します。多くの場合、それで、その変化がふつうの個人差だと安心させてもらえます。必要なら、流れを見るために数か月後にもう一度測る予定を立てたり、かんたんな検査をすすめたりすることもあります。成長の心配のほとんどは、シンプルで、治療できるか、まったく心配のない理由に行きつきます。
落ち着いて、ちゃんと動く
目指したいバランスは、不安で測りすぎることでも、本当のサインを見すごすことでもありません。日付のある記録を気軽につけ、1回の値ではなく流れを見て、相談が必要な少しのパターンと症状を知っておく。成長のパターンの変化をいつ医師に相談するかは、ほとんどの場合、続いた変化とふつうのゆれを見分けることです。それが現れたら、あわてずに予約をとり、持っているものを持っていき、専門家に読みといてもらいましょう。
こうすれば、いつ医師に相談するかは、いつも続く心配ではなく、はっきりした、扱いやすい判断になります。そしてたいていの場合、受けとる答えは安心できるものです。
ポイント: パーセンタイルの線を横切る続いた変化、長い横ばい、ほかの症状をともなう成長の変化は相談を。日付のある記録を持っていき、直感を信じて。たいていは安心につながります。