子どもの成長を支える、毎日のふつうの食事

成長のなかで、食べることは親が唯一コントロールできる部分のように感じられます。だからこそ、気持ちがぴりぴりしやすいのです。好き嫌いの多い1週間や、手をつけない夕ごはんが、本気の心配のもとになります。安心できる事実をお伝えすると、子どもがよく育つのに、完璧な食事は必要ありません。毎日のふつうの食事がどう成長を支えているかがわかると、目が向くのは完璧なお皿ではなく、1週間を通したよいパターンに変わります。

育ちざかりの体に、本当に必要なもの

成長は、ふつうの食べものからつくられます。子どもに必要なのは、元気に動きまわる毎日と育つための仕事をまかなうエネルギー、筋肉や体の組織をつくるたんぱく質、そして骨や血液や発達のためのさまざまなビタミンとミネラルです。一つひとつの栄養素を追いかけるより、時間をかけて多様さとバランスをとることが、実際の目標です。そうすれば、大切なものは自然にまかなえます。

毎日の食事がどう成長を支えるかを思いうかべるには、いくつかの頼れる食品群でできたお皿をイメージするとわかりやすいでしょう。エネルギーのための炭水化物、ビタミンと食物繊維のための果物と野菜、体をつくる材料になるたんぱく質の食べもの、そして年齢に合った量の、カルシウムと良質な脂肪のための乳製品やカルシウムを強化した代替品です。

お皿の上の材料

特別な物や高い物はいりません。家族のふだんの好物で十分です。

  • ごはん、パン、めん、じゃがいも、シリアルなどの主食。できれば全粒の物も少し入れて、安定したエネルギーに。
  • いろいろな色の果物と野菜を1週間のなかで。生でも冷凍でも缶づめでも、ビタミン、ミネラル、食物繊維のために。
  • 卵、豆、レンズ豆、魚、鶏肉、肉、豆腐などのたんぱく質の食べもの。成長と体の修復のために。
  • 牛乳と乳製品、またはカルシウムを強化した代替品を、子どもの年齢に合った量で。カルシウムと良質な脂肪のために。

何日かかけてこれらの食品群のなかで回していけば、どの食事も単独で完璧にバランスがとれていなくても、小さな子が育つのに必要なものはすべてそろいます。

とりあげておきたいいくつかの栄養

小さいうちにとくに注目される栄養がいくつかあります。鉄分は、育っていく血液と脳の発達を支え、赤身の肉、豆、レンズ豆、鉄分を強化したシリアル、緑の野菜にふくまれ、果物や野菜のビタミンCが吸収を助けます。カルシウムとビタミンDは骨を支えます。食べものと日光だけでは十分にとりにくいため、多くの国の保健機関が、小さな子に毎日ビタミンDのサプリメントをすすめています。

サプリメントについては、子どもの年齢に合った住んでいる地域の目安を確かめ、わからなければ保健師や薬剤師に聞いてみましょう。こうした小さな追加は、毎日の食事がすでにつくっている成長を後押ししてくれます。

食事、おやつ、量の感覚

小さな子は胃が小さく、必要な量は多いので、大きな3食より、規則正しい食事と、計画したおやつのほうがうまくいきます。食事はだいたい決まった時間に出し、果物、ヨーグルト、チーズ、全粒粉のトーストなど、栄養のある物でおやつを1〜2回入れ、食事と食事のあいだのおもな飲みものは水やお茶にしましょう。

子どもの1回の量は、大人が思うより少なめです。ほどほどの量を盛って、子どもがおかわりを言えるようにするのがよいやりかたです。欲しくなかったお皿をきれいにするのではなく、自分の食欲に耳をかたむけつづけられます。

量は、子どもにまかせる

食べさせることについて、とても役に立つ考えかたの一つが、ゆるやかな役割分担です。何をいつ出すかは親が決める。食べるかどうか、どれだけ食べるかは子どもが決める。これで食事の時間からプレッシャーが抜け、成長スパートで上がり、静かな時期や病気のときに下がる、子どもの食欲の自然な波を尊重できます。

せかす、ごほうびでつる、食べものでさわぎたてる。こうしたことはたいてい逆効果で、食事を戦いに変え、子どもを自分の空腹から切りはなしてしまいます。のんびりした食卓、できるときは家族いっしょに食べること、新しい食べものに穏やかにくり返しふれること。そのほうが、長い目で見た健康的な食べかたと成長に、ずっと役立ちます。

心配しすぎなくていいこと

好き嫌いは、もっともよくある、そしてもっとも危なくない心配の一つです。多くの幼児が、前は好きだった物を食べなくなる、食べる物の幅がせまくなる、食事にほとんど手をつけない、といった時期を通ります。元気で活発で、自分の線にそって育っている子は、ある1日が少なく見えても、1週間を通せばたいてい十分にとれています。

プレッシャーなしにいろいろな物を出しつづけ、親もその食べものを食べてみせ、1皿ではなく1週間のパターンを信じましょう。好き嫌いの時期の多くは、時間と根気でやわらいでいきます。毎日の食事が成長を支えるというのは、まさにこの、着実でゆったりしたくり返しのことで、たった一度の完璧な食事のことではありません。

栄養と成長について相談したいとき

いくつかの状況では、保健師やかかりつけの小児科医に相談する価値があります。時間をかけて体重が成長曲線のパーセンタイルの線を下に横切っていく、成長が横ばいになる、食べないことと同時に体重が減る、元気がない、よく病気をする、発達の目安に届かない。とても限られた食事、のどにつまらせる心配、アレルギーの疑い、長いあいだとても少ししか食べない場合も、相談してみましょう。

何かを診断する必要はありません。ふだんの1週間で何を食べているか、元気さや成長について気づいたことを話し、記録をつけていれば持っていきましょう。

成長のための食事は、シンプルに

成長のためのよい栄養は、ルールより、リズムです。いろいろなふつうの食べものを決まった時間に出し、栄養のあるおやつを1〜2回入れ、すすめられたビタミンがあれば加え、どれだけ食べるかは子どもにまかせる。うまくいっているかは1回の食事ではなく1週間で判断し、本当に気になることは専門家に助言してもらいましょう。

ポイント: 子どもは、完璧なお皿ではなく、1週間を通したいろいろなふつうの食事で育ちます。バランスと規則正しい食事を用意し、量は子どもにまかせ、成長が伸びなやむときは相談を。

NHS, What to feed young children

WHO, Infant and young child feeding