幼児が急によく食べる、よく寝る。成長スパートのサイン
ある週は昼ごはんにほとんど手をつけなかったのに、次の週はおかわりをして、親のお皿までねらっている。ズボンが一晩で短くなったように見え、急にくたくたになって寝る時間がどんどん早くなる。こうした変化は、成長スパートのことがよくあります。幼児の成長スパートで親が気づくのは、たいてい1つの劇的なサインではなく、小さくて一時的な変化がいくつか重なったものです。
成長スパートとは
最初の1年の急な成長のあと、幼児はもっとゆっくり、でもやはり波のように育ちます。成長スパートとは、体がいつもより速く身長や体重を増やす短い期間のことで、そのあとまた静かなペースに戻ります。この波は不規則で予測できないので、どこからともなくやってくるように感じられるのです。
成長は、食べもの、睡眠、ホルモンに支えられているので、成長スパートは食欲や休息にも波紋を広げます。それを知っていれば、サインを直すべきものではなく、ふつうの体の働きとして受けとめられます。
気づくかもしれない変化
まったく同じようにふるまう幼児は二人といませんが、成長スパートでは、次のうちいくつかが同時に見られることがよくあります。
- 数日のあいだ、ときにはきりがないほど食欲が大きくなる。とくにおなかにたまる食べものを欲しがる。
- 体が仕事をしているあいだ、いつもより疲れる、お昼寝が長くなる、夜は早く深く眠る。
- 服やくつが急にきつくなる、おむつのサイズが合わなくなる。
- 体の変化で調子がくるうことがあり、いつもより甘えたり、ぐずったりする。
- 何週間も成長曲線がほとんど動かなかったあと、次に測ったときに目に見える変化がある。
こうした様子は、たいてい1〜2週間で過ぎていきます。いくつかが同時に現れて、そして消えていくなら、いちばん考えられるのは成長スパートです。
食欲の波
成長スパートの食欲はびっくりするほどのことがあり、好き嫌いが多く食欲のない時期のあとに来ることもよくあります。どちらの極端もふつうです。幼児の食欲は成長に合わせて自然に上がったり下がったりするので、ものすごく食べる週のあとに食の細い週が来ても、何かがおかしいわけではありません。
いちばん役に立つのは、家族のふだんの食事を、決まった時間に食事とおやつとして出し、どれだけ食べるかは子どもに決めさせることです。水やお茶はいつでも飲めるようにし、野菜、果物、乳製品、卵、豆、全粒の穀物など栄養のある物を中心に、プレッシャーやごほうびでつることはしないようにしましょう。波のあいだも子どもの食欲を信じることが、この先何年も続く穏やかな食卓の形をつくります。
守りたい睡眠
成長スパートのあいだ、睡眠は多くの親が思う以上に大きな仕事をしています。成長ホルモンの多くが深い眠りのあいだに出るからです。成長期の幼児は、お昼寝が長くなったり、夜すぐに眠ったりすることがあり、その余分な休息は守ってあげたいものです。
寝る時間はだいたい同じにし、寝る前の流れを続け、忙しい日だからといってお昼寝を削らないようにしましょう。1週間ほど、もう少し眠りが必要そうなら、そうさせてあげることが、見守っている成長そのものを支えます。疲れすぎた幼児は寝つきが悪く、食べる量も減りがちなので、成長スパート中に休息を守ると、食欲や機嫌の変化もなだらかになりやすいのです。
心配しすぎなくていいこと
成長スパートのいくつかの面は、ぎょっとするように見えても、たいてい大丈夫です。おなかをすかせた週が好き嫌いの週に変わるのは、ふつうの食欲の波で、食べることの問題ではありません。短いあいだの甘えやぐずりは、子どもが慣れるにつれてたいてい落ち着きます。そして成長スパートの前に成長曲線が平らになるのは、波と波のあいだの静かな時間で、止まってしまったわけではありません。
幼児の成長は、もともと赤ちゃんのころよりゆっくりにできている、と覚えておくのも助けになります。最初の1年のように毎週の変化は見えませんが、そのゆるやかさこそが、本来あるべき姿です。
相談したいとき
成長スパートに害はありませんが、いくつかのパターンは、かかりつけの小児科医や地域の保健師に相談する価値があります。少し止まるだけでなく、時間をかけて成長曲線のパーセンタイルの線を下に横切っていく、体重や身長が長いあいだ横ばいになる、食べる量が減ると同時に、ぐったりしている、病気が続く、よく吐く、体重が減る、発達の目安に届かない。こうしたときは相談しましょう。
ふつうの好き嫌いの時期をずっと過ぎても食欲が戻らない、成長スパートの途中というより具合が悪そうに見える、という場合もみてもらいましょう。何かを診断する必要はありません。食べかた、元気さ、機嫌で見てきたことを話し、成長の記録をつけているなら持っていきましょう。母子健康手帳の成長曲線のページも役に立ちます。
波に、落ち着いてのる
成長スパートには、ゆったり構えるのがいちばんです。プレッシャーなしによい食事を出し、睡眠を守り、服やくつがきつくなったらサイズを上げ、調子が出ないようなら少し多めに甘えさせてあげる。無理に何かをさせる必要はありません。体が自分の時間割で、ちゃんと仕事をしているからです。
こう見れば、幼児の成長スパートで気づく変化は、ストレスのもとではなく、やさしい合図になります。子どもはこの波を通りぬけ、静かな時期に落ち着き、少し大きすぎたくつも、ほどなくぴったりになっていきます。
ポイント: 幼児の成長スパートは、食欲、疲れ、小さくなった服という短い波で現れます。食事と睡眠を支え、長く続く下向きの変化があれば医療者に相談を。