お出かけの流れを絵で見せる。子どもが安心する旅のスケジュール表
「明日は飛行機に乗るよ」が本当のところ何を意味するのか、小さな子にはほとんどつかめません。時間は目に見えず、順番もわからず、わからないことは小さな人を不安にします。旅のスケジュール表は、ことばのかわりに絵でそれを解決します。一日を、お子さまが見て、さわって、終わるたびに動かせるかんたんな絵のならびにするのです。そうすれば旅はなぞではなくなり、結末をもう知っているおはなしになります。
約束より、絵のほうが伝わるわけ
小さな子は、口で言われた予定を頭にとどめておけませんが、6枚の絵のならびを見れば「まずこれ、次にあれ、それからおうち」がわかります。順番が見えると不安が下がります。旅のあいだ子どもがずっと気にしている問い、「次は何?好きなことはいつできるの?」に答えてくれるからです。絵のスケジュール表は、大人にとっても落ちついて立ちもどれる場所になります。言いあいをするかわりに、指さして「見て、次は車だよ。そのあとおばあちゃんのおうちね」と言えるのです。
短く、具体的に
いちばんよくある失敗は、つめこみすぎることです。小さな子には、5つか6つのステップでじゅうぶん。手続きのこまかなところではなく、その子にとって大事な場面を選びましょう。親戚の家に行くなら、こんなふうに。かばんをつめる、車、おやつ、電車、歩く、おばあちゃん。出国審査や荷物の受けとりを見せる必要はありません。2歳や3歳の子がたどれる形で、一日の形を見せればいいのです。
1ステップに、はっきりした絵を1枚。小さな子には本物の写真がとてもよく効きます。うちの車、使う駅、おばあちゃんの家の玄関。写真が撮れなければ、かんたんな手描きの絵やイラストを印刷したものでじゅうぶんです。お子さまが文字に気づきはじめているなら、それぞれの下にひと言だけ、ひらがなで書きそえましょう。
手間なくつくる方法
特別な道具はいりません。手早いものから、じょうぶなものまで、いくつかの方法があります。
- 紙に6つの四角をかいて、それぞれにざっくり絵を描く。
- 小さな写真を印刷して一列に貼り、ラミネートするか透明なテープでおおう。
- はがせるテープや丸いシールで絵を細長い台紙に貼り、終わったらお子さまが1枚ずつはがせるようにする。
- スマホで写真をならべて、お子さまがスワイプして見られるようにする。
終わったステップを「おしまい」のポケットに移したり裏返したりできる、手でさわれる版は、10分よけいにかける価値があります。絵をはずすことで、お子さまは進んでいる満足感と、その部分は終わってもうもどってこない、というはっきりしたしるしを手に入れます。
当日の前に、いっしょにたどる
旅のスケジュール表は、出発の朝にはじめて見せるより、前もってなじんでいるほうがうまくいきます。1日か2日前に見せて、絵を1枚ずつ指さしながら、いっしょにおはなしのようにたどりましょう。お子さまに質問させ、表をさわらせてあげます。寝る前に、落ちついた決まりごととしてもう一度。出発するころには順番がもうなじみのものになっていて、それこそ不安な小さな旅人に必要な安心です。
その場で使う
当日は、スケジュール表を手の届くところに持っておきましょう。列でぐずりはじめたり、あとどれくらいか知りたがったりしたら、取りだして、いまどこにいるかさがします。「車とおやつはおしまいね。見て、いまここ、電車だよ。あと2枚でおばあちゃんのおうち」。終わりの見えない待ち時間が、数えられる、終わりのあるものに変わります。ステップをひとつずつ、いっしょに「おしまい」にしていくことは、多くの子にとって本当に気持ちを落ちつけてくれます。
楽しみも入れておく
子どもは、楽しみが近づいてくるのが見えると、旅のたいくつな部分やつらい部分をずっと乗りきりやすくなります。お気に入りのおやつ、タブレットでのおはなし、いとこに会うことなど、お子さまが楽しみにしていることを順番の中に入れて、よく指さしましょう。そうすれば表は、ぐずりの下にある不安な問いにも答えてくれます。うん、楽しいことはちゃんと来るよ、もうすぐだよ。
変えてもいい
絵のスケジュール表は安心のためのもので、契約書ではありません。旅は予定どおりにいかず、電車はおくれ、計画は変わります。ステップを動かさなければならなくなったら、計画が変わらないふりをせず、そう伝えて絵を入れかえましょう。大人が落ちついて柔軟にふるまう姿を見せると、変化はなんとかなるものだとお子さまに伝わります。ちょっと入れかえただけで全部がくずれないよう、表はシンプルにしておきましょう。
使いまわして、みがいていく
一度つくれば、ひな形が手に入ります。絵を封筒にしまっておけば、次のお出かけのときに数分で表を組みたてなおせます。そのうち、わが子にはどのステップをていねいに見せる必要があって、どれは気にせず乗りこえられるかがわかってきて、旅のスケジュール表は、家族がどこへでも出かける準備の、静かでたよれる一部になっていきます。
押さえておきたいこと: 旅を、お子さまが見て動かせる5、6枚の絵にしましょう。「次は何?」に、一日じゅうはっきり安心できる答えがあるように。