祖父母と親で、子どものルールをどうすりあわせる?

祖父母は、子どもの人生でいちばんの贈りもののひとつです。そして、家族の静かなぎくしゃくのもとになりやすい存在でもあります。そばにいて、関わって、かわいがってほしい。でも、寝る時間やおやつの決まり、テレビの時間は守ってほしい。自分を育てた世代が自分なりのしっかりした考えをもっていると、ルールのすりあわせはデリケートに感じられます。でも、けんかになる必要はありませんし、たいていそうはなりません。

ルールより先に、共通の愛情から

決まりの話をする前に、みんな同じ側にいることを思い出しておくと助けになります。ルールに反対する祖父母は、ほとんどの場合、反発ではなく愛情からそうしています。「この子のこと、本当にかわいがってくれて、幸せでいてほしいって思ってくれてるのはわかってるよ」と声に出すと、話が始まる前に熱がひきます。祖父母との線引きは、不満のリストではなく、感謝から始めたほうがずっとなめらかに進みます。

ゆずれないことと、あればいいことを分ける

すべての違いが話し合う価値をもつわけではありません。本当に大切なルールと、手ばなしていいルールに分けましょう。安全、アレルギー、薬、チャイルドシート、安全な睡眠は、ゆずれません。おばあちゃんの家でのクッキーもう1枚、土曜日だけ遅い寝る時間、テレビをもうひとつ見ていい、などは、たいていかまいませんし、祖父母がいる楽しさの一部です。きっぱりした態度を本当に大切なことのためにとっておくほど、そこは守ってもらいやすくなります。

ルールだけでなく、理由を伝える

祖父母は違う時代に子育てをしていて、ときには本当に違う助言を受けていました。親には当たり前のルールが、祖父母には不思議に、あるいは心配しすぎに見えることもあります。ルールをただ言いわたすのではなく、その理由を伝えましょう。眠りや離乳食、チャイルドシートについての案内が変わったことを説明し、今の目安を見せると、祖父母は自分の子育てを否定されたと感じずに、知識を新しくできます。理由がわかると、たいていの祖父母はすぐに納得してくれます。

線引きは、チームの計画として

「ルール」ということばは、誰でも叱られたような気持ちにさせます。祖父母との線引きを、上から言いわたす指示ではなく、子どものためにいっしょに考えるものとして話してみましょう。「お泊まりのとき、寝る時間はどうするか決めておかない?」は協力を引きだし、「7時には寝かせてね」は反発を引きだします。相談されたと感じる祖父母は、管理されていると感じる祖父母より、ずっと線を守ってくれます。

小さなことは、手ばなす

子どもは、場所によって決まりが違うことを、ちゃんと覚えられます。おばあちゃんの家では絵本が1冊多くて、こっそりお菓子がもらえる。保育園には保育園のやりかたがある、と覚えるのと同じです。大切なことがどこでも変わらないかぎり、この柔軟さは混乱ではなく、健やかなことです。小さな甘やかしを一つひとつ取りしまらないことで、関係はあたたかいまま保たれ、本当に大切なときのために、親の言うことの重みをとっておけます。

困ったことは、ふたりのときにやさしく

大切なことで祖父母が線をこえたら、子どもから離れたところで、その場がおさまってから話しましょう。あとで落ち着いて、「夕ごはんの前にジュースを飲んで、そのあと食べなかったみたい。食事の前はお水にしてもらえる?」と伝えるほうが、人前で正すよりずっと受けとめてもらえます。子どもの前で祖父母を正すと祖父母の立場をくずし、大人どうしがばらばらだと子どもに教えてしまいます。意見の違いは大人のあいだにとどめ、子どもにはそろった姿を見せましょう。

安全の基本は、議論の外に

話し合いの余地のないこともあります。それを最初からはっきりさせておくほうが、やさしいのです。安全な睡眠、チャイルドシートの正しい使いかた、薬や危ないものを手の届かないところに置くこと、アレルギーや医療的な配慮は、しっかりこの中に入ります。これを親の好みではなく、子どもを見るみんなが守る今の安全の目安として伝えましょう。ほとんどの祖父母は、孫を安全に守りたいと心から思っていて、今の時代にそれが何を意味するのか、落ち着いてはっきり説明してもらえることを歓迎してくれます。

祖父母ならではの役割を

関係がいちばんうまくいくのは、祖父母が親のルールの番人ではなく、ほかの誰にもできないことをもっている人だと感じられるときです。昔話、いっしょのおやつづくり、散歩、祖父母にしか伝えられない家族の歴史。そうしたことを応援しましょう。孫との自分だけのきずなを大切にされていると感じる祖父母は、のけものにされる心配がないので、親の線引きをずっとおおらかに守ってくれます。安心して大切にされている祖父母は、協力的な祖父母です。

溝が深いとき

ルールの違いのほとんどは小さなもので、あたたかい話し合いで解決できます。でも、そうでないこともあります。本当に大切な安全の線を祖父母がくり返し無視する、意見の違いが家族に大きな負担をかけている、親としての方針がいつもくずされていると感じる、という場合は、もっと真剣で正直な話し合いが必要ですし、ときには外の支えを借りる価値もあります。地域の保健師さん、かかりつけ医、自治体の子育てや家庭の相談窓口が、いっしょに考える手助けをしてくれます。気まずくても、子どもの安全と心身を守ってきっぱり立つのは、親の役目です。

すべてで意見が合うことはありませんし、その必要もありません。子どもの安全と落ち着きを守る一握りのことはしっかりはっきり守り、小さな甘やかしは祖父母がいる魔法の一部にして、そのすべてを、関わるみんなが本当に感じている愛情で包んでおきましょう。

ポイント: 祖父母とのルールのすりあわせは、安全はゆずらず、理由を伝え、小さな甘やかしは手ばなし、祖父母ならではの役割を大切にすることで、うまくいきます。

NHS, Reduce the risk of sudden infant death syndrome (SIDS)

AAP HealthyChildren.org, Grandparents