昔と今で違う育児の安全、祖父母にどう伝える?

祖父母は孫がかわいくてたまらず、何より安全でいてほしいと願っています。けれど、祖父母が子育てをしたころに従っていた安全の目安は、今では大きく変わりました。赤ちゃんはあおむけで寝かせる、チャイルドシートはずっと長く使う、かつて当たり前だった習慣の多くは、今はすすめられていません。その差をうめること、つまり祖父母の愛情と経験を大切にしながら子どもの安全を守ることには、気づかいが必要です。でも、じゅうぶんにできることです。

目安が変わってきた理由

小さな子どもを安全に守るために今わかっていることの多くは、ひと世代前にはまだわかっていませんでした。安全な睡眠、離乳食、チャイルドシート、家の中の危険についての目安は、何十年もの研究で少しずつ磨かれてきました。これは以前の子育てへの批判ではなく、よりよい情報がふつうに積みあがってきた結果です。「昔のやりかたがまちがっていた」ではなく「目安が変わったんだって」と伝えると、誰も自分の子育てが責められているとは感じず、話がずっとしやすくなります。

愛情と、同じ願いから話す

具体的なルールを持ちだす前に、みんなが願っていることを土台にしましょう。安全で、楽しく過ごせる子どもです。祖父母は味方で、それを思い出すだけで話のとげがとれます。「この子のこと、すごくかわいがってくれてるのはわかってる。今わかっていることで、いっしょにこの子を守りたいんだ」と伝えると、チームとして考えようと誘えます。正すのではなく、同じ愛情から安全の線を引くと、反発されるより、ずっと受け入れてもらいやすくなります。

本当の安全のことに、しぼる

すべてが安全の問題ではありませんし、好みと本当の危険をまぜると、伝えたいことが弱くなります。きっぱりした態度は、本当に子どもを守ることのためにとっておきましょう。安全な睡眠、チャイルドシートの正しい使いかた、薬や小さな物、危ないものを手の届かないところに置くこと、のどにつまらせない食べものの出しかた、熱い飲みものを小さな手から遠ざけること。これらは好みの問題ではなく、はっきりとゆずらずに伝えていいことです。小さな甘やかしは手ばなすほうが、本当に大切なところで線を守りやすくなります。

ひとつひとつ、理由を伝える

理由のあるルールは、ただの指示よりずっと受け入れやすいものです。「うつぶせで寝かせないで」ではなく、あおむけ寝が今すすめられているのは、それが乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険を下げると研究でわかっているから、と説明しましょう。親の権威ではなく今の目安を示すと、祖父母は押さえつけられたと感じずに、知識を新しくできます。理由がわかれば、ほとんどの祖父母は最新の安全なやりかたを心から知りたいと思ってくれます。

安全なやりかたを、楽なやりかたに

安全の目安に従うのがかんたんなほど、祖父母はそれを守りやすくなります。お泊まりの前にベビーベッドを安全に整えておき、迷うことがないようにする。チャイルドシートのとめかたを見せて、練習してもらう。危ないものをどこにしまっているか、ベビーゲートがどう動くかを伝える。当て推量をなくせば、祖父母はその場で工夫しなくてすみ、自信も静かに育っていきます。注意のリストより、実際の手助けのほうがよく伝わります。

うっかりは、落ち着いて、ふたりのときに

祖父母がうっかりまちがえることは、ときどきあります。そんなときは子どもから離れたところで、お説教ぬきで伝えましょう。あとで落ち着いて具体的に、「ベルトが少しゆるかったみたい。どのくらいしめればいいか、見せるね」と言えば、尊厳を守りながら問題を直せます。人前で恥をかかせると、協力ではなく身がまえを生みがちです。悪気がないことを前提にしましょう。ほぼかならず、そうだからです。そして、正しさを示すことより、安全な結果にたどり着くことに目を向けましょう。

大事なことは、目に見える場所に

お泊まりや定期的にあずけるときは、安全のポイントを短く書いたメモが、子育てから離れていた祖父母の助けになります。安全な睡眠、チャイルドシート、アレルギー、薬、緊急連絡先を数行書いておけば、祖父母の記憶にも親の記憶にもたよらずにすみます。不信の表れではありません。たまにお世話をする人に、大事なことを思い出しにたよらなくていい確かな手がかりをわたすためのものです。ほとんどの祖父母は、いやがるより、わかりやすさを喜んでくれます。

ルールより、関係を大きく

安全がどれだけ大切でも、祖父母と孫の関係はかけがえのないもので、守る価値があることを忘れないでください。線引きを、やりとりのすべてにしないようにしましょう。昔話、気長さ、無条件の喜びなど、祖父母がくれるすべてに感謝を伝え、安全の話が関係を支配するのではなく、あたたかく大切にされた関係の中におさまるようにします。感謝されていると感じる祖父母は、喜んで協力してくれます。

どうしても合意できないとき

ほとんどの場合、あたたかく筋の通った話し合いで十分です。ごくまれに、親がどれだけ手をつくしても、祖父母が本当の安全の問題をくり返し無視することがあります。そのときは、問題が解決するまでのあずけかたを決めることもふくめて、もっときっぱりする必要があるかもしれません。つらい立場ですが、ひとりでかかえなくて大丈夫です。地域の保健師さんやかかりつけ医は、はっきりした確かな目安で親を後押しし、伝えることばを考える手伝いもしてくれます。子どもの安全を守るのは親の責任で、そこできっぱり立つことは、失礼ではなく愛情の行いです。

今の知識で子どもを守りながら、祖父母の献身と経験を大切にすること。ほとんどの家族は、このバランスを上手にとっています。愛情から始め、本当の危険についてははっきりと、理由を説明し、祖父母が運んでくれるすべてへの感謝で、まるごと包んでおきましょう。

ポイント: 祖父母との安全の線引きは、愛情から始め、本当の安全のことにだけきっぱりし、目安が変わったことを伝え、あたたかい関係を保つときに、いちばんよく守られます。

NHS, Reduce the risk of sudden infant death syndrome (SIDS)

AAP HealthyChildren.org, Car Seats: Information for Families