赤ちゃんに必要な睡眠時間は?月齢・年齢別の考えかた

「うちの子、眠りが足りていないのでは」。夜中にスマホで睡眠時間の表を調べていると、数字が足りないだけで不安になるものです。でも眠りは、月齢だけでなく、授乳、体調、お昼寝、発達、家の生活リズムでも変わります。いちばん安全なのは、表の数字に合わせることや「すぐに整う」方法ではなく、赤ちゃんの24時間全体、今の体調、寝る環境から考えることです。

ひと言でいうと

睡眠の目安は、お昼寝もふくめた24時間の「幅」として示されています。すべての子がぴったり合わせなければいけない目標ではありません。新生児の眠りは細切れで、月齢が進むにつれて、少しずつ夜にまとめて眠るようになります。気質、発達、病気、授乳によって、目安の幅の中で多くなったり少なくなったりします。

実際にはどうするか

睡眠時間の合計だけでなく、機嫌、授乳、体重の増え、目ざめているときの様子とあわせて見ましょう。記録は、何かを決めるのに役立つときだけ短くつけます。体の動きをはかっているアプリの推定値は眠りそのものではないので、くらべすぎないようにしましょう。大きな変化が続く、いつにない眠気、呼吸の症状、体重が増えないといったときは、医師に相談してください。

まず見ておきたいこと

ふだんどおりの何日かについて、寝た時刻と寝ついた時刻、夜の目ざめ、授乳や食事、お昼寝、朝の起床を記録します。もし、いびき、呼吸が止まる様子、痛み、かゆみ、病気、薬、昼間の強い眠気があれば、それも必ず書いておきましょう。生活の工夫か受診か、どちらが先かを判断する大切な手がかりです。

24時間の眠りをざっくり確かめる

  • 1日分の夜の眠りとお昼寝を足してみましょう。
  • そのパターンを、月齢に合ったWHOの目安とくらべてみましょう。
  • 昼間の機嫌や、目ざめているときの様子を見てみましょう。
  • できる範囲で、朝起きる時刻を毎日だいたいそろえましょう。

どれもまとめてやる必要はありません。安全な眠りを土台に、現実的にできそうな工夫を1つだけ選んで、体調がよければ何日か続けてみます。結果を見るときは、アプリの点数ではなく、1日の眠りの合計、子どもの様子、家族の安全を物差しにしましょう。

よくある質問

お昼寝も1日の睡眠時間に入る?

はい。WHOの5歳未満向けの目安では、お昼寝も24時間の合計にふくめています。

どの子も同じ時間だけ眠る必要がある?

いいえ。公的な目安は「幅」で示されています。

スケジュールどおりにするために、起こしたほうがいい?

医師から別の指示がない限り、眠りの習慣は、決まった数字を追いかけるためではなく、健康と家族の暮らしを支えるためのものです。

いっしょにお世話をする人と決めておく

祖父母や保育園と眠りについて話すときは、「1日分の夜の眠りとお昼寝を足してみる」「月齢に合ったWHOの目安とくらべる」といった共通のやりかたを決めておくと、見かたがそろいます。何日で整うかを約束するのではなく、大人が何をするかを言葉にしておきましょう。呼吸、痛み、授乳でどんなサインがあれば受診するかも書いておけば、夜中に疲れた大人がその場で判断しなくてすみます。

1週間ふり返ってみる

いつもの1週間について、眠りを昼も夜もあわせて見ましょう。眠る機会、眠ったおおよその時間、お昼寝、授乳や食事、体調、大人のこたえかたをメモします。分刻みの記録は、医師から頼まれない限り不要です。大まかなパターンのほうがわかりやすく、疲れた保護者がさらに不安になることもありません。

7日たったら、夜に起きることがなくなったかだけでなく、休める時間の合計、安全、家族の乗りきりやすさがよくなったかを考えましょう。役立った工夫は1つ残し、寝不足が続くようになった工夫はやめます。呼吸、痛み、授乳や食事、いつにない目のさえかたで気づいたことは、工夫を続けるより先に、医療者に伝えましょう。

安全と、心地よさを守る

赤ちゃんが眠るときは、いつも安全な睡眠の目安があてはまります。あおむけで、大人とは別の、何も置いていないかたくて平らな寝床に寝かせ、枕、ベッドガード、ゆるい寝具、ベビー用の寝かせクッション、傾斜のある用品は使わないでください。疲れていても、ソファやひじかけ椅子をその場しのぎの寝床にしないようにしましょう。

うまくいかなくなる、よくある理由

  • SNSのもっともらしい情報を信じて、原因を1つに決めつける。
  • 眠りにかかわる工夫を、同じ日にいくつも重ねてしまう。
  • 便利さと引きかえに、安全な寝床をあきらめてしまう。
  • 体の不調を、眠りのくせだと考えてしまう。

よくなってきたかの見きわめかた

よい変化は、たとえばこんな形であらわれます。寝つきが楽になった、すっかり起きてしまうことが減った、お昼寝のリズムが回しやすくなった、大人が落ち着いて安全にこたえられるようになった。ばらつきはあって当たり前なので数日かけて見直し、疲れすぎが続く、家族が回らないといった工夫はやめましょう。

もっと助けを求めたいとき

受診したいサインは、呼吸の変化や止まる様子、大きないびきが続くこと、痛み、飲みや食欲の悪さ、体重が増えないこと、いつになく起きにくいこと、昼間の強い眠気、急な大きな変化です。息が苦しそう、顔色が青い、呼びかけに反応しないときは、すぐに救急へ。大人の疲れきった状態も、手助けを求める立派な理由です。

覚えておきたいこと

最初にするのは、寝る環境を整え、体調を確かめること。時間や寝かしつけの工夫は、そのあとです。家族が安全にできる変化を1つ選び、1日全体で判断しましょう。呼吸、痛み、授乳や食事、体重、いつにない眠気、大人の疲れが気になるときは、専門家に相談してください。

ポイント: 睡眠時間は、安全で役に立つ次の一歩を1つ。それを無理なくくり返せる形にしておきましょう。

NHS, Helping your baby to sleep

NHS, Sudden infant death syndrome

WHO, Sleep guidance for children under five