眠そうなのに寝ない幼児、どうして?

あくびをして目をこすっているのに、「まだ遊ぶ!」「もう1冊!」と布団から逃げ出す。毎晩の寝かしつけが攻防戦になると、大人もへとへとです。幼児の眠りは、年齢、食事、体調、お昼寝、発達、家族の暮らしかたで変わります。しつけを厳しくする前に、24時間の様子、今の体調、寝る環境を見てみましょう。

ひと言でいうと

寝るのをいやがる理由はいろいろです。自分で決めたい気持ち、親と離れる不安、寝る時刻と眠くなる時刻のずれ、刺激の強い遊び、長くなりすぎたルーティン。寝つくまでに長くかかる子は、決めた時刻にはまだ眠くないのかもしれません。反対に、疲れすぎた子は、静かに眠くなるどころか、かえって元気になってしまうことがあります。

実際にはどうするか

寝る直前の流れは短く、毎晩同じにしましょう。約束ごとは流れがはじまる前に伝え、こたえるときはできるだけ淡々と。お昼寝の時刻や実際に眠った時間を数日かけて見直してから、少しずつ調整します。痛み、かゆみ、呼吸の症状、続くいびき、新しく強く出てきた苦しそうな様子は、もっと厳しくするためではなく、医師に相談するためのサインです。

まず見ておきたいこと

いつもどおりの数日について、寝床に入れた時刻、実際に眠った時刻、夜に起きた回数、授乳や食事、お昼寝、朝起きた時刻をメモしてみましょう。いびき、呼吸が止まる様子、痛み、かゆみ、病気、薬、昼間のいつにない眠気があれば書き加えます。生活の工夫で足りるのか、受診したほうがいいのかは、こうした様子で決まります。

寝る前の流れを、短く、同じに

  • 寝る時間に切りかわる少し前に、短く予告しましょう。
  • 刺激の強い遊びは控えめに。
  • 毎晩、最後の合図を同じにしましょう。
  • 「もう1回」のお願いには、毎回同じように淡々とこたえましょう。

一度にあれもこれも変えると、何が効いたのかわからなくなります。安全な眠りを守ったうえで、工夫は1つずつ。体調が落ち着いているなら、ふだんの数日はそのまま続けましょう。判断の基準は、アプリの数字ではなく、眠りの合計、子どもの元気、家族の安全です。

よくある質問

寝るのをいやがるのは、眠くないから?

そうとは限りません。幼児は、眠いときでも切りかえをいやがることがあります。

お昼寝をやめたほうがいい?

必要なお昼寝は年齢とともに変わります。大きく変える前に、24時間の眠りの合計を考えましょう。

寝る時刻は遅いほうがいい?

そうとは限りません。遅すぎると、かえって気持ちがみだれてしまう子もいます。

寝かしつけ役が交代しても、同じように

ママの日とパパの日でやりかたが違うと、子どもは「今日はいけるかも」とねばりがちです。祖父母や保育園のお昼寝とも、「切りかえの前に短く予告する」「刺激の強い遊びは控える」といった手順をそろえましょう。何日で寝るようになるかを約束するのではなく、大人がすることを決めておきます。呼吸、痛み、食事でどんなサインがあれば工夫をやめて受診するかも書いておけば、夜中に疲れた大人がその場で決めずにすみます。

1週間分を、ざっくり見直す

ふだんどおりの1週間、眠りを1日全体と合わせて見てみましょう。眠る機会、実際に眠ったおおよその時間、お昼寝、授乳や食事、体調、大人のこたえかたをメモします。医師に頼まれない限り、分刻みの記録はいりません。ざっくりしたパターンのほうが読みとりやすく、疲れた保護者の不安もふくらみにくいのです。

1週間後に考えたいのは、目ざめが完全になくなったかではありません。休める時間の合計、安全、家族の回しやすさがよくなったかどうかです。役に立った工夫は1つ残し、寝不足が続くようになった工夫は元に戻します。呼吸、痛み、授乳や食事、いつにない目のさえかたで気になったことは、工夫を長引かせず医療者に。

安全と体調のチェック

工夫をはじめる前に、呼吸、痛み、熱、かゆみ、薬、昼間のいつにない眠気をチェック。窓、ブラインドのひも、のぼれる家具の安全も確かめます。医師の処方がない眠りの薬やサプリには頼らないでください。対応は、大人が次の日も見守りや運転を安全にできる範囲で選ぶことが大切です。

よくある落とし穴

  • SNSで見たやりかたに引っぱられて、原因はひとつだと思いこんでしまう。
  • 一度に、眠りにかかわることをあれこれ変えてしまう。
  • 手軽さのために、安全な寝床をあきらめる。
  • 体の不調のサインを、眠りの習慣の問題だと思ってしまう。

落ち着いてきたかの目安

前進のしるしは、寝つきの楽さ、完全に目がさめる回数の減少、回しやすいお昼寝、そして大人が安全に対応できるという手ごたえです。波はあるものと考え、何日かの単位で見ていきましょう。寝不足が続いたり、家族の生活が回らなくなったりする工夫は、元に戻してかまいません。

医療者に相談したいサイン

呼吸の変化や止まる様子、大きないびきが続く、痛み、飲みや食欲が悪い、体重が増えない、いつになく起きにくい、昼間の強い眠気、急な大きな変化があるときは受診しましょう。息が苦しそう、顔色が青い、呼びかけに反応しないときは、すぐに救急を。大人の疲れきった状態も、手助けを頼んでいい立派な理由です。

覚えておきたいこと

大切なのは順番です。寝る環境と体調の確認が先、時間や寝かしつけの工夫はそのあと。変えるのは家族が安全に続けられることを1つだけにし、1日全体で見ます。呼吸、痛み、授乳や食事、体重、いつにない眠気、大人の疲れが心配になったら、専門家を頼りましょう。

ポイント: 寝るのをいやがる夜は、いちばん安全で役に立つ次の一歩を選び、くり返せる形にしておきましょう。

NHS, Helping your baby to sleep

NHS, Sudden infant death syndrome

WHO, Sleep guidance for children under five