ベランダや庭先で、水でお絵かき
ベランダや庭先、玄関の前のちょっとしたスペースがあれば、いちばんシンプルな創作遊びのひとつに必要な物はそろっています。水のお絵かきは、水を入れた容器と筆だけ。それなのに、小さな子を驚くほど長く夢中にさせます。こぼれる絵の具も、しみになる色もなく、片づけはお日さまにまかせるだけです。
水で描くことの魅力
小さな子は「こうすると、こうなる」に夢中で、水のお絵かきはそれをみごとに見せてくれます。乾いた敷石や壁に筆で水をつけると、こい色の跡があらわれ、乾くにつれてゆっくり消えていく。同じ場所に何度も描いて、跡があらわれては消えるのを見られます。何度でもくり返せて、すべて自分で動かせるこのやさしい魔法は、まさに小さな子をまるごと夢中にさせるもの。それがコップ1杯の水から生まれます。
せまい外のスペースにぴったりな理由
ベランダやテラスは、汚れる絵の具にはせまくても、水ならぴったりです。色がないので、守る物もだめにする物もありません。床、壁、手すり、フェンスに描いても、すべて乾いて消えていきます。だから、ふつうの外のお絵かきは無理だと思えるマンションや庭のない家にも理想的。小さなかたい面がひとつあればじゅうぶんです。
用意する物
これ以上ないほどシンプルです。水を入れた小さな容器かバケツ、大きめの筆かきれいな刷毛、描く乾いた面。太めの筆は小さな手に合い、水もたっぷりふくみます。変化をつけるならスポンジ、ローラー、霧吹きを足してもいいですが、なくてもかまいません。準備がほとんどいらないことが魅力の半分。手早く落ちついて遊べることがほしいとき、1分もかからずに用意できます。
遊びを広げるアイデア
コツをつかんだら、ひと工夫でおもしろさが続きます。大きく塗るローラー、ぽんぽんするスポンジ、にぎる霧吹きなど、ちがう道具を出してみましょう。霧吹きは小さな手も強くします。敷石に形や文字、名前を描こうと誘うのも。チョークの絵に水を塗って、にじませたりぼかしたりするのも楽しいものです。バケツをわたして、ペンキ屋さんのように壁を塗るごっこ遊びにすることもできます。
水のお絵かきと学び
お勉強にしなくても、やさしい学びを織りこめます。大きな丸や線や文字を描くことは、字を書くのに必要な手の動きを支えます。跡があらわれて消えるのを見ると、ぬれてる、乾いてる、こい、うすい、はやい、おそい、と話がはずみます。いっしょに筆の回数を数えたり、子どもが描いた形の名前を言ったりしても。軽く、子どもにまかせながら、このシンプルな遊びがことば、文字の芽、指先の力を静かに支えていることを知っておきましょう。
外での水遊びの安全
シンプルな水遊びでも気配りが必要です。浅い容器でも、小さな子を水とふたりきりにしないで。小さな子はほんの少しの水でも危険なことがあります。ベランダではとくに安全が大切です。手すりがしっかりしているか確かめ、よじのぼったり、身を乗りだしたり、物を下に落としたりできないようにして、ずっといっしょにいましょう。ぬれた面はすべりやすいので転倒に気をつけ、終わったら水はすぐに捨てて、ためたままにしないで。暖かい日は日焼け対策も。
気持ちよく、短めに
水のお絵かきは、長く続けるより、短く楽しく区切るのがいちばんです。小さな子はたいてい10分か15分満足そうに描いたら、次のことに移りたくなり、それがこの遊びにちょうどいいのです。少しは水がかかるので、ぬれてもいい服で。外に立っているのが気持ちいい、おだやかな日を選びましょう。暖かい午後なら、服に少し水がかかるのは困りごとではなく楽しさのうちです。
絵の具が苦手な子にも
水のお絵かきは、汚れがきらいな子や、ふつうの造形をいやがる子へのやさしい入り口です。ベタベタの絵の具も、色のついた手も、まちがえる不安もなく、きれいな水と消えていく跡だけ。慎重な子や手ざわりに敏感な子も、苦手な感覚なしに、動きと「こうすると、こうなる」を楽しめます。その、プレッシャーのない、跡をつけるいい体験が、あとで汚れる造形への自信になります。
シンプルなものがいちばん
いい遊びには色や道具や気のきいた計画が必要だと思いがちです。水のお絵かきはそうではないと教えてくれます。水と筆だけで、子どもは感覚の楽しさ、「こうすると、こうなる」の学び、指先の練習、外の時間を手にします。汚れはゼロ、お金もほとんどかかりません。とてもかんたんに用意できるので、たびたび手がのび、くり返すうちに、子どもは本当に体にいい、落ちついた集中した遊びに入っていけます。
覚えておきたいこと
ベランダと筆と水があれば、ふつうの午後が、楽しい創作の時間に変わります。見守りを忘れず、短めに、同じ敷石を100回塗りたいならそうさせてあげましょう。跡は消えても、落ちついて夢中になった時間と、それを喜ぶ子どもの姿は残ります。それこそが大切なのです。
ポイント: 水と筆と外のかたい面があれば、汚れずに「こうすると、こうなる」が楽しめるお絵かきに。水遊びはずっと大人が見守ることが前提です。
NHS, Physical activity guidelines for children (under 5 years)