ベビーカーをいやがる2歳の子。お出かけでどうする?

いやがる小さな子をベビーカーにのせようとしたことがある人なら、あの動きを知っています。弓なりにそる背中、板のようにかたい足、急にありえないほどかちかちになる体。ついこのあいだまでどこへでもごきげんでのっていたのに、ある日とつぜん、ベビーカーをわなのようにあつかいはじめる。お出かけで小さな子がベビーカーをいやがると、文字どおり立ち往生して、行きたい場所に行けなくなってしまいます。なぜ起きるのかを知り、いくつか作戦を用意しておけば、ずっと少ないたたかいで、ふたりともまた動きだせます。

とつぜんいやがるようになるわけ

ベビーカーへの反抗は、ほとんどの場合、いたずらではなく、育ってきた自立心のしるしです。よく動けるようになり、自信がついてくると、小さな子は歩きたい、探検したい、自分のやり方でやりたいと思うようになります。そして、シートにベルトでしめられることは、まさにその正反対に感じられるのです。長くすわりすぎたあとの単純な落ちつかなさ、居心地の悪さ、小さな子が自分で決められることのほとんどない一日のなかで、少しでも主導権がほしいという気持ちのこともあります。そう考えると、ベビーカーをいやがる小さな子は、タイミングはいらだたしくても、健やかに育っている姿を見せてくれているのです。

安全なときは、歩かせてあげる

いちばんわかりやすい答えが、たいてい正解です。お子さまが歩きたいなら、安全で急いでいないときは、いつでも歩かせてあげましょう。小さな子は一日の多くの時間、活発に動いているのが本来の姿で、歩くことはとてもいいことです。お出かけには時間を多めに見ておき、マンホールのふたやタンポポのひとつひとつで立ちどまる子どものペースでのぶらぶら歩きを、困りごとではなく、お出かけの見どころにしてしまいましょう。歩いて探検した子は、足が疲れたあとなら、たいていずっとよろこんでベビーカーにのってくれます。

ベビーカーは、いつもの場所ではなく予備に

役に立つ考え方の切りかえは、ベビーカーを「子どもがいなければいけない場所」ではなく、「休む場所、荷物を運ぶもの」としてあつかうことです。安全な区間は歩かせて、こんだ道路、長い距離、くたくたのときなど、そうでない区間にベビーカーを使います。ベビーカーをおりのようなものではなく、ときどき立ちよる休憩所として位置づけると、お出かけのあいだずっととじこめられているとは感じなくなり、いやがる気持ちが半分消えることもよくあります。

のりたくなる工夫を

どうしてもベビーカーにのってほしいときは、とっくみあいより、ちょっとした心理作戦のほうがききます。「自分でぴょんとのる?それとも手伝おうか?」と、かんたんな選択肢を出して、自分で決めている感じを取りもどしてもらいましょう。おやつを持つ係、地図の係、高いところからバスを見つける係と、役目をあげる。「公園までびゅーんと速く行こう」とゲームにしたり、のったら持てる小さな気分転換を差しだしたり。ベビーカーにのったときだけ出てくるおやつやお気に入りのおもちゃが、おどろくほどきくこともあります。

ベビーカー以外の選択肢も

ときには、まったくちがう運び方が答えのこともあります。ベビーカーはいやだけれど大人のそばにはいたい子には、抱っこひもやヒップシートが合うことがあります。きょうだいのベビーカーにつけるステップなら、大きめの小さな子が立ってのれて、お兄さんお姉さん気分を味わえます。迷子ひもや手首のベルトなら、車の近くでは大人が安全を守りながら、子どもは少し自由に歩けます。お出かけで小さな子がベビーカーをいやがっても、代わりの作戦があれば、本当に立ち往生することはありません。

その場では、落ちついて

かちかちになって大泣きする小さな子との人前でのにらみあいはストレスで、むりにでもと思う気持ちが強くなります。できるだけ落ちついて、急がずにいましょう。ぴりぴりしたとっくみあいは、たいていいやがる気持ちを強めるだけです。「歩きたいんだよね、わかるよ」と気持ちを受けとめ、安全に歩かせるか、はっきりした、やさしい選択肢を出します。安全のためにどうしてものせなければならないときは、やさしく、でもきっぱりのせ、抗議はおさまるのを待ち、大事件にせずに先へ進みましょう。大人のゆるがなさは、たたかうより早く場をおさめてくれます。

火種を、先に防ぐ

いやがる場面の多くは予想できて、少しの先読みでさけられます。ベビーカーに1時間おしこめられた子は、次にのせようとしたとき抵抗します。だから、こまめにおりて動けるチャンスを計画しましょう。落ちつかなくなってきたら、反抗するところまで行く前に足をのばさせます。暑すぎない、おなかがすいていない、ベルトがわずらわしくないなど、快適かどうかも確かめましょう。最初からお出かけに体を動かす時間を組みこんでおけば、いやがる気持ちに燃料をそそぐ、たまった元気がふくらむのを防げます。

安全だけは、ゆずらない

柔軟さは、危険が始まるところで終わりです。道路の近く、駐車場、こんだホームなど、子どもが危ないところへ飛びだしかねない場所では、どれだけ大声でいやがっても、手をつなぐか、ベルトでしめるか、安全な形で守らなければなりません。これは交渉の余地はありません。ベビーカーをいやがるなら、迷子ひもやしっかりつないだ手を使って、はっきり、いつも同じようにしましょう。本当に危ない場所での少しのきびしさは、まったく公平なことで、お子さまを守ってくれます。

安心してほしいこと

ベビーカーをいやがるのは、小さな子の時期によくある、過ぎていく一時期で、何かがおかしいしるしではありません。お子さまが長い距離を歩けるようになるにつれて、この問題はたいてい自然と消えていきます。それまでは、たくさん歩いて、根気をもって、時間を少し多めにとれば、毎日のたたかいが、なんとかなる、ときにはなかなかすてきな寄り道に変わります。

今日からのヒント: いやがるのは健やかな自立心と受けとめましょう。安全なときは歩かせ、ベビーカーはおりではなく休憩所として使い、きっぱりするのは安全が必要な場面だけに。

NHS, Temper tantrums

WHO, Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age