幼児と博物館を楽しむ。うまくいく行き方のコツ

博物館はすてきなお出かけに思えます。3歳の子が貴重な展示の前を「つまんない」とさけびながら走りぬけていく姿を想像するまでは。博物館は、もともと大人の場所としてつくられています。静かで、さわれないものでいっぱいで、することより読むことを中心にできている。それでも、向きあい方しだいで、小さな子を本当によろこばせてくれます。コツは、大人の見学を小さくしたものとして考えるのをやめることです。ここで紹介するコツは、どれも、小さな子が実際に世界をどう感じているかに、お出かけを合わせるためのものです。

成功のイメージを変える

最初の切りかえは、大人の頭の中です。幼児との博物館の成功は、すべての展示室を見ることでも、すべての説明を読むことでもありません。お子さまが楽しく好奇心いっぱいの1時間を過ごし、また来たいと思って帰ることです。大人の基準ではかると、失敗したと感じるでしょう。お子さまの楽しさではかれば、ちゃんと見たのが3つだけでも大成功になります。子どもサイズのひかえめな期待で行けば、プレッシャーはまったくなくなります。

短く、早めに

小さな子が、こうした場所で過ごせる体力はかぎられているので、短めにしましょう。幼児なら1時間、それより短くても十分で、すべてがくずれるまでねばるより、まだ楽しんでいるうちに出るほうがずっといいのです。お子さまが元気で休めていて、館内もすいている朝のうちに着けば、動ける広さがあり、待ち時間も減ります。いい気分のまま終われば、みんながまた来たくなります。

見るものを1つか2つ決めて、あとは手ばなす

幼児と博物館をまるごと見ることはできないので、しようとしないこと。恐竜の骨格、鉄道の模型、ぴかぴかのよろいがならぶ部屋など、お子さまが大好きになりそうな見どころを1つか2つ選んで、そこへ向かいましょう。ほかは全部おまけです。この年ごろのためにつくられた、親子向けのワークシートやキッズコーナーがある博物館もあります。行く前にさがしておきましょう。40の展示の前を引っぱっていくのではなく、夢中になったひとつのものの前にいつまでもいさせてあげること。それがこの遊びのすべてです。

さわれる、参加できるものを中心に

幼児は読むことではなく、体と遊びで学ぶので、参加型の展示に乗っかりましょう。さわれる展示、おせるボタン、持ちあげられるもの、めくれるしかけ、なりきりコーナー、発見ボックスは、ガラスの向こうのものよりずっと長く小さな子の注意を引きつけます。最近は、小さな子のためのすばらしい体験コーナーや遊び場がある博物館も多くあります。できれば、こうした体を動かせる場所を中心に道すじを考え、静かな展示室は、とちゅうでさっと通りぬけるくらいにしましょう。

見ることを、ゲームに

さわれない部分は、観察を遊びに変えましょう。お子さまにかんたんなミッションを。赤いものを見つける、動物を全部さがす、ふねを数える、部屋でいちばん大きいものをさがす。ちょっとした宝さがしで、ただ見るだけだったものが、幼児も夢中になれる冒険になります。知識を読みあげるのではなく、問いかけましょう。「あれは何に使ったと思う?」「どれがいちばん好き?」「どんな音がしたと思う?」。お子さまの想像力は、どんな説明書きより多くのことをしてくれます。

実際的な準備をする

快適な子は協力的な子なので、基本をととのえましょう。おなかがすくと、飽きるより早く見学は終わってしまうので、水とおやつを持ち、カフェや食べられる場所があるか確かめておきます。トイレとおむつがえの場所も知っておきましょう。展示室ではベビーカーが助けになるか、じゃまになるかを前もって決めておきます。人混みでは抱っこひものほうが楽なこともあります。とちゅうで休けいを入れましょう。すわる、おやつを食べる、外で少し走る。次の区間の前に充電できます。

子どもについていき、帰りどきを知る

幼児と博物館を楽しむコツは、結局ひとつの考えにもどってきます。子どもについていくこと。ひとつの展示に心をうばわれたら、それが有名な展示でなくても、そこにいましょう。急に帰りたがったら、たいくつがかんしゃくに変わる前に帰れるよう準備しておきましょう。お子さまの限界をこえてねばっても、見学が救われることはめったになく、たいていは台なしになります。ごきげんな子と少し早めに帰るのは勝ちで、次のお出かけにも誘いやすくなります。

家でも、体験を続ける

短い博物館の見学から、そのあと何日も遊びが広がることがあり、本当の学びの多くはそこで起きます。帰り道に見たものの話をし、撮った写真をいっしょに見て、遊びにつなげましょう。恐竜の秘密基地をつくる、電車の絵を描く、騎士になりきる。お出かけがお子さまの想像力につながり、博物館は考えてみたくなるものでいっぱいの、わくわくする場所なのだと、さりげなく伝わります。

そっと安心してほしいこと

お子さまが博物館を、うるさい、人が多い、さわっちゃだめばかりと感じて、いっぱいいっぱいになっても、この年齢ではまったくふつうのことで、何かがおかしいしるしではありません。まだ準備ができていない場所がある幼児もいますし、いまの短く楽しいお試しが、のちの長い見学へとつながっていきます。急ぐ必要はありませんし、博物館が苦手な子というものはいません。あるのは、もっと短く、もっとさわれる形にしたほうがいいお出かけだけです。

大切なこと: 短めに、見どころは1つか2つ、さわれる展示を追いかけて、楽しさがくずれる前、まだ楽しんでいるうちに帰りましょう。

NHS, Play ideas and reading

UNICEF, How play helps children's development