誰が見ても同じ一日に、育児の流れを家族でそろえる

小さな子は、次に何が来るかわかると生き生きします。毎日、同じことがだいたい同じ順番で起きると、世界は安全で、なんとかなるものに感じられるのです。お世話をする大人がひとりなら、それはそれほどむずかしくありません。でもたいていの子は、少なくともふたりの大人に見てもらっています。パパとママ、親と祖父母、親とシッターさん。ふたりのあいだで一日のリズムをそろえることが、別々のふたつのやりかたを、ひとつの頼れる一日に変えてくれます。

見通しが、なぜそんなに大切?

朝の遊びのあとにお昼ごはん、お昼ごはんのあとにお昼寝、お風呂のあとに絵本。そう知っている子は、びっくりに身がまえることにエネルギーを使わずにすみます。その見通しが、よりよい眠り、おだやかな食事、少ない意地の張りあいを支えます。ふたりの大人が同じ流れで動けると、1週間のうちに見てくれる人が変わっても、子どもはその落ち着きを受けとれます。大切なのは分きざみのきっちりした時間ではなく、見ればわかる一日の「形」です。

柱になる時間を決める

一時間ごとの台本はいりません。一日を支える柱に集中しましょう。起きる時間、食事、お昼寝、寝る時間。これらがだいたいいつなのか、そして同じくらい大切なこととして、そのまわりのことがどの順番で起きるのかを決めます。寝る前がお風呂、歯みがき、絵本2冊、消灯なら、どの大人がしても、その順番は同じに。子どもはなじみの順番を、次に来ることの合図として読みとります。だから、時計の時刻をそろえるより、順番をそろえるほうが大切なことがよくあります。

流れを、いっしょに書きだす

記憶はあてになりませんし、ふたりが同じ流れを同じように覚えていることはまずありません。食事の時間、お昼寝の時間帯、寝る前の手順など、一日の形をいっしょに書きだしてみると、子どもが気づく前に、実際にどこが違うのかがわかります。書いたものは、冷蔵庫や共有メモなど、ふたりとも見られる場所に置いておきましょう。わが子のお世話に慣れていない人や、たまにしか入らない人がいるときはとくに役立ちます。当て推量ではなく、決めたとおりに動けるからです。

時間だけでなく、ことばもそろえる

そろえるのは、いつ起きるかだけではありません。どう伝え、どう対応するかもです。公園から帰る前に、ひとりは「あと5分ね」と予告し、もうひとりは何も言わずにさっと連れて帰るなら、切りかえの体験はまったく違うものになります。小さな台本もそろえておきましょう。切りかえの前の予告、寝る前のことば、ぐずったり、いやがったりしたときの対応。共通のことばがあると、子どもは本当の意味でつながった一日を過ごせます。

枠の中では、それぞれの持ち味を

そろえるといっても、ふたりがそっくり同じになる必要はありません。お風呂でおばあちゃんは歌い、パパはおしゃべりする。シッターさんはお昼寝の前に少し違う遊びをする。そうした違いは、子どもにとってよいことです。コツは、順番と大事な場面という「枠」はしっかり保ちながら、その中でそれぞれの大人があたたかさを持ちこめるようにすること。誰も楽しめないかたい演技ではなく、持ち味の入る余地のある共通の骨組みをめざしましょう。

かんたんな引きつぎで、足なみをそろえる

ふたりが話さないと、流れはずれていきます。直接でもメモでも、さっと引きつぎをすると、足なみがそろいます。最後のお昼寝はいつだったか、お昼ごはんは食べたか、今どんな機嫌か。そうすれば、次の大人は流れを最初からやりなおすのではなく、ちょうどいいところから入れます。2、3行でも大きな違いになります。一日の後半が前半とぶつかるのではなく、前半の続きになるからです。

ゆれても、やさしく線を守る

ふたりで流れをそろえはじめたばかりのころ、「誰がいるかで決まりが変わる」と覚えている子は、その変化をためしてくることがあります。それはふつうのことで、たいてい長くは続きません。2週間ほど、落ち着いて、いつも同じように流れを守ると、ほとんどの子はなじんでいきます。見通しがあることが、安心させてくれるからです。最初の数日が大変だったからと方針を変え続けると、子どもは流れを効かせる落ち着きをいつまでも得られません。

子どもの成長に合わせて見直す

1歳の子に合う流れは、3歳の子には合いません。お昼寝はなくなり、食事の時間は動き、寝る時間も変わります。ときどきもうひとりの大人と話し、いっしょに流れを書きかえましょう。片方はもう卒業したお昼寝にしがみつき、もう片方は先に進んでいる、ということにならないよう、ふたり同時に新しいリズムに移るのです。いっしょに見直すことで、子ども時代がたえず運んでくる変化の中でも、そろった流れを保てます。

流れがくずれてばかりのとき

ばらつきのほとんどは、共通のプランで解決できる段取りの問題です。でもときには、それ以上のことがあります。流れが落ち着いているのに眠りや食事がめちゃくちゃなまま、切りかえのたびにつらそうにする、お世話をする大人が一日の負担に参っている。落ち着いた流れが数週間たっても本当に助けになっていない、発達、眠り、食事に心配がある、という場合は、地域の保健師さんやかかりつけ医に相談してみる価値があります。もっと広く全体を見てもらえます。

ふたりの大人がまったく同じになることはありませんし、子どももそれを必要としていません。子どもに必要なのは、誰がそばにいても、同じ形と同じ大事な場面をもった一日です。

ポイント: ふたりの大人が同じ流れで動けるようにするには、柱になる時間を決め、流れを書いて共有し、ことばをそろえること。その枠の中で、それぞれのあたたかさを生かしましょう。

NHS, Help your baby or toddler sleep

CDC, Positive Parenting Tips