3歳から5歳の成長スパート、親が気づくサインと成長痛
3歳から5歳の幼児期になると、成長は、目まぐるしかった最初の1年より落ち着いたリズムになります。でも、まったく平らになるわけではありません。3歳から5歳のあいだも、子どもは身長と体重をでこぼこと波のように増やしていき、その波が食欲や睡眠、ときには気分まで動かします。幼児期の成長スパートで気づきやすいサインを知っておくと、あわただしい1週間を、問題ではなく、ふつうの成長として受けとめられます。
全体にはゆっくり、それでもでこぼこ
幼児期の子は、1年に数センチの身長と、ほどほどの体重を増やすのがふつうで、赤ちゃんのころよりずっと少なく、しかも伸びたり止まったりしながら増えていきます。成長曲線がまったく動かないような静かな時期のあとに、ズボンのすそが短くなり、くつがきつくなる2週間がやってくることもあります。このでこぼこはまったくふつうのことで、体の中で成長がそういう段取りで進んでいるだけです。
ペースがおだやかになった今は、成長スパートのサインも、赤ちゃんのころのはっきりした変化よりわかりにくいことがよくあります。見るのは、1つの大きなジャンプではなく、小さな変化がいくつか重なっていることです。
気づくかもしれないサイン
幼児期の成長スパートでは、たいてい次のうちいくつかが同時に見られます。
- いつもよりおなかがすく時期があり、食事でおかわりをしたり、おやつをしょっちゅう欲しがったりする。
- 体が成長しているあいだ、眠りが深くなる、少し長く寝る、寝つきがよくなる。
- 1か月前にはちょうどよかった服やくつが、急に短く、きつく感じる。
- 成長痛。夕方や夜に足が痛むことが多く、だっこやさすってあげると落ち着く。
- 体の変化に慣れようとして、気分の波が大きくなる、いつもより疲れやすい、甘えん坊になる。
こうした様子は、たいてい1〜2週間ほど続き、そのあといつもの落ち着いた状態に戻ります。
成長痛について
幼児期の子の多くが、いわゆる成長痛を経験します。足、たいていはふくらはぎ、太もも、ひざの裏がずきずき痛むもので、夕方遅くや夜に起こることがいちばん多いものです。害はなく、たいてい両足に起こり、朝には治っていて、子どもはいつもどおり遊んでいます。
あたたかいお風呂、やさしいマッサージ、安心させる声かけが、たいてい助けになります。いつもの成長痛と違うのは、片足だけが痛む、足を引きずる、はれている、赤い、熱がある、日中も痛みが続く、といった場合です。本当の成長痛は足を引きずったり体調をくずしたりはしないので、こうしたサインがあれば、かかりつけの小児科医に相談しましょう。
食欲は、行ったり来たり
幼児期の食欲は、変わりやすいことで知られています。成長スパートでぐんと上がり、そのあとまた好き嫌いの多い時期に戻ることもあります。どちらの方向もふつうです。いちばん安定したやりかたは、規則正しくバランスのよい食事とおやつを出し、どれだけ食べるかは子どもに選ばせ、食べることを戦いにしないことです。
毎食の完璧なお皿より、1週間を通しての多様さを目指しましょう。果物、野菜、乳製品、全粒の穀物、たんぱく質の食べものを何日かかけてとれば、成長スパートを支えるには十分です。プレッシャーやごほうびでつるのはたいてい逆効果で、のんびりした食卓のほうが、子どもが自分の空腹に気づきつづける助けになります。
伸びる時期の睡眠を守る
幼児期も睡眠は成長を支えています。その理由の一つは、成長ホルモンが深い眠りのあいだに出るからです。成長スパート中の子は、いつもより疲れて見えたり、すぐに眠ったりすることがあり、それは大事にしてあげたいところです。寝る時間と、気持ちを落ち着ける寝る前の流れをいつも同じにし、忙しい週でもその流れを守るようにしましょう。
幼児期の子の多くは、夜にしっかり眠る必要があり、短いお昼寝や静かに休む時間があることもあります。しばらくのあいだ、急にもう少し眠りが必要になったら、そうさせてあげることが、今見ている成長を支えます。
少し相談したいとき
成長スパートそのものは治療するものではありませんが、いくつかのパターンは、かかりつけの小児科医や地域の保健師、乳幼児健診の場で相談してみる価値があります。少し止まるだけでなく、時間をかけて成長曲線のパーセンタイルの線を下に横切っていく、身長や体重が長いあいだ横ばいになる、食べる量が減ると同時に体重が減る、ぐったりしている、よく病気をする、吐く、発達の目安に届かない。こうしたときは相談しましょう。
足の痛みについては、片側だけ、足を引きずる、はれ、赤み、熱っぽさ、発熱がある、毎晩目をさますほどで日中も残る、といったときに相談を。そして、成長スパートの途中というより全体に具合が悪そうに見えるなら、その直感を信じて聞いてみましょう。先に原因をつきとめる必要はありません。
落ち着いて受けとめる
成長スパートは、幼児期のなかでも、うれしいほうの「いつもと違う」です。何日か元気よく食べ、よく眠り、お気に入りのセーターが小さくなり、そしていつものリズムに戻っていく。親がすることは、よい食事を出し、睡眠を守り、痛む足をさすり、服やくつがきつくなったらサイズを上げるくらいです。
こう見れば、幼児期の成長スパートのサインは、心配のチェックリストではなく、安心できる合図になります。子どもは自分の時間割で育っていて、この小さな波こそが、何年もかけて幼児期の着実な成長を積みあげていくのです。
ポイント: 幼児期の成長も、食欲がふえる、よく眠る、服が小さくなる、という波でやってきます。害のない成長痛は両足に起こり、片側の痛み、足を引きずる、発熱があれば相談を。