昼間にたくさん遊ぶと、幼児はよく眠る?

「公園でたくさん走らせたら、今夜こそすぐ寝てくれるはず」。そう思って出かけたのに、帰ってきたらかえって目がさえていた。そんな経験はありませんか。幼児の眠りは、年齢、食事、体調、お昼寝、発達、家族の暮らしかたで形づくられています。疲れさせることだけに頼るより、24時間全体、今の体調、寝る環境から考えるほうが確かです。

ひと言でいうと

日の光、体を動かすこと、ふだんの活動は、眠気の高まりと体内時計を支えてくれます。でも、くたくたに疲れさせることは、確かな眠りの対策ではありません。夜遅くのはげしい遊びや、予定を詰めこみすぎた1日は、かえって寝つきを悪くする子もいます。

実際にはどうするか

1日の中に、外で体を動かす遊びを入れ、寝る前は静かな時間にしましょう。食事とお昼寝の時間は、ある程度そろえます。画面の光は一部にすぎず、興奮する内容や、寝る前の流れが遅れることも影響します。バランスのよい1日を過ごしても眠りの悩みが続くなら、もっと体を動かさせるのではなく、心地よさ、生活の時間、呼吸について医師と見直しましょう。

まず見ておきたいこと

ふだんどおりの何日かについて、寝た時刻と寝ついた時刻、夜の目ざめ、授乳や食事、お昼寝、朝の起床を記録します。もし、いびき、呼吸が止まる様子、痛み、かゆみ、病気、薬、昼間の強い眠気があれば、それも必ず書いておきましょう。生活の工夫か受診か、どちらが先かを判断する大切な手がかりです。

体を動かす1日のつくりかた

  • 1日の中に、体を動かして遊ぶ機会を何回か入れましょう。
  • できるときは、外に出ましょう。
  • ベビーカーや椅子にじっと座っている時間を長くしすぎないようにしましょう。
  • 寝る前は、落ち着いた遊びに切りかえましょう。

どれもまとめてやる必要はありません。安全な眠りを土台に、現実的にできそうな工夫を1つだけ選んで、体調がよければ何日か続けてみます。結果を見るときは、アプリの点数ではなく、1日の眠りの合計、子どもの様子、家族の安全を物差しにしましょう。

よくある質問

寝る前に走らせれば、早く眠る?

寝る直前のとても興奮する遊びは、眠りへの切りかえをむずかしくする子もいます。

スクリーンタイムは、24時間の生活に影響する?

WHOは、小さな子どもが座ったまま画面を見る時間を減らし、体を動かす遊びと睡眠を優先するようすすめています。

運動すれば、どんな眠りの悩みも解決する?

いいえ。眠りの悩みには、行動、環境、病気など、いろいろな原因があります。

保育園や家族と、方針をそろえる

保育園の先生や祖父母とは、「1日に何回か体を動かして遊ぶ」「できるときは外に出る」といった方針を共有しておきましょう。何日でよく眠るようになるかを約束するより、大人がすることを決めておくほうが続きます。呼吸、痛み、食事でどんなサインがあれば工夫をやめて受診するかも書いておけば、夜中に疲れた大人がその場で決めずにすみます。

1週間ふり返ってみる

いつもの1週間について、眠りを昼も夜もあわせて見ましょう。眠る機会、眠ったおおよその時間、お昼寝、授乳や食事、体調、大人のこたえかたをメモします。分刻みの記録は、医師から頼まれない限り不要です。大まかなパターンのほうがわかりやすく、疲れた保護者がさらに不安になることもありません。

7日たったら、夜に起きることがなくなったかだけでなく、休める時間の合計、安全、家族の乗りきりやすさがよくなったかを考えましょう。役立った工夫は1つ残し、寝不足が続くようになった工夫はやめます。呼吸、痛み、授乳や食事、いつにない目のさえかたで気づいたことは、工夫を続けるより先に、医療者に伝えましょう。

安全と体調のチェック

最初に、呼吸、痛み、熱、かゆみ、飲んでいる薬、昼間の強い眠気がないかを見ます。窓やブラインドのひも、よじのぼれる家具など、寝室の安全も点検しましょう。処方されていない睡眠のための薬やサプリは使わないこと。そして大人が、翌日も子どもを見守り、安全に運転できるだけの余力を残せる対応を選びましょう。

つまずきやすいところ

  • SNSのもっともらしい情報を信じて、原因を1つに決めつける。
  • 眠りにかかわる工夫を、同じ日にいくつも重ねてしまう。
  • 便利さと引きかえに、安全な寝床をあきらめてしまう。
  • 体の不調を、眠りのくせだと考えてしまう。

前進のしるし

よい変化は、たとえばこんな形であらわれます。寝つきが楽になった、すっかり起きてしまうことが減った、お昼寝のリズムが回しやすくなった、大人が落ち着いて安全にこたえられるようになった。ばらつきはあって当たり前なので数日かけて見直し、疲れすぎが続く、家族が回らないといった工夫はやめましょう。

もっと助けを求めたいとき

受診したいサインは、呼吸の変化や止まる様子、大きないびきが続くこと、痛み、飲みや食欲の悪さ、体重が増えないこと、いつになく起きにくいこと、昼間の強い眠気、急な大きな変化です。息が苦しそう、顔色が青い、呼びかけに反応しないときは、すぐに救急へ。大人の疲れきった状態も、手助けを求める立派な理由です。

覚えておきたいこと

最初にするのは、寝る環境を整え、体調を確かめること。時間や寝かしつけの工夫は、そのあとです。家族が安全にできる変化を1つ選び、1日全体で判断しましょう。呼吸、痛み、授乳や食事、体重、いつにない眠気、大人の疲れが気になるときは、専門家に相談してください。

ポイント: 昼間の遊びと眠りは、安全で役に立つ次の一歩を1つ。それを無理なくくり返せる形にしておきましょう。

NHS, Helping your baby to sleep

NHS, Sudden infant death syndrome

WHO, Sleep guidance for children under five