身長のパーセンタイルは何を意味する?数字の正しい受けとめかた
パーセンタイルという言葉は、実際よりも、どこか公式でかたい響きがあります。「お子さんの身長は15パーセンタイルですね」と言われると、順位や点数、もしかしたら警告を思いうかべてしまう。だからこそ、身長のパーセンタイルが本当は何を意味するのか、ゆっくり、わかりやすく考えてみる価値があります。答えはたいてい、最初に数字から受ける印象よりずっと安心できるものです。
点数ではなく、位置
身長のパーセンタイルは、同じ年齢、同じ性別の大きな子どもの集団のなかに、わが子を置いてみるものです。息子さんが40パーセンタイルなら、同じ年の男の子を100人並べたとき、およそ40人が低く、60人が高い、という意味です。言っているのはそれだけ。今日、集団のなかのどこに立っているかの説明で、合格や不合格のテストではありません。
位置なので、どのパーセンタイルにも、必ず誰かがいます。まったく健康な5歳児のクラスでも、子どもたちは2パーセンタイルから98パーセンタイルまで広がっています。背が高いことも低いことも、くつのサイズや髪の色が違うのと同じ、人のふつうの多様さです。
50パーセンタイルがゴールではない理由
多くの親が、平均こそ理想だと思って、ひそかにまんなかの線を目指しています。でもそうではありません。50パーセンタイルは、半分の子がそれより高く、半分が低い点にすぎません。9パーセンタイルにそって無理なく進んでいる子は、91パーセンタイルの子より遅れているわけではありません。ふたりの違う、同じようにふつうの子どもです。
身長は遺伝に強く形づくられます。両親とも小柄なら、成長曲線で低めにいる子は、まさにその子の体が予定しているとおりに育っていることがよくあります。成長は家族のパターンに近くそうので、成長曲線から理想を借りてくるより、その子が自然にどのあたりにいそうかを思いうかべるほうが助けになります。医療者は両親の身長から、子どもが向かっていきそうなだいたいの範囲を見積もることさえあります。だから小柄な家族の低めのパーセンタイルは、たいてい家族のパターンが表に出ているだけなのです。
1つの点より、流れ
時間をかけて身長のパーセンタイルが何を意味するかを知るには、1つの数字ではなく方向を見ましょう。子どもはたいてい、印刷された曲線とだいたい平行に、自分のパーセンタイルにそって育ちます。1年間25パーセンタイルにそって進み、今もそこにいる幼児は、平均より下でも、着実に、健やかに育っています。
医療者が気にかけはじめるのは、線の形が変わるときです。時間をかけて身長がパーセンタイルの線を2本分またいで下がる、まわりが伸びつづけているのに横ばいになる。それは、どこかに安定していることより、ずっと意味があります。安定した低めのパーセンタイルは、たいてい安心材料です。下がっていく流れこそが、くわしく見るべきものです。
数字を少し動かすもの
1回の測定がどこにおさまるかには、いくつかのふつうのことが影響します。知っておけば落ち着いていられます。
- 測りかた。背中が丸まっている、つま先立ち、くつをはいたまま、などで測ると、1センチ以上ずれることがある。
- 時間帯。子どもは夕方より朝のほうがほんの少し背が高い。日中に背骨が少しずつ縮むため。
- 伸びるタイミング。子どもは波のように育つので、少しのあいだ止まったように見えて、そのあとぐんと伸びることがある。
- 違う場所。違う器具を使う2つの場所で、本当の変化ではない小さな差が出ることがある。
だからこそ、1回の測定だけではほとんど意味がありません。何か月かあけて、ていねいに測った2つか3つの値のほうが、ずっと正直なおはなしを語ってくれます。
身長と体重は、別の問い
つい混ぜて考えがちですが、身長と体重のパーセンタイルは、別々のことにこたえています。身長は骨の成長を映し、ゆっくりで、遺伝に左右され、わりと安定しています。体重は、栄養、活動、健康のバランスを映し、もっと速く変わります。子どもはそれぞれでまったく違うパーセンタイルにいても、すっかり元気でいられます。二つをくらべるより、それぞれがそれなりの道を進んでいるかを見るほうが役に立ちます。
身長のパターンを相談したいとき
パーセンタイルがいちばん役に立つのは、変化に気づくときです。身長がパーセンタイルの線を下に横切っていく、何か月にもわたって伸びが止まっているように見える、背が低いことに加えて体重の増えが悪い、元気がない、長く続く病気がある、発達の目安が遅れている。こうしたときは、かかりつけの小児科医や保健師に相談してみましょう。それまで着実だった伸びが急にゆっくりになるのは、注意を向ける価値のある変化です。
急に加速するとても高い伸びや、両親どちらともかけ離れた身長も、ときにはみてもらう価値があります。どちらの方向でも、気にするべきなのはパターンの変化で、成長曲線のどちらかの端に安定していることではありません。
数字は軽く持つ
身長のパーセンタイルは、訓練を受けた医療者にとって便利な目安で、親のための成績表ではありません。子どもがどれだけ幸せか、何ができるか、健康かは教えてくれませんし、大人になってからの成功を予言することももちろんできません。教えてくれるのは、成長がその子にとって着実で、予想どおりかどうかを確かめる手がかりです。
よく食べ、遊び、眠り、発達の目安を重ねているなら、低めでも高めでも、パーセンタイルはほとんどの場合その子のふつうです。つまるところ、身長のパーセンタイルが意味するのは、今日どこに立っているかだけで、どれだけうまくいっているかでも、どれだけ背が伸びるかでもありません。気持ちのエネルギーは流れの線と子どもまるごとにとっておき、1つの数字は、心配のなかでずっと小さな場所に置いておきましょう。
ポイント: 身長のパーセンタイルが示すのは、大きな集団のなかの位置で、うまくいっているかどうかではありません。どのパーセンタイルでも、着実にそって進むことが、数字そのものより大切です。