年の離れたきょうだいで楽しむ、かんたんな工作の誘い方

3、4歳はなれたきょうだいだと、いっしょの工作はむずかしく感じます。下の子はぬりたくってつぶしたい、上の子はきれいな線で仕上げたい。年の離れたきょうだいが楽しめる工作は、みんなに同じことをさせることではありません。ひとつの自由な机で、それぞれが自分のレベルで取りくみ、だれも順番を待たなくていい場をつくることです。

「作品」ではなく「お誘い」から

お誘いとは、自由に試せるように材料を並べておくことです。大きな紙、太いクレヨン数本、ちぎった色紙の形、スティックのり。まねする絵も正しいできあがりもないので、1歳3か月の子も5歳の子も、どちらも遅れを感じずに入れます。下の子はなぐり描きして、紙に形をぺたぺた。上の子は場面を考える。同じ机で、深さがちがうだけです。

ふたつのレベルで使える材料を選ぶ

コツは、大きい子にはおもしろく、小さい子には安全な物を選ぶこと。太いクレヨン、洗える紙、段ボールの切れはし、布の切れはし、子ども用の安全なのり。どれも両方に合います。ビーズ、ボタン、動く目玉シールのような飲みこめる小さな物は下の子の手の届かないところに置き、上の子にだけ、その子の側に置く別のトレーで出しましょう。

それぞれが誇らしく思える役割を

上の子は、小さな仕事をまかされるとほっとすることがよくあります。紙を配る係、今日の色を選ぶ係、下の子がぬれるようにりんかくを描く係。競争がやさしいチームワークに変わります。下の子は仲間に入れてもらえたと感じ、上の子は子守りではなく、できる人だと感じられます。役割は押しつけず、すすめるのがいちばんです。

上の子の作品を守る

よくあるもめごとは、下の子がていねいな絵をつかんだり、だいなしにしたりすること。上の子にクリップボードや少し高い台、手の届きにくい場所を用意するだけで、涙はかなり防げます。自分の作品が安全だとわかると、上の子は小さい子を仲間に入れるのにずっと前向きになります。「あなたの作品はここ、妹はあっちでぬるよ」と声に出して伝えるのも効果的です。

下の子は、大きくておおらかな動きで夢中に

とても小さな子は、くり返す、腕全体を使う動きが大好きです。スポンジでぽんぽん、大きなシールを貼る、ねんどに形を押す、長い紙にクレヨンをひきずる。上の子が集中しているあいだ、下の子を夢中にさせてくれます。どれもまちがえようのない動きなので、イライラが少なく、上の子に必要な静かな数分をつくってくれます。

「終わり」はふたとおりでいい

ふたりの「おしまい」はまったくちがうもので、それでいいのです。下の子は90秒で興味をなくし、どこかへ行って2回もどってくるかもしれません。上の子は20分取りくむかもしれません。いっしょに始めていっしょに終わる必要はありません。下の子は好きなときに離れ、上の子は続ければいい。始まりがいっしょでも、終わりまでいっしょでなくていいのです。

汚れは始まる前に手を打つ

年の差がある工作は、下の子が何でも感触で確かめるので、汚れやすくなります。ふける敷物、古いシャツ、「絵の具は机の上だけ」のルールで、ストレスのほとんどは防げます。水で落ちる物だけを出し、ぬれタオルを手の届くところに。カーペットではなくかたい床の上で準備すれば、そばでハラハラせずにすみます。たいてい、それが落ちついた時間をピリピリした時間に変えてしまう原因なのです。

一歩下がるタイミング

うまく回りはじめたら、指示したい気持ちをこらえて。それぞれが何をつくるべきか口にすると、避けたかったはずの張りあいがまた始まりがちです。近くにすわり、結果ではなくがんばりにひと言かけ、場所のゆずりあいはふたりにまかせましょう。年の差工作のいちばんすてきな瞬間は、大人がなにも言わないのに、上の子が下の子にコツを見せてあげるときに生まれることがよくあります。

安全についてひと言

いっしょの工作でおもな危険は、窒息と肌の反応です。まだ物を口に入れる子からは小さな部品を遠ざけ、安全性の表示があって水で落ちる物を選び、下の子と上の子が同じトレーを使うときはしっかり見守りましょう。肌に傷がある、アレルギーがわかっている、製品に強い反応が出た、という場合は中止して洗い流してください。発疹が広がる、おさまらないときは、地域の保健師さん、薬剤師、かかりつけ医に相談を。

無理なく続けるために

毎日新しいアイデアはいりません。同じシンプルな準備をくり返すと、1週間でふたりともより深く取りくめるようになり、予想がつくことがきょうだいのぶつかりあいを落ちつかせます。クレヨンをスタンプに替えるなど、ひとつずつ入れかえれば、全部やりなおさなくても机は新鮮に感じられます。めざすのは、くたくたになる一回きりの大イベントではなく、きょうだいが楽しみにする、くり返せる工作の時間です。

本当の成功は、すてきな合作ではありません。年のちがうふたりが同じ創作の場にいて、それぞれが夢中で、それぞれが安全で、それぞれが「自分のもの」と思える何かを持って帰れること。それがいちばんです。

ポイント: おおらかな材料を並べた、ひとつの自由な工作のお誘い。それで下の子と上の子が、となりあって、それぞれのレベルでつくれます。

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