小さな子をあずける前に、伝えておきたいこと
祖父母でも、友人でも、シッターさんでも、小さな子をほかの人にあずけるときは、その人がこれから何に向き合うのかを知っているほど、ずっとスムーズにいきます。2歳前後の子はすばしっこく、自己主張が強く、びっくりの連続です。お昼寝のたたかいや食べないことに不意をつかれた人は、ずっと苦労します。出かける前に短くはっきり伝えておくと、子どももふくめて、みんなが落ち着いた数時間を過ごせます。
まずは、一日のリズムから
わたせるいちばん役に立つものは、一日の形です。お昼寝はいつごろで、どうやって寝かしつけているか、食事やおやつはいつか、ふつうの午後がだいたいどんな感じか。小さな子は毎日の流れに大きく頼っていて、それを守ってくれる人は、うっかりお昼寝の時間を逃してしまう人より、ずっといやがられずにすみます。伝えることのはじめはこのリズムです。ゆれのほとんどは、流れがずれたところから生まれるからです。
子どもの伝えかたを説明する
小さな子は、今すぐほしいのに、まだはっきり言えないことがよくあり、それがお互いのいらいらのもとになります。かんたんな「訳しかた」をわたしましょう。ミルクやお茶を表すことばやしぐさ、眠いときのあのぐずり声、トイレに行きたいときのもじもじ。子どもがどうやって必要なものを求めるかを伝えておくと、あずかる人は当て推量をぐっと減らせ、子どもはわかってもらえないつらさを味わわずにすみます。わたせる中でも、とりわけやさしい情報のひとつです。
食事、アレルギー、食べるときのこと
食べもののことは、具体的に伝えましょう。アレルギーのあるもの、さけるべきものを書きだし、のどにつまりやすいものや安全な調理のしかたを伝え、いつもよく食べてくれるものも教えます。ふだんの食事がどんな様子か、ふつうのかけひきもふくめて説明しておくと、よくある好き嫌いにあずかる人があわてずにすみます。食べもののことがはっきりしていれば、アレルギーのもとがうっかり口に入る心配も、お昼ごはんでのにらみあいのストレスも防げます。
安全の基本を見せておく
出かける前に、安全のポイントをいっしょに見てまわりましょう。ベビーゲートとその開けかた、洗剤や薬を手の届かないどこにしまっているか、気をつけたい窓やドア、そしてわが子がのぼれる、開けられるようになったもの。小さな子は危ないものを見つける天才なので、危ない場所を知っている人は、一歩先回りできます。台所に置いた注意書きより、2分の家の案内のほうがずっと役に立ちます。
なだめかた、寝かしつけのコツを伝える
どの子にも、自分なりの安心グッズがあります。決まったぬいぐるみ、毛布、歌、落ち着くひと言。それが何で、どこにあるかを具体的に伝えましょう。お昼寝のときにつらくなった子は、ぴったりの道具があればずっとなだめやすくなります。緑の恐竜はかならずベッドに、この子守唄がよく効く、と知っていれば、あずかる人は親と同じようになだめられ、子どももあずかる人も安心できます。
健康と緊急時の情報をまとめる
大事なことは、できれば書いてわかりやすく残しておきましょう。いざというときに記憶にたよらなくてすみます。親の電話番号ともうひとりの連絡先、ふだん飲んでいる薬と量と時間、かかりつけの小児科、知っておいてほしい持病。子どもが具合が悪くなったり、けがをしたりしたときに、何をして誰に電話するかも伝えておきます。こうした情報が手もとにあれば、最悪のタイミングで情報を探しまわることなく、落ち着いてすばやく動けます。
大変なところも、正直に
わが子がけっしていやがらない天使のようにふるまっても、誰のためにもなりません。おきまりの火種を伝えておきましょう。公園から帰るときの大さわぎ、おむつ替えをいやがる、大好きなアニメが終わるとかんしゃく。それぞれに親がふだんどう対応しているかも伝えます。前もって知っていれば、あずかる人はあわてずに受けとめられます。大変なところもふくめた正直な伝えかたが、あずかる人をずっと自信のある、頼れる存在にします。
決まりと、叱りかたをそろえておく
小さな子はいつも線引きをためしてくるので、あずかる人は親の線がどこにあるかを知っておく必要があります。大切にしている家の決まり、たたいたり投げたりしたときの対応、使っていることば。いつも同じであることが小さな子の安心になるので、ふだんの線をふだんのやりかたで守ってくれる人がいると、子どもにとって見通しのある時間になります。前もってはっきりさせておけば、何を許して何を許さないのか、あずかる人が推測しなくてすみます。
助けを呼ぶタイミングを知っておく
ほとんどの場合は何ごともなく終わります。安心していいサインを知っておくことも、心配なサインを知っておくことと同じくらい役に立ちます。すぐに動く必要がある場面を、あずかる人にかならず伝えておきましょう。高い熱が下がらない、吐くのが止まらない、押しても色が消えない発疹、頭をぶつけたあといつになく眠そう、ひどく具合が悪そうに見える。息が苦しそう、けいれんしている、ぐったりして反応がない、というときは、すぐに119番してから、親に連絡してもらいます。前もって決めておけば、本当の緊急事態に迷わずにすみます。
よく説明を受けた人は自信をもてます。そして自信のある人は、子どもを落ち着かせ、安全に守ってくれます。毎日の流れ、安心グッズ、安全のポイント、もしものときのこと。数分かけてそれをわたせば、わが子は本当に頼れる人の手の中にいると思いながら、出かけられます。
ポイント: 毎日の流れ、伝えかた、安全、なだめかた、緊急時のことをはっきり伝えておけば、あずかる人は親がいないあいだも子どもを落ち着かせ、安心して過ごさせてくれます。