人見知りの子と親戚の集まりへ。むりなく過ごすコツ

おばあちゃんの家に着いて、ドアがあくと、うれしそうな声がいっせいに出迎えてくれる。なのにお子さまは大人の足に顔をうずめて、ひと言もしゃべらない。多くの家族にとって、おなじみで、ちょっと気まずい場面です。よかれと思って親戚がハグしようと身を乗りだし、「どうしてそんなに恥ずかしがるの?」と聞き、大人は相手の熱心さと、お子さまのあきらかな居心地の悪さのあいだで板ばさみになります。人見知りの子と親戚を訪ねるときに大切なのは、お子さまのペースを守りながら、みんなにとって一日をあたたかく保つこと。ちょっとした気配りで、じゅうぶんにできることです。

人見知りはふつうのこと。直すものではない

最初に、そしていちばん大切なのは、見方を変えることです。あまりなじみのない人へのはずかしさや警戒心は、多くの小さな子の気質としてまったくふつうのもので、1、2歳から幼児期にかけてピークになることがよくあります。うしろに下がっている子は、失礼なのでもむずかしいのでもありません。安心できるまで、かしこく時間をかけているのです。もともと慎重な子もいて、その慎重さは、直すべき欠点ではなく、やさしくつきあっていく持ち味です。お子さまをそのまま受けいれると、大人も子どももプレッシャーから解放されます。

愛情表現を、むりじいしない

とくにうれしそうな祖父母に見つめられていると、ついお子さまをハグやあいさつへと押しだしたくなります。そこはぐっとこらえてください。まだ心を許していない相手に、人見知りの子をむりやり抱きつかせたりキスさせたりすると、自分の体について自分がどう感じるかは大事にされないのだと教えてしまいますし、たいていはもっとしがみつくようになります。お子さまのやり方とタイミングであいさつさせてあげましょう。はずかしそうに手をふる、大人のうしろから小さく「こんにちは」、しばらくただ見ている。投げキッスやハイタッチも、立派なあいさつです。

前もって、心の準備をしておく

人見知りの多くは、じつはいきなりであることへのおどろきなので、前もってなじませておきましょう。訪ねる数日前から、だれに会いに行くのかを話し、写真を見て、その人たちのすてきなところを思いださせてあげます。「おばちゃんの家に行くよ。広いお庭と、やさしい犬がいるんだよ」と、かんたんにさらっと準備しておくと、知らない人のかべにいきなり向きあうのではなく、なじみのあるものを感じながら着くことができます。何が待っているかわかっていると、慎重な子はぐんと落ちつきます。

なじむまで、その子のペースで

着いたら、お子さまに時間と、やわらかい着地点をあげましょう。そばにいて、ひざにのせたりとなりにいさせたりして、だれかと関わることを期待される前に、部屋の様子をながめさせてあげます。玄関でしがみついていた子の多くは、場所も人も安心だとひそかに決めたあと、1時間後にはにこにこおしゃべりして遊んでいます。急がせると、かえっておそくなります。大人の落ちついた、急がない存在が、準備ができたらお子さまが出かけていくベースキャンプです。

親戚に、やさしく伝えておく

前もって家族にひと言伝えておくと、訪問全体がなめらかになります。最初は少し距離をあけてあげてほしい、さっと近づくのではなく子どものほうから来るのを待ってほしい、人見知りのことをあまりさわがないでほしい、とやさしくお願いしましょう。それが助けになるとわかれば、たいていの親戚はこころよく受けとめてくれます。かまえない近づき方も提案できます。子どもの目の高さまでしゃがむ、おもちゃや庭を見せる、あるいはただ自分たちの会話を続けて、子どもからスポットライトを外す。くつろいだ部屋のほうが、熱心な部屋よりずっと早く、人見知りの子を引きだしてくれます。

レッテルをはらない、あやまらない

お子さまのまわりで使うことばに気をつけましょう。「この子、すごく人見知りなの」と言ったり、軽くでもふるまいをあやまったりすると、自分には何かよくないところがあるのだと子どもが感じたり、そのレッテルが固まってしまったりすることがあります。子どもは聞いた説明どおりに育ちます。かわりに、「最初はちょっと見ていたいタイプなの」と、あたたかく、ふつうの調子でお子さまのことを話し、その子らしさが出てくるのを待ちましょう。人見知りを説明しすぎると、みんなの注目がそこに集まったままになります。

役目や、かけはしをつくる

人見知りの子は、まっすぐ向けられる人の注目より、何かをいっしょにすることを通してのほうが、ずっとつながりやすいものです。向かいあっての会話ではなく、いっしょにできることを差しだしましょう。食卓の準備を手伝う、お気に入りのおもちゃを親戚に見せる、犬にえさをあげる、パズルをいっしょにする。ならんで何かをすると、話さなければというプレッシャーが消えて、自然と関係ができていきます。なじみのお気に入りを手に持たせておくのも、慎重な子が小さな一歩をふみだす安心になります。

小さな一歩を、よろこぶ

お子さまのがんばりに気づいて、ショーにはせずに、そっと大切にしましょう。はじめて手をふった、小さな声で答えた、ちょっとだけ仲間に入った。慎重な子にとっては確かな進歩で、さりげないはげましが、次の自信を育てます。まわりに人が集まってしまうようなほめすぎは、それ自体がプレッシャーになるのでさけましょう。何度もの訪問を通した、変わらない根気強い支えは、どんな一回のひと押しよりずっと多くのことをしてくれます。

もう少しよく見たほうがいいとき

ふつうの人見知りは、時間と、なじむことと、プレッシャーのなさでやわらいでいき、たいていの子はだんだん自信をつけていきます。ただ、警戒心が極端で、いつまでもゆるまない、本当につらそうにしている、園やまわりの子とのあいだでふつうに過ごせなくなっている、発達やことばのことでほかにも心配がある、という場合は、かかりつけの小児科医や地域の保健師さんに相談してみる価値があります。それでも大多数の場合、人見知りの小さな子に必要なのは、根気と時間だけです。

ここを大切に: 人見知りはふつうのことと受けとめ、ハグはむりじいしないこと。前もって心の準備をして、親戚には距離をあけてもらうよう伝え、お子さまのペースでなじむのを待ちましょう。

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AAP HealthyChildren, Shyness in children