空港の待ち時間、小さな子とどう過ごす?

飛行機そのものは、じつはわりと楽なことが多いのです。小さな子をすりへらすのは空港のほう。保安検査の列、混みあった搭乗口、そして子どもの我慢がとっくに切れたころに流れる「出発が40分遅れます」のアナウンス。空港での待ち時間は、あいだの時間とのたたかいです。長くて、たいくつで、刺激が多すぎて、することも走る場所もない時間。少しの計画で、その時間を試練から、ふたりともそこそこの気分で乗りきれるものに変えられます。

子どもに何を求めているかを知る

にぎやかなターミナルは、小さな子に、じっとすわって、静かにして、手をつないで、何時間も気長に待つことを、いっぺんに求めます。さわがしくて、知らない人だらけで、さわってはいけないおもしろいものでいっぱいの場所で。「いま」だけを生きている人にとって、それはとても大きな要求です。そう考えると、ときどきのかんしゃくは、悪いふるまいというより、むちゃな状況へのもっともな反応に見えてきます。大人の役目は、まだ育っていない自制心を求めることではなく、待ち時間をちぢめ、たいくつをやわらげることです。

着く時間を、よく考える

航空会社は早めに来るよう言いますし、子ども連れなら実際そうすべきです。小さな子を連れてあわてるのは、それだけで大惨事だからです。でも、バランスもあります。保安検査をさっと通りぬけたあと、搭乗口で3時間待つことになるほうが、少し時間に余裕がないより大変なこともあります。できれば、チェックインと保安検査といった面倒な部分をすませたら、すぐ搭乗口にすわりこむのではなく、お子さまができることをさがしましょう。小さなキッズスペースのある空港も多いので、出かける前にネットで調べておく価値があります。

すわる前に、体を動かす

空港の待ち時間のためにできるいちばんのことは、早めに体を動かしておくことです。ターミナルで歩いて、のぼって、元気を発散した子は、ずっとベビーカーにのっていた子より、機内でずっとよくすわっていられます。保安検査を通ったら、静かなすみっこや、人の少ない長い通路をさがして、歩いたり、行進したり、搭乗口のまわりを何周かしたり、自分の小さなスーツケースを押したりさせてあげましょう。疲れた足は、落ちついたフライトを連れてきます。

食べ物と水分は、計画的に

おなかがすいた、のどがかわいた、が重なると、ふつうの待ち時間がつらい時間に変わります。食べなれたおやつを持っていきましょう。空港の食べ物は高く、小さな子を連れて買うのは時間がかかり、お子さまが実際に食べるものではないこともよくあるからです。空の水筒を持って保安検査を通り、あとで水をくむか、中に入ってから水を買いましょう。1回の大きな食事より、小さなおやつを少しずつ。そして、どうせ来る遅れのために何かを残しておきましょう。

小さくて静かな、気分転換の袋を

おもちゃをスーツケースいっぱいに持っていく必要はありません。新しいもの、ひさしぶりに出すものを少しずつ、ひとつずつ取りだすほうが、全部いっぺんに出すよりずっと長もちします。ターミナルで役立つのは、たとえばこんなものです。

  • シールと安いノート。
  • ミニカーや小さな人形をいくつか。
  • 短いボードブックを2冊ほど。
  • 大きなガラス窓に貼ってはがせる、窓用のジェルシール。
  • いちばん大変な時間のためにとっておく、番組をダウンロードしたタブレット。

画面は、意識して小出しに。早く使いすぎると、遅れが出たときや搭乗が始まったときに、もう何も残っていません。

空港そのものを、楽しみに

空港は、小さな子にとって本当におもしろいものでいっぱいで、見るだけならお金もかかりません。窓辺に立って、飛行機がうしろに押しだされ、地上を走り、飛びたっていくのをながめましょう。荷物のカートを数える、犬を全部見つける、赤いものを全部さがす、出発案内の表示が切りかわるのを見る。「見て、あの大きな飛行機、くるっと回ってるよ」と見えるものを実況すると、おもちゃがひとつもなくても、小さな子は夢中になり、時間もすぎていきます。

ぐらつきは、大さわぎになる前に

どんなにいい計画でも、疲れと刺激の多さはいつか追いついてきます。ぐずる、べったりになる、すぐにいらいらする、といった早めのサインに気づいて、こぼれる前に手を打ちましょう。静かな場所へ移り、おやつと抱っこを差しだし、まわりの刺激を減らします。本格的なかんしゃくが来たら、落ちついてそばにいて、安全を守り、その場で言いきかせたり取引したりせずに、おさまるのを待ちましょう。ほかの旅行者は、不安な親が思っているよりずっと思いやりがありますし、ほとんどの人が、まさに同じところを通ってきています。

来ないでほしい遅れに、備えておく

遅れはよくあることなので、あるものとして計画しましょう。あけていないおやつをひとつ、見せていないおもちゃをひとつ、まだ使っていない画面を残しておきます。備えがあるとわかっていれば、「90分遅れます」のアナウンスにもあわてずにすみます。何が起きているかかんたんなことばでお子さまに伝え、表示板を指さして、危機ではなく、うめるべき時間がもうひと区間ふえただけ、と考えましょう。

健康について考えたいとき

待つこと自体は医学の問題ではありません。ただ、出発前にお子さまの具合が悪い、熱がある、どこか痛がっている、ひどい鼻かぜで機内の気圧の変化で耳が痛くなりそう、という場合は、飛ぶ前に医療機関に相談しておく価値があります。混んだターミナルで具合の悪い小さな子と過ごすのは、だれにとってもずっと大変です。さっと診てもらうことで、つらい一日を防げることがあります。

覚えておきたいこと: 早めにたっぷり体を動かし、食べ物と水分は少しずつ。小さなおもちゃはひとつずつ出して、遅れのときに使えるものをいつも残しておきましょう。

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