月に一度の「育児の情報共有」、本当に役立つ話し合いかた
何人もの大人でひとりの小さな子を見ていると、伝えあうことのほとんどは、ついでのやりとりになります。玄関でのひと言、「お昼寝しなかったよ」のメッセージ、ポットのそばに置いたメモ。そうしたやりとりで毎日は回りますが、誰も全体の姿を見わたせてはいません。月に一度で十分なので、短い話し合いを決まって持つと、みんなが見ていることをくらべあい、変えたほうがいいことを決められます。
月に一度がちょうどいい理由
毎日の引きつぎは、段取りのためのものです。月に一度の話し合いは、パターンを見るためのものです。4〜5週間たつと、一日だけでは見えない流れに気づきます。寝つくのが早くなってきた、新しいことばをどこでも使っている、月曜の朝はいつもぐらつく。間をあけることで、見張られているような感じにもなりにくくなります。誰かを採点するのではなく、知っていることを持ちよって、子どもがもっと落ち着いた、つながった毎日を過ごせるようにするための時間です。
短く、気負わずに
15分から20分あれば十分です。誰かが飛びだしていく前のばたばたの5分ではなく、子どもが寝ているときや何かに夢中なときなど、落ち着いた時間を選びましょう。直接会えない人がいれば、電話や家族グループの音声メッセージでも十分です。めざすのは、なごやかな情報のくらべあいです。あたたかく始め、小さな心配も小さな「できた」も、どちらも大歓迎だと伝えましょう。責められると身がまえていないとき、人はずっとたくさん話してくれます。
話しはじめに使える問いかけ
やさしい問いかけがいくつかあると、問いつめる場にならずに、役に立つ話ができます。このなかからいくつか試してみてください。
- この1か月で、いちばん楽しそうだったことは何?
- 食事、眠り、朝の別れなどで、いつもより大変だったことはあった?
- 新しくできるようになったことや、新しいことばに気づいた?
- かんしゃくや寝かしつけなど、大きな場面で、みんな同じように対応できている?
- 毎日をもっと楽にするために、わたしにしてほしいことはある?
よい問いかけは、「はい、いいえ」で終わらず、ひと言ではなくエピソードを引きだすものです。全部使う必要はありません。よく選んだ2つか3つで、たいてい大事なことはすべて出てきます。
判定ではなく、パターンに耳をすます
それぞれが答えるのを聞きながら、見えていることが重なるところと違うところに気づきましょう。ある人は食事が楽だと感じ、別の人は毎回たたかいだと感じているなら、それは誰かのせいではなく、情報です。場所、時間、関わりかたのどこかが違っていて、くらべてみることでそれが見つかります。ポジティブな子育てについての公的な案内は、一貫性と、あたたかく見通しのある対応の大切さを強調しています。こうした小さなすりあわせは、小さな子が安心するのに本当に役立ちます。
小さな変更を、1つか2つ決める
話し合いが役に立つのは、そこから何かが生まれたときだけです。何もかも変えたくなる気持ちはこらえましょう。おやつの時間を早める、寝る前はみんな同じ短いことばを使う、など具体的な調整を1つか2つ選び、誰が試すかを決めます。決めたことはみんなが見られる場所に書いておき、記憶にたよらなくていいようにしましょう。リストを短くしておくほど、変更は本当に定着します。
お世話をする大人自身のことも
いちばんよい問いかけは、子どものことだけではありません。大人がどうしているかも聞きましょう。疲れている祖父母、手いっぱいのシッターさん、自分のぶん以上をかかえているパートナーは、どんなにそうしたくても、いつも同じ対応を続けるのはむずかしいものです。「できているか」だけでなく「余力があるか」を確かめると、チームが長続きし、子どもに見せたい思いやりのお手本にもなります。
最後に、大事なことを確認する
終わる前に、ゆずれないことをさっと確認しましょう。アレルギー、薬、緊急連絡先、お迎えの段取り、医師や保健師さんから言われていること。こうしたことは月ごとにはめったに変わりませんが、30秒の確認で、薬を飲みおえた、電話番号が変わった、といった変化をひろえます。それから次の話し合いをだいたいいつにするか決めて、一回きりではなく、習慣にしていきましょう。
ほかの支えを借りたいとき
たいていの話し合いは、ほっとできるものです。でもときどき、専門家に見てもらう価値のあることが出てくることもあります。できていたことが後戻りしているように見える、食事、眠り、機嫌についての心配が続いている、何人もの大人が同じことを気にしているのに誰も理由がわからない。そんなときは、みんなで持ちよったメモを、地域の保健師さん、かかりつけ医、園の担任の先生に相談するときの手がかりにしましょう。相談する前に完璧な記録をそろえる必要はありません。ひとりではなく何人もの大人が同じことに気づいているということが、専門家が状況を理解するのにまさに役立つこともあります。
月に一度の話し合いで、子どものまわりの大人どうしの違いがすべてなくなるわけではありませんし、なくす必要もありません。その役目はもっと小さく、手の届くものです。みんなで同じ姿を見ること、小さなことが大きくなる前に気づくこと、そしてお世話をしている人たちも支えられていると感じられるようにすること。
ポイント: 開かれた問いかけをいくつか使った月に一度の短い話し合いで、みんなの足並みをそろえ、パターンに早く気づき、ばらばらの伝言をひとつの共通の姿にまとめましょう。